最新の調査によって、日常の買い物に潜むジェンダーギャップが明らかになった(写真はイメージです)。
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後払い決済サービス「ペイディ」を運営するPaidy社が、「買い物の多様性に関する調査」を発表した。
パートナーとの買い物の分担に不公平感を抱く女性は4割に達し、さらに買い物に付随する「名もなき家事」の認識に男女間で大きなズレがあることが分かった。
日常の買い物に潜む「名もなき家事」、あなたはいくつ思い浮かびますか?
「ユニセックス商品」の現在地
出典:「買い物の多様性に関する調査」Paidy
調査は2022年2月、日本全国の男女500人を対象に、インターネットを通じて行われた。以下にその結果を紹介する(小数点以下、切り捨て)。
ファッションや小物を購入する際、デザイン面で「メンズ」「レディース」を考慮して検討・購入するかという設問に対し、「する」(18%)「どちらかといえばする」(41%)と回答した人は約6割。「しない」(17%)「どちらかといえばしない」(23%)とした人は4割だった。
また「ユニセックス商品」があるほうが望ましいと考えている人は49%、レディースとメンズで区別できるほうが望ましいと考える人は50%と拮抗するなど、ジェンダーレス商品普及の過渡期であることが浮かび上がった。
買い物分担にもジェンダー格差
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一方で、男女の不平等感はいまだ根強い。
「パートナーや配偶者との買い物分担・ルールなどで不公平に感じたことがあるか」との設問に「ある」「どちらかといえばある」と回答した女性が41%にのぼる一方、男性は23%だった。
女性の自由記述には、以下のような理由が並ぶ。
「何が家にあるのか、足りているか、何を買わなくちゃいけないかなどを全く考えていないので、私が全部やらなくてはいけない」(20代)
「決めたり購入するのはいつも自分ばかりだから。そしてそれを当たり前のように思われているから」(40代)
「予算や購入場所を気にしながら買い物をしているのに、配偶者と買い物へ行くと何も気にせず買いたいものをカゴに入れる」(30代)
「私は家族に必要なものを中心に購入するが、夫に買い物をお願いしても自分の欲しいものを購入する」(40代)
「名もなき家事」にご用心
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女性たちの回答にあるような「家に何があるか把握して、購入品を検討する」こと、たとえば冷蔵庫を確認したり、それによって献立を考えたりする細々とした、しかし必要な家事を「名もなき家事」という。
調査では「日常の買い物に『名もなき家事』が隠れている」と実感する女性は47%と約半数を占めるのに対し、男性は26%と大きな開きがあった。
実際、日常の買い物で目当てのものを買うこと意外に意識していること(複数回答可)としても、以下のような男女差が見られた。
「(食品の場合)献立を考える」女性62%:男性28%
「買い物リストを作成する」女性40%:男性21%
「ストックを確認する」女性69%:男性40%
コロナ禍で広がる男女の家事分担格差。いま一度パートナー間での話し合い、ルールの見直しが必要だろう。もちろん「見えない家事」もタスクに含めて、だ。
(文・竹下郁子)