子どもたちのためには、思い出を作ることが一番だと語るジョシュア・メドウズさん。
Joshua Meadows
- Insiderでは、コロナ禍で主夫となり、子どもたちの世話をしてきた3人の父親に話を聞いた。
- 自ら仕事を辞める決断をしたザック・ヘフェレンさんは、今が一番幸せだと話している。
- ダン・サイダースさんは、娘と過ごす時間が増えたことで、自分が仕事に求めるものを見直すことにつながったと言う。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックで世界が大きく変わった時、人々は"家族"と"仕事"のあり方を見直すことになった。
コロナ禍で"子どもの世話"問題の影響をもろに受けたのは女性だったが、中にはフルタイムの仕事を辞めて主夫になった父親もいた —— 自ら選択した人もいれば、解雇や一時帰休の結果そうなった人もいる。
パンデミックが人々のキャリアをどのように変えたのか、取材を続けているInsiderでは、仕事を辞めて自身が子どもたちの世話をするようになったことでどのような学びがあったか、3人の父親に話を聞いた。すると、3人それぞれが子どもと過ごす時間が増えたことで、自分が1日をどう過ごしたいのか、改めて考えることにつながったと話した。仕事を完全に辞めることにした人もいれば、家族を第一にできる仕事を見つける人もいた。
ザック・ヘフェレンさん:直感を信じて
ヘフェレンさん一家。
Zach Hefferen
ロックダウン(都市封鎖)に入る前まで、ザック・ヘフェレンさんは同じ企業で16年間働いていた。広々としたスペースを求めて、ニューヨークからメイン州に引っ越した後、仕事を辞めて、フルタイムで3人の子どもと自身の年老いた父親の世話をすることに決めた。妻はリモートで働いている。
「息子が小さかった頃にも、もっと家族と時間を過ごしたいという気持ちがあったのですが、双子の娘が生まれてその思いはさらに強くなりました」とヘフェレンさんは話している。
自分のキャリアがこのような形になるとは思いもしなかったとしつつも、自らの努力が子どもたちの目に見える成長によって報われるというのは言葉では言い表せない喜びだという。会社勤めをまたするかどうかは分からないが、ヘフェレンさんは今のところ、現状に大いに満足している。
ダン・サイダースさん:ワークライフバランスを追及しつつ、新たなキャリアを探して
ダン・サイダースさん。
Courtesy of Dan Seiders
15年間バンドのオーディオ・エンジニアとして働いてきたダン・サイダースさんは、パンデミックが始まって早い段階で一時帰休になった。その間、サイダースさんは1歳の娘の世話をしていた。すると、妻や娘と過ごせる時間が増えたことをありがたく思うようになり、元の仕事に戻りたくなくなったという。深夜まで働くことが多く、家族と一緒に出かけるのもままならなかったからだ。
「『もしかしたら自分には別のキャリアパスがあるかもしれない』と考え始めました」とサイダースさんは語った。
「『ツアーに帯同したり、コンサートに向けて準備をするよりも、家庭と両立できる何かができるかもしれない』と」
半年間の休みの間に、サイダースさんはこうした希望を満たすテック業界で働こうと、コーディングのブートキャンプに参加した。今ではデータエンジニアとして働いていて(労働時間も予測可能な範囲)、仕事と家庭の両方を大切にできているという。
「自分が求めるもののために努力する意志があるなら、何でもやり遂げられます。年齢は関係ないし、すでに他のキャリアに落ち着いていても関係ありません」とサイダースさんは話した。
ジョシュア・メドウズさん:思い出作りに力を注ぐ
メドウズさんと子どもたち。
Joshua Meadows
5年間勤めてきた職場を解雇された時、ジョシュア・メドウズさんは戸惑いつつも、明るい面を見るようにした —— 子どもたちと過ごす時間が増える、と。
メドウズさんは4カ月間、3歳の子どもに歩き方を、真ん中の子に自転車の乗り方を教え、一番上の子が所属している野球チームのコーチを務めた。
自分自身の優先順位の見直しにも時間を使い、これまでよりも家庭を大事にできる仕事を見つけた。
「子を持つ親へのわたしからのアドバイスとしては、子どもと楽しい時間を過ごし、思い出を作ることです。これから先、働く時間はたっぷりあります。子どもたちが小さいのは、限られた時間のみです」とメドウズさんは語っている。
(翻訳、編集:山口佳美)