OpenSeaで購入した14秒のアニメーションNFTのスクリーンショット。
OpenSea
- OpenSeaで初めてNFTを購入したときのことを紹介しよう。
- 7つのステップを経て、ようやくブタのアニメを所有することができたが、何の役にも立っていない。
- 一般のユーザーも同じような苦労をするのであれば、普及へのハードルになるだろう。
2022年3月初め、デジタル資産を売買する最大のオンラインマーケットであるOpenSeaでNFTを購入した。
その際、ゼロから始めるとどれだけ大変か、どれだけ時間がかかったかを紹介しよう。手順は以下の通り。
- Coinbaseでイーサ(ETH)を購入する。
- デジタルウォレットを設定する(私はCoinbaseウォレットを使用した)。
- Coinbase以外でイーサが使えるようになるまで1週間待つ。
- CoinbaseウォレットをOpenSeaと連携させる。
- OpenSeaのモバイルアプリではNFTを購入できないことに気づき、ノートパソコンで起動。
- NFTを選ぶ。
- OpenSeaのガス代を支払うためにCoinbaseでさらにイーサを購入し、ついにNFTを購入する。
公平を期すために言うと、この空間に参加しているユーザーの大半は、すでに仮想通貨を所有し、デジタルウォレットを持っていると思う。しかし、私は違った。つまり、この空間をよく知らない他の多くの一般人も、私と同じような経験をする可能性が高いということだ。
では、なぜNFT市場にはこれほどまでに障壁があるのだろうか。そして、それが普及に影響を与えるとは思わないのだろうか。私は専門家に話を聞いた。
NFT開発者向けのツールをコミュニティに提供しているPolyientXの製品責任者であるニック・カサレス(Nick Casares)に私の体験を話し、もっと簡単な方法はないかと尋ねた。彼の答えはノーだった。私は、最も早く、最も簡単なオープンマーケットを選んだというのだ。
「簡単なプロセスではない」とカサレスは教えてくれた。
「消費者がNFTを受け取るには、あまりにも多くのハードルがある」
(クレジットカードで直接NFTを購入できるプラットフォームもあるが、それは資産の所有権がブロックチェーン上で担保されていないことを意味するので、少し違うものになる)
カサレスは、仮想通貨とウォレットをもっと身近なものにするなど、改善するにはいくつかの段階があると話す。これはPayPal、Stripe、Shopifyなどの人気アプリに暗号資産(仮想通貨)を統合することで実現するかもしれない。
デジタルウォレットの概念は少し直感に反しており、最初は誰もが意味が分からないだろう。カサレスは、デジタルウォレットをWeb3への入り口と考え、NFTと対話する方法として考えてほしいと説明した。
また、一般の人がデジタル資産の概念を理解するのは、まだ少し難しいが、それは徐々に変わりつつある。スーパーボウルのテレビCMでは仮想通貨の広告が流れ、有名なオークションハウスでとても高価な暗号資産が販売されたからだ。
しかし、まだ多くの争点が渦巻いている。
NFTは大げさに作られた暗号のトレンドであり、本当の価値はないと批判する人がいる一方で、NFTはコミュニティを構築し、クリエイターだけでなく購入した人にも力を与える素晴らしい方法だと支持する声もある(分散型技術の大きな側面はプロジェクト内の意思決定について参加者に発言権を与えることだ)。
また、仮想通貨とNFTのようなWeb3技術への熱意は、必ずしも一致しないことも知っておく必要がある。イーロン・マスクやジャック・ドーシーのような仮想通貨支持者たちが、NFTとARやVRを中心としたインターネットの進化形であるメタバースの両方を軽んじているという例もある。
イーサリアム(Ethereum)の共同創設者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)は、ロシアからのいわれのない攻撃と戦うウクライナのために彼や他の多くの人々が仮想通貨を寄付しているとタイム誌に語っている。これは仮想通貨の現実的な使用例であり、「退屈な猿」のイラストに大金を費やす必要はない。
「この3週間で見られた明るい兆しは、暗号資産の最終的な目的は100万ドルの猿のイラストでマネーゲームをすることではなく、現実世界で意味のある行為を達成することだと、暗号空間にいる多くの人々に思い出させたことだ」と彼は述べている。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)