日産「GREEN PASS」はEVを持つ意味を広げるのか?

GREEN LOUNGE 入口

地球温暖化に歯止めをかけるべく、ゼロ・エミッションな世界を目指す。2015年12月に採択されたパリ協定に基づき、各国が温室効果ガスの排出削減目的を設定し、実現に向けて動いている。

その一環として、2030年から40年にかけて複数の国でガソリンエンジン車・ディーゼルエンジン車の販売が禁止となる。日本においても2035年までに内燃機関のみの新車は販売が禁止される見込みとなっている。

今後は電気自動車(EV)を中心としたモデルから自分の愛車を選んでいく世の中になる……と言われても自分ごととして捉えられないかもしれない。走行可能距離が少ない、充電時間が長いと思われがちなEVとの生活に、不安を抱く方もいるだろう。

しかし、私たちのマインドを変えてくれる取り組みを、いち早くはじめた自動車メーカーもある。2010年より純粋なバッテリーEVであるリーフを発売して以来、世界のEVトレンドをリードしてきた日産自動車だ。

EVドライバーに伝えたいサステナブルの形

グリーンラウンジ

2022年2月17日〜3月16日の約1カ月間、日産自動車は「GREEN PASS」という取り組みを行った。これは海老名SAにEVオーナーとその同乗者だけが利用できるラウンジを設け、さらに一部のサービスエリア・パーキングエリアの飲食店やショップでもらえる・使える特別な特典を提供するというもの。

GREEN LOUNGE内装

世界的に注目度が高まっているEVといえど日本における普及率は0.9%に留まっていることから、EVを選んだオーナーをもてなし、同時にサステナブルを意識してもらうための啓蒙活動ともなった。

段ボールでできたソファ

EVオーナー専用ラウンジ「GREEN LOUNGE」が用意されたのは、神奈川県にある東名高速の海老名サービスエリア(下り)。EV用充電スタンドの脇に2台のトレーラーハウスを用意し、EVの充電中に心地よく休めるスペースとした。ソファや壁はダンボール製、床はパーティクルボード製で、いずれも環境負荷が低いリサイクル素材を用いた。

Z世代からみた「GREEN LOUNGE」

今回、バイオベンチャー企業ユーグレナの初代CFO(Chief Future Officer:最高未来責任者)を2019年10月から1年間務め、現在は大学生の小澤杏子さんに、「GREEN LOUNGE」を実際に体験してもらった。現在運転免許を取得するための教習所通いが終わったばかりだという小澤さんは、どのような実感を得たのだろうか。

段ボールでできたソファ

「EVに乗っているからこそ特別な体験ができる。EVの充電をしている間の時間をゆっくりと過ごせる。そんな余裕を感じられるところが、今後、EVの魅力を発信していく上での最初の1歩になるんじゃないだろうか、と素直にそう感じました。今の世の中って切羽詰まっていて、思い通りにいかない事もたくさんある。その中でゆったりできる時間を大切にする心がけも大事だと思っているのですが、『GREEN LOUNGE』ではそれを体験させていただきました」(小澤さん)

充電

ダンボールソファのひじかけに内蔵されたスマートフォンのワイヤレス充電パッドの電力はEVリーフのバッテリーからのおすそ分けされたもの。ゆっくりと休むことで気分をリフレッシュし、スマートフォンにも多くのエネルギーがチャージできることを体感できた。

ハンバーガー

また「GREEN LOUNGE」では、無料で絶滅危惧食材のハンバーガー&ほうじ茶とジンジャーエールを合わせたドリンクを提供。「GREEN LOUNGE BURGER」と刻印されたハンバーガーは、ミシュラン一つ星レストラン「sio」のオーナーシェフ鳥羽周作氏が監修したもので、地球温暖化が進むことで食べられなくなる可能性が高い食材で構成された一品だ。

絶滅危惧食材のハンバーガー

「ハンバーガーにりんごジャムが入っているんですね。美味しくて、食べる手がとまらないです。ドリンクもほうじ茶がほのかに感じられて甘くて美味しい。このセットが無料でいただけるというのはうれしいですね」(小澤さん)

EVに感じる可能性と期待感

小澤さん

実はこの「GREEN LOUNGE」での休憩&飲食サービスは、日産リーフのオーナーだけではなく他メーカーのEVオーナーも利用できた。またレンタカーとしてEVを利用している人にも門戸を開いていた。

「いまの日本でEVを選んでいる人って、感性が新しくてかっこいいなって思うんです。普通のガソリン車とは使い勝手が違うと思うんですけど、新しいことを率先してできる人には憧れます。そういった、新しいことに挑戦するEVオーナーを別け隔てなく迎えているのは素晴らしいことだと思います」(小澤さん)

小澤さんから見たEVとは、どんなイメージを持つ存在なのだろうか。

「個人的に、EVはここ数年、注目していた分野なんです。いま日本は、2030年代にガソリンエンジン車・ディーゼルエンジン車をなくしていこうという方針で動いていますよね。日本ではEVは他の国と比べてまだニッチで、そもそも乗ってる人もまだ少ないと思いますが、それだけに可能性がすごくある分野なんじゃないかなってずっと思っていましたね」

EV車

話を聞いていくうちに、小澤さんのEVを取り巻く社会への理解が深いことに気がついた。実際にEVに乗ったことがあるのだろうか。

「私のまわりではEVに乗っている人がとても増えています。私はちょうど運転免許を取得しようとする年代なのですが、同世代には環境問題を意識している人が多くて、電気自動車を選択することが普通と思っている人が増えつつあるのではないでしょうか」(小澤さん)

社会を、自分をアップデートし続ける

GREEN LOUNGE

盛り上がってきたEVの市場のなかで、10年以上リーダーシップをとってきたのが日産自動車だ。

「大きな力を持っている大企業だからこそ、停滞した世の中を大きく動かすことができるのではないでしょうか。同時にベンチャー企業によるいろんなチャレンジも大事で、その両面からのいろんなアプローチが合わさって繋がっていき、大きな波を作っていけると思うんです」(小澤さん)

大きな波を起こすことで、社会をアップデートしていく。小澤さんが捉えるEVの姿はまさにその象徴だ。

「私が小学校で学んでいないことを、今の小学生は学校で学んでいる。そうやって社会って、常にアップデートしていくと思うんです。30年後の新しい常識の中では、今の最新が最新ではなくなるわけで、私たちが知っている・やっていることが今は凄いといわれても、より若い世代にとっては、当然のこととなっていくんじゃないでしょうか。その1つがEVだと思っています。今は特別な存在ですが、近い将来はスタンダードになっていくはずです」(小澤さん)

だからこそ、立ち止まらないことが大事だという。

社会をより良く改革していくことをひたすらやり続けることが大事だと思います。サスティナビリティに関しては、ここ数年で一気に認知が広がり、活動に対しての意見も活発になってきました。数十年も立たずに誰もがサステナビリティを潜在的に知ってることになり、環境配慮につながる考えというのが当たり前になるんじゃないかなと思ってます」(小澤さん)

いつの時代も変化の過渡期前夜だ。だからこそ1歩、いや半歩でも先に進めるようにチャレンジし続けることが、時代と共に生きることになる。EVというアプローチで環境問題に取り組み、「GREEN PASS」の取り組みを通じてサステナビリティの啓蒙活動を行っている日産自動車もまた、明日を1歩先に感じ取れる存在といえる。


日産「GREEN PASS」についての詳細はこちら

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