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- フォードの電気ピックアップトラック「F-150」は、バッテリー満充電で最大320マイル(約515km)の走行が可能だ。
- これはフォードが最初に約束した距離より20マイル(約32km)長い。
フォード(Ford)F-150ライトニングのアメリカ政府機関による公式航続距離評価が発表された。それは期待を上回るものだった。
アメリカ環境保護庁(EPA)によると、このフォードの電気ピックアップトラックは、大型バッテリーオプションを装着した場合、フル充電で最大320マイル(約515km)の走行が可能だ。この評価値は、ライトニングを市場で最も航続距離の長い電気自動車のひとつに位置づけるものだ。
フォードは2022年にライトニングを発表した際、EPA評価で300マイル(約483km)を目標に掲げていた。同社のEV部門の責任者、ダレン・パーマー(Darren Palmer)は当時Insiderに、ライトニングは荷台に1000ポンド(約452kg)の荷物を積んでそれを達成したと語ったが、これはEPA評価値が320マイルとなった説明になるかもしれない。
標準サイズのバッテリーを搭載したF-150ライトニングは、230マイル(約370km)という評価を得た。EPAによると上位モデルのプラチナムは300マイルを走行することができる。ただし、EPAの評価と実際の航続距離とは異なる場合がある。
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ライトニングの航続距離の長いモデルのうち、一般消費者向けの最も安価なXLTはおよそ7万4000ドル(約895万円)で、最もベーシックで業務用のProシリーズは約4万ドル(約484万円)からだ。この電気ピックアップトラックは、6月までに市場に投入される予定。
つい最近まで、テスラ(Tesla)は「300マイルEVクラブ」の唯一のメンバーであり、走行距離の点で他を凌駕する車を常に生産していた。F-150ライトニングは、イーロン・マスクの会社だけが航続距離の長い車を作ることができるという概念を覆す、一連のニューモデルの最新作に過ぎない。
電気ピックアップ市場におけるフォードのライバルたちは、リビアン(Rivian)のR1Tが314マイル(約505km)、GMCのハマー(Hummer)EVが329マイル(約530km)と、EPAによる推定航続距離300マイル以上を達成している。また、リビアンはさならる長距離走行が可能モデルを投入すると約束しており、シボレー(Chevrolet)は次期シルバード(Silverado)EVは400マイル(約643km)走行できると述べている。
リビアンR1TとGMCハマーEVは、ほとんどの消費者には手が届かない高価な車だが、その他のブランドもテスラにも追いついてきている。ヒョンデ(Hyundai)のIONIQ 5は303マイル(約488km)の航続距離を誇り、系列の起亜自動車によるキアEV6は310マイル(約499km)の走行が可能だ。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)