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- ねこがあれほどよく眠るのは、狩りのためにエネルギーをとっておこうとする先祖から伝わる本能が備わっているからだ。
- 1日のうちで光の少ない時間帯に起きているため、人間が眠っている時間帯に活動的になるねこも多い。
- 関節炎や糖尿病といった病気を抱えている高齢のねこも、眠っていることが多い。
あなたが目を向けるたびに飼い猫が眠っているように見えるなら、それは気のせいではない。
ねこがあれほどよく眠るのはなぜか、それには4つの理由がある。
1. ねこは薄明薄暮性だから
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ねこは薄明薄暮性のため、明け方や日暮れといった1日のうちで光の少ない時間帯に最も活動的になると、獣医師でコロラド州立大学獣医教育病院の助教でもあるアリソン・マインドル(Alison Meindl)氏は話している。
ねこがいつも眠っているように見えるのは、人間が夜眠り、日中に起きているからかもしれない。しかし、飼い猫が活動的な時間帯のほとんどをあなたが寝て過ごしているというのが現実だと、マインドル氏は語った。
2. ねこは肉食動物だから
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平たく言うと、ねこがよく眠るのはそういう性質を持っているからだ。人間に飼われているかどうかにかかわらず、ねこは肉食動物で、肉食動物は一般的に、草食動物よりもよく眠るものだと、シュワルツマン動物医療センター(Schwarzman Animal Medical Center)の獣医師アン・ホーヘンハウス(Ann Hohenhaus)氏は話している。
肉食動物は狩りをして食料を手に入れるが、狩りをするには草を食べるよりもエネルギーが必要だからだと、ホーヘンハウス氏は言う。野生のねこは狩りで使ったエネルギーを回復させ、次の狩りに備えてエネルギーをとっておくために眠るのだ。
ホーヘンハウス氏によると、「人間がごはんを用意し、時々ゴキブリやネズミを捕るだけだとしても、こうした習性は飼い猫に今も残っている」という。
3. 高齢だから
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年を取るにつれ、ねこの眠る時間は長くなりがちだと、ホーヘンハウス氏は話している。2020年の研究でも、ねこは年を取るにつれ、眠る時間が長くなることが分かっている。
具体的には、11歳を過ぎると眠っている時間が毎年長くなることをデータは示している。一般的に、ねこも年を取れば若い頃より活動的でなくなるし、かつてのように身軽に動き回ることが難しくなる。
4. 体調が悪かったり、痛みを感じているから
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あなたの飼い猫がよく眠る理由は、ここまで見てきた3つのいずれかである可能性が高いものの、体調が悪かったり、痛みを感じているケースもある。実は隠れていたり、動き回らなくなったねこを見て、飼い主が"眠っている"と考えている可能性もあると、ホーヘンハウス氏は指摘する。
ねこがひとりでずっと眠っているのは必ずしも"危険信号"ではないが、ホーヘンハウス氏は次のような兆候には気を付けるべきだと話している。
- 隠れてなかなか出てこない
- 体重が減る
- 吐く
- 以前のように動いたり、ジャンプしたり、走ったりしなくなった
糖尿病やフィラリア症にかかっていたり、内分泌系疾患や関節炎による痛みを抱えているなど、ねこがかかりやすい病気の中にはこうした症状が見られるものもある。
まとめ
ねこがよく眠るのは習性で、ほとんどの場合は心配する必要はない。遊びたくなれば、ねこは起きてきて飼い主に知らせるので、それまではゆっくり休ませてあげよう。
ただ、眠って過ごす時間があまりにも長くなったり、何かしらの異変に気付いた時は、動物病院に連絡をし、愛猫の健康状態をチェックした方が安心だろう。
[原文:4 reasons why your furry feline snoozes most of the day]
(翻訳、編集:山口佳美)