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- 1000人以上の大学教授が学生の学費ローン帳消しを求め、バイデン大統領宛ての書簡に署名した。
- Debt Collectiveが主導した書簡には、彼らの債務を救済することは大学への「重要な第一歩」になると書かれた。
- バイデン大統領には、5月1日の返済再開を前に、ローン免除を求める圧力がかかっている。
学費ローンの帳消しは、高等教育におけるすべての不平等を解消するわけではないが、重要な最初の一歩であると教授陣は述べている。
コロンビア大学、イエール大学、カリフォルニア大学バークレー校、ミシガン大学など、アメリカ中の大学教員1000人以上が、学費ローンの全額免除を求めるバイデン大統領宛の書簡に署名した。アメリカ初のローン債務者の組合、Debt Collectiveがとりまとめた書簡は、1兆7000億ドル(約200兆円)にも拡大した学費ローンは、債務者が債務返済に最も適した学問を選ばざるを得なくなり、「教育上の害」が生じていると指摘している。また、多くの教員自身も債務者であるため、人手不足を悪化させているという。
「我々は、学費ローンの免除が、質の高い公教育への再投資の強力なステップになると考えている。その後のステップとして、国による投資、質の高い多様なカリキュラム、研究への強力な支援、教員の正規雇用などが必要になってくる」と書簡には記されている。
そして、「学費ローンの免除は、『万人のための大学』という目標に向けた、最初の大切な一歩だ」と付け加えている。
バイデン大統領は3度に渡って学費ローンの返済一時停止を延期したが、2022年5月1日には返済が再開される。しかし、債務者は経済的な準備が整っていないと懸念する支持者や議員もいる。多くの民主党議員は、返済再開を中止し、破綻した免除プログラムのように学費ローンの恒久的な問題を修正するまで、返済の一時停止を延長するよう求めており、今回の教員による書簡は広範囲な債務救済を求める圧力が高まっていることを示す最新の事例だ。
教授陣が指摘したように、学費ローンの免除は授業料無料の高等教育に向けた重要な一歩となると、債務免除を支持する多くの議員は考えている。例えば、大学無償化を最初に提案したミシガン州選出のアンディ・レビン(Andy Levin)下院議員は以前、大学無償化が実現しなければ、学費ローンの危機は確実に悪化するとInsiderに話していた。そして学費ローン免除や高等教育無償化は密接にかかわっているので同時に解決すべきだとも述べている。
「現在ある2つの問題を解決し、将来の問題を防ぐべきだ」
ローンの借り手は、バイデン大統領が学費ローン救済を行うのかどうか、行うとすればいつなのかを知りたがっており、教授陣は今こそ支援が必要なときだと述べている。
書簡の全文はこちらから。
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)