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- リモートワークをすれば、原油の使用を1日あたり数十万バレルも抑えられると国際エネルギー機関(IEA)は述べている。
- IEAは、危機的な石油供給ショックを食い止める10の方法の1つとして、リモートワークを提案している。
- ロシアのウクライナ侵攻によって原油供給量が低下している中、需要のピークを迎えようとしている。
リモートワークは、従業員の確保に役立つだけではない。世界が壊滅的な供給ショックのリスクに直面しつつある今、1日あたり数十万バレルもの原油消費の抑制に役立つ可能性があるのだ。
国際エネルギー機関(IEA)は、リモートワークが各国の原油使用量を削減し、原油供給量の危機的状況に役立つと述べた。ロシアのウクライナ侵攻は、需要のピークシーズンを間近に控え、世界の原油供給を脅かしている。
IEAは2022年3月18日、原油価格が高騰して史上最高値を記録する中で、原油の使用量を減らし、価格高騰による打撃を軽減する10のプランを発表した。IEAによると、そのプランが先進国で実行された場合 、4カ月間で1日270万バレルの原油を削減できるようになる。これは、中国のすべての自動車の原油需要に相当する。
「ロシアによるウクライナ侵攻の結果として、経済と社会に大きな影響を与える過去数十年で最大のオイルショックに直面する可能性がある」と、IEAのファティ・ビロル(Fatih Birol)事務局長はプレスリリースで述べた。
「IEA加盟国はすでに、緊急用の備蓄原油を数百万バレル放出して国際経済の支援を行っているが、壊滅的な原油危機のリスクを避けるため、各国は行動を起こすことができる」とビロル事務局長は付け加えた。
IEAによると、週3日のリモートワークで1日50万バレルの原油使用量削減になるほか、高速道路の制限速度の見直し、都市部での「自動車に乗らない日曜日」の実施、公共交通機関の利用料金減額などが行動として考えられるという。
さらにIEAは、相乗りの頻度を増やす、配送車両の効率的な運転の促進する、飛行機より高速鉄道や夜間鉄道を利用する、可能な限りのビジネスで飛行機の利用しない、大都市への自家用車でのアクセスを交代制にする、電気自動車の導入を支援することなどを推奨している。
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)