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「知る」「選ぶ」「つながる」——電通デジタルに聞く、理想のキャリアを叶えるため3つのキーワード

| キャリア

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激しい変化と競争に晒されているデジタルマーケティング業界。その中で急成長を見せているのが、2016年7月に設立した電通デジタルだ。2021年7月に電通アイソバーと合併し、社員数は設立当初の700人から一気に2000人にまで拡大。社員の国籍は10カ国以上、中途入社率は52.5%(2022年3月現在)。デジタル人材のみならず、戦略コンサル出身者も含め多様な人材が在籍している。

このような状況で、社員の成長をどのように後押しし、事業の成長を促進すればいいのか。電通デジタルが取り組む人材育成・組織開発について、電通デジタル 事業戦略室 育成企画部 事業部長の伊勢田健介氏に聞いた。

「異動=キャリアアップ」ではない。キャリアについての「誤解」を解く

伊勢田氏

伊勢田 健介(いせだ けんすけ)。電通デジタル 事業戦略室 育成企画部 事業部長。 2013年、ネクステッジ電通(電通デジタルの前身)の立ち上げに参画。2021年5月、育成企画部の事業部長に着任し、全社的な人材育成環境の整備や研修企画、制度設計、キャリア開発支援、組織開発支援など、社員の成長に関わる各種プロジェクトを推進。

年間300人ほどの中途採用者を迎え、成長を続ける電通デジタル。同社は自律的にキャリアを構築できる社員を育成するために、2021年「シャインアッププログラム」を策定し、社員の成長促進に注力してきた。背景にあるのは、新型コロナウイルス感染拡大に伴うリモートワークだ。

「弊社は形あるものを作っているわけではなく、社員の頭の中にあるアイデアやノウハウをクライアントのために最適化して提案する——すなわち平準化やマニュアル化しづらいものを商品としています。企業の価値を上げるためには、クライアントが想像していた以上にクオリティが高く、先回りしたアイデアを提案する力が求められます。それだけに社員が学びたいものを学べる環境を整備することは会社として必要なこと。従来から人材育成、組織開発には力を入れてきました」(伊勢田氏)

2016年の会社設立以来、人材育成の仕組み作りに注力してきたところで、コロナ禍が始まった。集合研修が難しくなったことで、改めてリモートでも学べる環境の整備を急いでいる。

会社が育成の仕組みを作り、社員はそこから学びたいものを学ぶ。では、その先の「キャリア」はどう描けばいいのか。伊勢田氏は「キャリア」そのものへの考え方から社員に疑問を投げかける。

「キャリアの本質について誤解している人が多いと考えています。たとえば『この事業部に異動して、こういう職種に就きたい』『そこに異動できなければキャリアアップできない』と、所属組織や肩書などにとらわれた目標やプランを描いている人が多い。しかし、そうした形で目標を設定してしまうと、日々変わっていく環境にうまく適応できず、高い成果を上げることはできません。我々が考えるキャリアは、一人ひとりが働いていて充実感が得られる、自己効力感を持てる、楽しく生きられる、そういう状況を築くこと。そうしたマインドセットでキャリアを考えていくよう促しています」(伊勢田氏)

肩書や所属組織に軸を置くのではなく、自分の充足感を重視する。そのために企業ができるサポートとはどのようなものなのか。

「知る」「選ぶ」「つながる」を重視した育成企画

育成方針

提供:電通デジタル

育成企画部が掲げる2022年の育成企画方針では「知る」「選ぶ」「つながる」を中心に据える。「知る」ことの重要性について、伊勢田氏は次のように語る。

「これまで数多くのキャリア相談を受けてきた中で、所属組織や肩書によって目標を設定している人は、『異動したい』と思った部署でどういう仕事がなされているのか実はよく知らず、『なんとなくステップアップできそうだから』と思っているケースが多々あることが分かってきました。加えて、自分の現状については悲観的な見方をしていることも多い。いわば幻想の理想と現実のギャップに悩みストレスを感じてしまっているのです。

まずは社内にどういう仕事が存在しているのかをきちんと『知る』。そして、自分がどのような価値観や経験・スキルを活かしてそこで能力を発揮できるのかを『知る』。それがスタートになります」(伊勢田氏)

では「選ぶ」はどういうことだろうか。

「自分のことや仕事、職場のことを正しく知って初めて、キャリアアップのためにどのような知識や経験が必要なのかが見えてきます。自ら必要な知識、スキルを選んで学ぶ。自分で『選ぶ』ことはとても重要で、誰かに指示されて学ばされるよりも自発的に学んだ方が高い効果が得られます。育成企画部としてはその選んで学べる環境を整備しています」(伊勢田氏)

知って、学ぶ。そこで終わりにしないのが、人材育成に力を入れている電通デジタルならでは。コロナ禍で失われた「つながる」ことにも注力する。

「1人の頭で考えるよりも約2000人の社員がつながって専門知識や得意領域を掛け算していった方が、クライアントに提供するアウトプットの価値はより高いものになる。つまり、社員がつながることがサービスの価値向上になる。育成企画部としてはつながりやすい環境作りを重視しています」(伊勢田氏)

「つながる」を目的としたオンライン研修を設定

伊勢田氏

とはいえ、リモートワーク中心の勤務状況下では「つながる」ことは最もハードルが高いことかもしれない。電通デジタルでも、コロナ禍で集合研修がほとんどできない状況が2年間続き、リアルを想定して組み立てていた企画は全て見直しを迫られた。

「改めて立て直しを図る中で見えてきたのは、集合研修によって知識を得る機会が減ったことよりも、研修を通じて所属チーム以外の人と接する機会が減ったことによる損失の方が大きいということでした。知識やスキルは、本を読んだりeラーニングを活用したり、OJTでも身につきます。それよりもコラボレーションの種になる人脈をいかにつくるか。この点に重きを置き、組織外の人と会話することを目的としたオンライン研修を設けています。今期はその機会を増やす予定です」(伊勢田氏)

オンライン研修は人数の上限を気にすることなく参加者を集められるメリットがある。半面、往々にしてあるのが、決まった人しか発言しないというパターンだ。参加者が活発に発言し議論するにはコツが必要だという。

「人数が多すぎるとなかなか発言できずコラボレーションが生まれません。3〜4人程度のブレイクアウトの時間を作り、より活発な議論を促すようにすることがポイントです。また、単発で機会を設けてもつながりが生まれにくいので、たとえば、特に重要なキャリアの転換期にいる社員、例えば新任管理職などへの研修は1回3時間で8週間にわたって開催するなど少し負荷をかけ、繰り返し議論を重ねることで『同じ仲間で乗り越えた』と、つながりを強める体験を作っています」(伊勢田氏)

キャリア1on1で社員の理解を深め、会社への理解を深める

伊勢田氏

社員たちは自身のキャリアにどのような悩みを抱えているのか。会社が目指す方向性は、一人ひとりに届いているか。育成企画部は、いわば社員と会社のコミュニケーションのパイプ役を担っている。

電通デジタルの育成企画部では、社員一人ひとりの思いや状況を把握するために組織サーベイを実施。フリーコメントにも全て目を通し、研修の効果との相関性を分析している。さらに管理職研修後のフォローアップや、若手を含めたキャリア相談窓口の設置も育成企画部が担当する。 もう一つの柱となっているのが上司と部下による1on1ミーティングの機会だ。

「弊社では1on1を既に習慣化しており『上司が伝えたいことを伝える場ではなく、部下が話したいこと話し、聞きたいことを聞ける時間』としています。さらに半期に1度、キャリア1on1の強化期間を設けています。内容について育成企画部から指定はしませんが、『部下本人が、今の自分の仕事やキャリアについて考えている事を率直に上司と共有・相談する時間として活用してほしい』ということを継続的に伝えています」(伊勢田氏)

結果として雑談だけになることもあるし、部下が望むのであれば業務報告でもいい。ただし、キャリア1on1は異動希望調査ではなく、チームビルディングに必要な共有認知や心理的安全性を確保するための機会としても機能している。

「管理職に対しては、知っておくべき部下の情報についてのフレームや理論を研修でインプットしています。一方、部下に対しては自分のことや将来の要望などを上司と共有した上で、上司の考えや会社が求めていることを知ることも大切であると伝えています。育成企画方針の『知る』の中には役割理解も含まれています。自分が今のポジションですべきこと、期待されていることを理解した上で、やりたいことを考え伝えてほしいと思っています」(伊勢田氏)

社員へのサポートと、成長のチャンスを提供することは、離職率の低下や優秀な人材確保につながっている。

「川上宗一社長は、電通デジタルを『一生働ける環境にしたい』と考えています。自分がやりたいことを転職ではなく電通デジタルの中で実現できるように、またDX人材が足りなければ自社で育成できるように、社員の学びに力を入れる。基礎知識の講座は外部のリソースを活用して効率化を図る一方で、管理職研修やリーダーシップ開発プログラムなどの重要な局面における研修はできる限り内製して全社展開しています。

バックオフィスのクライアントは現場社員。現場の社員がお客様に対して提供するような高い価値を社員に提供したい。とはいえ、与えてもらうことが前提だと、電通デジタルの環境はしんどいかもしれません。自律性、好奇心をもって自分で選ばない限りは、我々が整備した学びの環境は手にできません。反対に、社員から『こういうことをしたい』とリクエストを受けたらできるだけ用意したい。それが育成企画部としての思いです」(伊勢田氏)


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