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- ロシアのプーチン大統領は3月16日、ロシアは「社会の自浄作用」を働かせなければならないと述べた。
- そうすることで「我が国の連帯、一体感を強化する」という。
- ウクライナへの侵攻後、数千人の市民がロシアから脱出したと伝えられている。
ウクライナ侵攻で数千人のロシア人が国外脱出を試みる中、ウラジーミル・プーチン大統領は2022年3月16日の演説で、ロシアは「駄目な人間と裏切り者」を排除するために「社会の自浄作用」を働かせるべきだと述べた。
プーチン大統領は、Twitterで共有された動画の中で、 「西側諸国は、ロシア国民の反乱を誘発するために、軍事的な損失や制裁の社会経済的な影響を推測して、我々の社会を分断しようとしている」 と述べた。
「しかし、どんな人々も、特にロシアの人々は真の愛国者と駄目な人間や裏切り者を区別することができ、彼らを排除するだろう」と、彼はクレムリンを支持しない人々について語った。
「この社会の必要かつ自然な自浄作用は、我が国の連帯、団結、行動を求めるあらゆる呼びかけに答える覚悟を強固にすると私は確信している」 とプーチンは述べた。
プーチンはまた、「マイアミやフランスのリビエラに別荘を持っている人」や「フォアグラやムール貝やジェンダーに基づく権利がないと生きていけない人」も、ロシアと「精神的に」連帯していれば批判するつもりはないと語った。
「問題はそこにあるのではない。繰り返して言うが、これらの人々の多くは本質的あるいは精神的に、ここではない場所で、我々やロシアとともに生きているのだ」 とプーチンは述べた。
「これは、彼らの考えでは......上位カースト、上位の人種に属するということだ」
一方、2月24日に始まったウクライナ侵攻を受け、数千人のロシア人が国外脱出を試みている。この侵攻でロシア軍はウクライナの複数の都市を砲撃しており、住宅や病院も標的になっている。
何人かのロシア人はInsiderに対して、戒厳令、国境閉鎖、拘留、経済的困難を恐れて、地元から近隣諸国に逃げたロシア人が何人もいると述べた。
プーチンは、クレムリンの路線に従わない「第五列」の代表者や「裏切り者」を「ハエのように吐き出す」ための「自然かつ必要な国家の浄化」、という不吉な言葉を発した。何千人もの人々が恐怖のあまり国を離れていくのも無理はない。
※第五列(a fifth column):敵方の国家に味方する人々
新しく制定された法律で、ロシア軍に関する虚偽の情報を流したり、ロシアのウクライナ侵攻の中止を求めたり、対ロシア制裁を支持したりすることが違法とされているため、戦争への反対意見を表明することで拘束されることを恐れたという声も聞かれた。
独立系の監視団体OVD-Infoのデータによると、侵攻開始以来、ロシア全土で1万5000人近くが拘束されている。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)