ウクライナのゼレンスキー大統領は2022年3月22日、映像を通じてイタリア議会で演説した。
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- ウクライナのゼレンスキー大統領は、イタリアがロシアのオリガルヒの安全な避難所として利用されるのを阻止するよう呼びかけた。
- 「ほぼ全員がイタリアを休暇の場所として利用している。殺人者のためのリゾート地にならないようにしてほしい」と述べた。
- ロシアの侵攻が続く中、ウクライナ大統領は3月22日、イタリアの国会議員にビデオ演説を行った。
ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領は3月22日(現地時間)、イタリアに対し、ロシアのオリガルヒに安全な避難所として利用されるのを止めるよう促した。
「ウクライナに戦争を持ち込んだ人たちを知っているだろう」と、ゼレンスキーはテレグラムに投稿されたビデオでイタリアの国会議員たちに語りかけた。
「戦いを命じた者、それを推進した者たちだ」
さらに、「ほぼ全員がイタリアを休暇の場所として使っている。殺人者のためのリゾート地にならないようにしてほしい」
ゼレンスキーは議員たちに対し、オリガルヒの不動産を差し押さえ、銀行口座やヨットなどの資産へのアクセスを遮断するよう促した。
「いつか自分のところに戻ってこられるように、平和のために影響力を行使させましょう」とゼレンスキーは言った。
「ロシアへの制裁強化を支持する」
また、イタリアがロシアの石油の輸入を禁じ、ロシア船の入港を禁止することを提案した。
ロシアのプーチン大統領が2月24日にウクライナへの攻撃を開始して以来、アメリカ、イギリス、欧州連合(EU)は、プーチンと密接な関係にあるとされるロシアの富豪、オリガルヒを制裁している。その結果、多くのオリガルヒがその富と資産を剥奪された。
イタリア当局は3月19日にロシアのオリガルヒであるアレクセイ・モルダショフ(Alexei Mordashov)が所有する複合ビルを押収し、同国は他のオリガルヒが所有するヨットや別荘(いずれも数億ドル相当)を管理下に置いた。
ゼレンスキーは、アメリカ、ドイツ、カナダなどへの演説を相次いで行った後、イタリアの国会議員にロシアのエリートを罰するためにもっと努力するよう訴えた。
一方、ロシアのウクライナに対する戦争は27日目に突入し、プーチン軍はウクライナの都市や市民への爆撃を続けている。
両国の和平交渉はまだ進行中で、いまだ戦争終結には至っていない。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)