インテリアデザイナーによると、この春は彫刻のようなソファや、トリムと壁が同系色になった色調が好まれているという。
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- インテリアデザイナーが、この春に流行しそうなトレンドと消えつつあるトレンドを紹介してくれた。
- 曲線を描く彫刻のようなソファやギャラリーウォールで、大胆な部屋づくりが流行りそうだ。
- 船室のようなシップラップ壁、床の大きなモザイク柄、オープンなキッチンは今シーズンのトレンドではない。
ラタンはナチュラルな雰囲気が感じられる流行りの素材だ
ラタンは部屋を「BOHO(ボヘミアンスタイルとニューヨークのSOHOスタイルを掛け合わせた造語)」なビーチの雰囲気に変える。
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デザイン会社Jsquaredのインテリアデザイナー、ジョナサン・ミラー(Jonathan Miller)は、今シーズンはラタンが再び流行しているとInsiderに語っている。
「1970年代に流行したこのクラシックな素材は、より直線的なラインと中間色からダークな色合いとなって復活している」
ラタンはミニマルな空間にナチュラルな雰囲気を与え、ミッドセンチュリーモダンのデザインにもよくマッチする。
ビルトイン収納が主流に
ビルトイン収納は、ニーズに合わせてカスタマイズできる。
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Murphy Maude Interiorsのオーナーであるインテリアデザイナーのレズリー・マーフィ(Leslie Murphy)は、ビルトイン収納が今シーズンのデザイントレンドだとInsiderに語っている。
「作り付けのキャビネットは、もはやキッチンやバスルームだけのものではない」とマーフィーは言う。
「アクリルからコンクリートまで、あらゆる素材で作られるようになっている」
これなら、自分のスタイルやニーズに合わせて収納をカスタマイズできる。椅子としても使えるローキャビネットを設置したり、本棚をビルトインの棚に取り替えたりすることも可能だ。
最新の話題は英国スタイルのリバイバル
アップデートされた花柄が、リバイバルした英国スタイルを作り出す。
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ミラーは、英国スタイルのクラシックとモダンの要素をミックスして使うことが、今シーズンの流行であることは間違いないとInsiderに語っている。
「英国風のスタイルがリバイバルしている」とミラーは述べており、くすんだ仕上げをした花柄の更紗を使った家具が増えているという。
このスタイルを実現するには、大胆な花柄の壁紙、更紗のカーテン、アップサイクルされたヴィンテージ家具などが決め手となる。
壁とトリムの色を合わせると、ドラマチックな印象に
トリムと壁の色のコントラストの強い組み合わせは人気が落ちている。
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今シーズンは、壁とトリム(縁取り)の色を同系色にすることが注目されている。
「そうすることで、布地やアクセサリーを引き立たせ、部屋にドラマチックでムーディーな美しさをもたらす」とマーフィーは言う。
ドラマチックな雰囲気を強調したいなら、ネイビーブルーやパープル、あるいはブラックなど、濃い色を選ぶことをマーフィーは勧めている。
ギャラリーウォールの人気は根強い
ギャラリーウォールに飾ったオリジナルアートで、個性を主張できる。
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ギャラリーウォールにアートのコレクションや大切なものを飾ると、殺風景な壁に華やかさが生まれる。
「ギャラリーウォールは、コーディネートされたフレームを使うと最も効果的だ」とミラーは言う。
「また、オリジナルアートを中心に据えるのもいいだろう」
さらに、ギャラリーウォールに奥行きと深みを与えるために、陶器や彫刻を飾ることができる棚の設置も推奨している。
彫刻のようなソファは、心地良い春のトレンド
彫刻のようなソファは、部屋の中でも目を引くポイントとなる。
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ミラーによると、曲線を描く彫刻のようなソファは、さまざまなリビング・デザイン関連の雑誌に登場しているという。
「曲線を描くソファの柔らかなエッジと深い座面は、座りたくなってしまう魅力がある」とミラーは言う。
「かすかに官能的で、寒い夜には暖かさをもたらす」
リビングに目を引く曲線的なソファを加えようと考えているなら、部屋のインテリアスタイルとのバランスに気を配ろう。
大きな柄のモザイクは時代遅れ
大きな柄のモザイクをキッチンやバスルームの床に取り入れると、ごちゃごちゃとした印象になることがある。
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キッチンやバスルームの床に、タイルの代わりに大きな柄のモザイクを使うというトレンドは、廃れてきている。
「控えめに取り入れられている分にはいいが、床の広い部分をごちゃごちゃとしたモザイクで覆うのは時代遅れだ」とマーフィーは言う。
凝ったモザイクはやりすぎに見えることがあるだけでなく、目地の清掃もやりにくいことが多い。
シップラップは飽きられている
2022年にシップラップは時代遅れ。
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船室をイメージした羽目板の「シップラップ」は、何年も前から流行のデザイン素材で、キッチンパネルや暖炉など、あらゆる場所で使われている。
「壁や天井の素材として今でも素晴らしいものだが、この春は定番となっている水平のシップラップから脱却するときだ」とマーフィーは述べている。
その代わりに木の壁を、溝が刻まれたパネルやボード、バテン(当て木)のデザインで飾ったり、あるいはシップラップを縦に取り付けてモダンに仕上げることもできる。
クールな色調は廃れ、温かみのある色調が主流に
クールな色調ではなく、暖かみのある色調が好まれるようになった。
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この春は、グレーや白が、居心地のよい色として注目されている。
「グレーや白にパープルやブルーを合わせるクールな色調は、もう流行らない」とマーフィーは言う。「これからはより暖かな色調が好まれる」
マーフィーは、白やグレーの色を、よりソフトな「グレージュ」や木の色に変えてみることを提案している。
モダンなファームハウススタイルは時代遅れ
素朴なインテリアにするには、納屋風の引き戸を取り入れる以外にも方法がある。
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モダンなファームハウススタイルの流行は終わった。納屋風の引き戸や古いパレットを使った家具とはおさらばするときだ。
「あるスタイルを毎日あちこちで見かけると、それに愛想が尽きてしまう」とミラーは言う。
「消費者は、オリジナリティのないモダンなファームハウススタイルに飽きてしまった」
素朴なインテリアをモダンで本物らしくするには、地元で調達したヴィンテージ品や中古品販売店で手に入れた物などを少し使ってみるといいだろう。
オープンなキッチンの人気は下火に
オープンなキッチンの代わりに、ダイニングとキッチンを分けるようになっている。
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キッチンとダイニングやリビングを一体化させたオープンなキッチンは、必ずしも理想的とは言えない。
「新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに、家の中にプライベートな空間を持つことが大切にされるようになった」とミラーは言う。
「つまり、オープンで広々としたキッチンは実用的ではないと考えられているということだ」
キッチンとリビングが一体となった空間を区切るには、可動式のパーティションを使ったり、ハーフウォールを追加して、はっきりとした仕切りを作ることを検討するといいだろう。
ダイニングは別の目的で使われるようになった
フォーマルなダイニングルームが、フレキシブルな仕事場として利用されるようになっている。
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パンデミックによってリモートワークが増加し、多くの人がフォーマルなダイニングルームをフレキシブルなリビングや仕事場に変えた。
「ダイニングは日常的にさまざまな用途で使われるようになり、フレキシブルで何にでも使えるスペースとしてカスタマイズされている」とミラーは言う。
ダイニングテーブルが使えない場合は、使わないときに収納できる折りたたみ式のテーブルを使うといいだろう。
[原文:Interior designers share 6 trends that are in, and 6 that are out this spring]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)