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米FRBが利上げを決定…インフレ抑制へ、ゼロ金利政策を2年ぶりに解除

連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長。2018年3月21日に開催された連邦公開市場委員会の後の記者会見で。

連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長。2018年3月21日に開催された連邦公開市場委員会の後の記者会見で。

AP/Carolyn Kaster

  • アメリカ連邦準備制度理事会は3月16日、金利引き上げを発表し、ほぼゼロに近かった低金利政策を終わらせた。
  • これは、40年来の高水準で推移しているインフレを抑えるために行われたものだ。
  • 金利の引き上げは、自動車ローン、住宅ローン、クレジットカードローンなどに影響すると見られる。

パンデミック中に見られたような記録的な低金利は、もう終わりだ。

アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は2022年3月16日、2年間続いたゼロ金利に近い状態を終わらせ、インフレ抑制に向けて大きな一歩を踏み出した。同日行われた連邦公開市場委員会(FMOC)は、フェデラル・ファンド金利を0.25%引き上げた。これは、数週間前からエコノミストが抱いていた予想とほぼ一致している。この措置は、少なくとも今年いっぱいは続くと見られる利上げの幕開けだ。

FRBは声明で「最大限の雇用とインフレ率2%を長期的に達成することを目指している」と述べている。

「これらの目標を支えるため、FMOCはフェデラル・ファンド金利の誘導目標を0.25〜0.5%に引き上げることを決定し、さらに継続的な引き上げが適切であると考えている」

この利上げは、今後数週間のうちに経済全体に波及するだろう。金融機関の金利はFRBの指標に直接影響されるので、FRBが金利を引き上げると、国内の借入コストが上昇する。つまり、自動車ローンからクレジットカードの利払いまで、あらゆる借入がやや割高になる。

今回の利上げは、ウイルスに襲われた経済を支援するためのFRBの主要な政策の1つを正式に停止するものだ。コロナウイルスの蔓延により、全国でロックダウンが広がり、経済活動がストップしたため、FRBは2020年3月に金利をゼロに近づけた。歴史的な低金利は、人々や企業が低いコストで現金を借りるのを助け、国がほぼ1世紀ぶりの深刻な不況に陥る中、アメリカ人に大きな支えを与えることになった。

しかし、低コスト借りられる現金は苦境にある家計を助けた一方で、インフレが過去40年間で最も速いペースになることを可能にした。そのため消費は好調になったが、供給が追いつかなかった。この需給のギャップが企業の値上げを加速させ、今日のインフレの発端となったのだ。

金利は経済を冷やし、インフレを抑えるためのFRBの伝家の宝刀だ。金利を引き上げることにより、FRBは需要を抑制し、ひいてはインフレを助長する不均衡を解消することができる。

FRBの金利引き上げのタイミングが正しかったかどうかは、まだ分からない。多くのエコノミストは、インフレが歴史的な高水準に達したことについてFRBを非難し、政策立案者は物価上昇を抑えるには遅すぎたと主張している。ラリー・サマーズ(Larry Summers)前財務長官は、ここ数カ月でFRBを最も批判している一人だ。サマーズはインフレ問題でFRBを繰り返し非難し、3月15日のワシントン・ポストのコラムで、遅い利上げは高インフレの持続と新たな景気後退を招く危険性があると述べていた。

「FRBの現在の方針は、今後数年間で平均失業率とインフレ率がともに5%を超えるスタグフレーションを引き起こし、最終的には大不況に陥る可能性が高い」

FRBが発表した予測は、インフレにさらに圧力をかけることを急いでいることを示唆している。ほとんどの当局者が2022年に少なくともあと6回の利上げが行われ、2023年にもさらなる利上げがあると予測している。FOMCはまた、「今後の会合で」国債と住宅ローン担保証券の保有量を減らし始めることを示唆した。これは金融情勢をさらに引き締め、インフレに対抗するものだ。

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