エレクトリファイ・アメリカの充電ステーションのコンセプト。
Electrify America
- 2022年3月25日、エレクトリファイ・アメリカは「未来の充電ステーション」と呼ぶべきデザインを発表した。
- そのフラッグシップステーションには、待合ラウンジ、バレーサービス、コーヒーなどが備わる予定だ。
- 充電用にも利用できるソーラー・オーニングなどの機能を備えたステーションも予定されている。
5分で終わるガソリンの給油に比べ、 電気自動車の充電はかなり時間がかかる。充電ステーションが普通の薄暗いガソリンスタンドよりも、もう少し快適で心地よい場所であってほしいと思うのは当然のことだろう。
フォルクスワーゲン(Volkswagen)傘下の充電企業エレクトリファイ・アメリカ(Electrify America:EA)は、カスタマーラウンジ、イベントスペース、コーヒーバーなどを一部の店舗に整備し、充電体験をより快適なものにすることを計画している。2022年と2023年にアメリカで建設されるいくつかのフラッグシップ店舗で、「人が中心」の新しいデザインの方向性を紹介する予定だ。
サンタバーバラのエレクトリファイ・アメリカの充電ステーションのコンセプト。
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カリフォルニア州ではすでにフラッグシップ店舗が2カ所で稼動している。今後、ニューヨーク、サンディエゴ、ビバリーヒルズ、サンフランシスコなどで最大20基のDC急速充電器を備えた新たなステーションの建設が計画されている。
新しい店舗の一部には、ソーラー発電機能を備えたオーニングが設置され、自動車や客を風雨から守るだけではなく、充電に利用できるエネルギーを取り込む。EAでは、このオーニングを100のステーションに設置する予定だという。
エレクトリファイ・アメリカの充電ステーションのコンセプト。
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また、一般的に係員がおらず、暗くて孤立しがちなステーションの安全性を高めるために、同社は防犯カメラや照明の増設を進めている。同社は、より明るい画面を持ち、より小さな設置面積の次世代充電ハードウェアも発表した。
エレクトリファイ・アメリカの充電ステーションのコンセプト。
Electrify America
エレクトリファイ・アメリカは、いくつかの完成予想図を公開しているが、まだ店舗のレイアウトは確定していないとしている。ビバリーヒルズで計画されているものを含め、ショッピングセンターの近くにあるいくつかの充電ステーションでは、係員による充電とカーブサイド・ピックアップを提供する可能性がある。
ビバリーヒルズのエレクトリファイ・アメリカの充電ステーションのコンセプト。
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サンフランシスコのフラッグシップ店では、倉庫だった建物を利用し、テレビを備えたガラス張りのラウンジを設置することを構想している。サンタバーバラには、ベンチのあるパティオを作るかもしれないし、ほかにも屋外のカフェやエスプレッソマシンを備えた待合室も設計されている。
サンフランシスコのエレクトリファイ・アメリカの充電ステーションのコンセプト。
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他の充電会社もまた充電をより便利で快適にする方法を考えている。急速充電ステーションでも、バッテリーを満タンにするには30分から1時間以上かかることもあるため、待ち時間に客に何かしてもらうことはできないだろうかと考えているのだ。
エレクトリファイ・アメリカの充電ステーションのコンセプト。
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ロサンゼルスとサンフランシスコの間にある充電ステーションのテスラ・スーパーチャージャー(Tesla Supercharger)の店舗にはカフェを併設した待合室があるが、さらに同社は充電ステーションのそばにレストランを設置するアイデアを打ち出している。またアウディ(Audi)はドイツでラウンジ付きの小型ステーションを試験的に導入しており、ポルシェ(Porsche)は「プレミアム充電ステーション」をヨーロッパで展開する予定だと2022年3月の年次総会で発表している。
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)