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- イーロン・マスクは、社会が「気候問題」を解決すると確信しており、それがいつになるかということが重要だと述べた。
- 彼は、太陽光発電が「長期にわたって文明の動力源となる」と予測している。
- しかし、それに移行するまで、各国は原子力エネルギーを維持する必要があると述べた。
イーロン・マスク(Elon Musk)は、将来的な地球の気候について楽観視している。
「我々は気候の問題を解決するだろう。それがいつになるかということが重要だ」と、Insiderの親会社アクセル・シュプリンガー(Axel Springer)のマティアス・ドフナー(Mathias Döpfner)CEOとのインタビューで、マスクは語っている。
テスラ(Tesla)とスペースX(SpaceX)のCEOであるマスクは、脱炭素化は最終的に太陽エネルギーによって達成されると予測した。その移行に向けて重要なのは、太陽エネルギーを効果的に貯蔵し、将来にわたって使えるようにする技術だという。
「当然ながら太陽は昼間しか照らないし、曇る日もある」とマスクは言う。
「だからこそ、太陽電池が必要だ。それが長期的には、文明を維持するための主要な動力源となるだろう」
太陽光発電への移行が可能となるまでは、原子力発電所の維持が不可欠だとマスクはデプフナーに語った。
「そのことは、いくら強調しても足りないぐらいだ」と彼は言う。
「原発を停止させるなんて、狂気の沙汰だ。はっきり言う、完全な狂気だ」
この発言は、2011年3月の福島原発事故の後にドイツが原子力発電の段階的廃止を決定したことに言及したものだ。2022年3月初めには、ロシアのウクライナ侵攻によってドイツのロシア産石油への依存度が浮き彫りになったことから、マスクはTwitterでヨーロッパでの原子力発電の拡大を呼びかけた。
ヨーロッパが停止中の原子力発電所の稼働を再開し、既存の原子力発電所の出力を増やすべきであることは明白だ。
これは、国内外の安全保障にとって「重要」なことだ。
「激しい地震や津波が発生する場所であれば、(原発が稼働できるのかは)疑問ではある」とマスクはインタビューの序盤で述べている。
「ドイツのように大規模な自然災害のリスクがなければ、原発にとって何も危険なことはない」
ドイツの自然災害は「世界の他の地域ほどひどくはない」とはいえ、ドイツ最大の科学組織であるヘルムホルツ協会(Helmholtz Association)によると、同国は嵐、洪水、地震の危険にさらされているという。
デプフナーはマスクへ質問する際に、原子力に代わる有力な選択肢として風力発電と太陽光発電があることに触れた。マスクは風力発電についてはコメントしなかった。
マスクは気候に関する楽観的な見方を裏付けるスケジュールを示さなかったが、15年後には持続可能なエネルギーの観点から、気候問題が「ずっと良く」なるだろうと述べた。そして、この問題を解決することが「テスラの基本的な目標」だと付け加えた。
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)