元エンジニアのタミー・アッシュさんは今、BBCで働いている。
Courtesy of Tammie Ash
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックはわたしたちの暮らしや仕事を大きく変えた。
- Insiderでは、この時間を使って自身の目標や家庭の状況にもっと合った仕事を見つけた5人に話を聞いた。
パンデミックはわたしたちの暮らしや仕事をあらゆる面で変えた。中には、これまでとは全く違うキャリアに進むことになった人もいる。
パンデミックはわたしたちのキャリアにどのような影響を与えたのか、2年以上取材をしてきたInsiderでは、コロナ禍でこれまでとは全く違う業界に飛び込むことになった5人に話を聞いた。
5人はいずれも、新しい仕事に就いたことでいかに幸福度が増し、ワークライフバランスが向上したかを語った。また、具体的にどのようにして仕事を変えたのか明かしてくれた。
ダン・サイダースさん:テック業界に入るためにブートキャンプに参加
ダン・サイダースさん。
Courtesy of Dan Seiders
ダン・サイダースさんは2020年3月に一時帰休になるまで、15年間オーディオ・エンジニアとして働いてきた。
ツアーのスケジュールに合わせなければならないため、家族での外出に加われないこともしばしばあったという。数カ月間、主夫として生活をする中で、サイダースさんはもっと家庭と両立できる仕事があるのではないかと考え始めた。そこで12週間、1万ドル(約125万円)のコーディングのブートキャンプに投資し、その後、データ・エンジニアの仕事に就いた。
「音楽業界では、ワークライフバランスは単純に議論になりませんでした」とサイダースさんは語った。
「新しい仕事は在宅勤務で、通勤時間を節約できるだけでなく、毎晩、自宅で夕食が取れます」
タラ・マクサムさん:デスク仕事を辞めて、もっと刺激的な仕事に
タラ・マクサムさん。
Courtesy of Tara Maxam
パンデミックが始まった時、タラ・マクサムさんは銀行の融資担当として2年を過ごした頃だった。リモートワークを続けていたものの、屋内で過ごす時間が増える中で、自分がもっと屋外で過ごしたいと思っていることに気付いた。
トラックの運転には以前から興味があったというマクサムさんは、「パンデミックが広がる中で、自分にとって車を運転することがいかに癒しになるかに気付いたんです」と話している。
学校でトラックの運転を学んだ後、マクサムさんはアメリカのジョージア州とフロリダ州の間を行き来する運転手の仕事に就いた。
「パンデミックの後もトラックの仕事を続けるつもりです。残りの48州やできればカナダにも運転手として行ってみたいです。経験してみたいですね」
アンジェラ・アテムさん:現状に満足せず、新しい挑戦を
アンジェラ・アテムさん。
Courtesy of Angela Hatem
アンジェラ・アテムさんは11年間、同じ非営利組織で働いてきたが、自分が何か違うものに挑戦してみたいと考えていることに気付いた。
「パンデミックが始まった頃には、苦痛や退屈、イライラがたまりにたまっていました」とアテムさんは語った。新型コロナウイスに感染した後、アテムさんは仕事を辞め、自分がどんなキャリアを歩みたいのか考えた。今はテック企業でコンサルタントとして働いている。
「シングルマザーとして、プロフェッショナルとして、安定した、歴史や使命感のある、友人もいる職場を辞めてチャンスをつかむというのは簡単な決断ではありませんでしたが、わたしがこれまでに出したサイコロの目の中で一番良いものの1つでした」とアテムさんは話している。
クロエ・マリーさん: 新たな情熱を追いかけて
クロエ・マリーさん。
Courtesy of Fox Agency
クロエ・マリーさんはプロのダンサーになるという夢を追いかけて、2020年2月にロンドンに引っ越してきた。ただ、他の業界同様、ダンスの世界も中断されようとしていることを彼女は知らなかった。「最後のチャンスかもしれないと思っていたので、ちょっと裏切られたような気分でした」とマリーさんは語った。
ロックダウン(都市封鎖)が続く中、マリーさんはウェブコンテンツやブログ、SNSへの投稿を書くバーチャル・アシスタントとして仕事をし始めた。これを自身のキャリアとして追及し始めたマリーさんは、Fox Agencyの仕事を手に入れ、シニアPRエグゼクティブになった。フルタイムのこの仕事で、マリーさんは自らの意欲と成長に集中できるという。ダンスは副業として、休暇を使って続けている。
タミー・アッシュさん:休みを自分と向き合う機会に変えて
タミー・アッシュさん。
Courtesy of Tammie Ash
2年間エンジニアとして働いていたタミー・アッシュさんは、パンデミックで全てが中断されるわずか数日前に仕事を辞めた。半年近く自身の仕事の将来性について考えた末、以前から興味のあったテレビ業界に飛び込んでみることにした。
アッシュさんは現在、BBCでリサーチャーをしている。「パンデミックの前は、時間はいくらでもあると思っていました。でも、パンデミックの後はネットワークを築きながら、自分に与えられた時間を利用して、意義のあるプロジェクトを選んで取り組むつもりです」
(翻訳、編集:山口佳美)