環境省はフリーアドレス化でこうなった。“資料が山積み”の霞が関は変わるのか?

フリーアドレス化する前の写真

フリーアドレス化する前の環境省環境再生・資源循環局。机の上には多くの書類がある。2021年12月撮影(写真の一部を加工しています)。

撮影:横山耕太郎

環境省と厚生労働省が入る、霞が関の中央合同庁舎5号館。

そのビルの23階にある、環境省の環境再生・資源循環局が2022年1月、デスクやロッカーを一新しフリーアドレス化した。環境省の中で、局全体をフリーアドレス化したのは初めてという。

霞が関では依然として「紙文化」が根強く、デジタル化を阻んでいるとも指摘されている。

環境省でもフリーアドレス化するまでは、机に書類が積まれた姿が当たり前だったが、そんなオフィスはどう変わったのか?

ビフォーアフターを取材した。

「資料をどう保管するんだ!」反発も

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フリーアドレス化する前の様子。2021年12月に撮影。

撮影:横山耕太郎

「最初は職員がフリーアドレスをイメージできておらず、『どうやって資料を保管するんだ』という反発もありました」

環境省大臣官房秘書課・課長補佐の宍戸公さんはそう振り返る。

環境省でフリーアドレスの検討が始まったのは2020年8月。将来的な庁舎移転が決まっていることに加え、当時の小泉進次郎・環境相のもとで策定された、働き方改革の指針がきっかけになった。

指針には、「フリーアドレスなど多様な働き方を可能とする次世代型オフィスの拡大」が盛り込まれており、2021年4月に「環境省次世代型オフィス検討チーム」を結成した。宍戸さんはチームメンバーとして、フリーアドレス化する新オフィスの設計などを担ってきた。

フリーアドレスへの移行のための「荷物」は、個人ロッカーに入れられる「一人あたり段ボール1箱分だけ」と決めた。

当時は『資料を保存するためにPDF化しよう』という意見もありました。ただPDF化には費用がかかるうえ、実際に資料を整理してみると、これまで見返すことがなかった資料がほとんどだと、改めて気が付きました。

『いつか使うかもしれない』と何となく手元に保管されてきた資料も、フリーアドレス化をきっかけに処分が進みました」(宍戸さん)

オフィスのビフォーアフター

フリーアドレス化する前。

フリーアドレス化する前のフロア。卓上の書類や資料、固定電話が目立っていた。2021年12月撮影。

撮影:横山耕太郎

フリーアドレス化したフロア

ほぼ同じ場所から撮影したフリーアドレス化した後のオフィス。2022年3月撮影。

撮影:横山耕太郎

2021年の年末には、フロアにあったデスクなどを搬出。2022年1月、新しいデスクや個人ロッカーがそろい、部署ごとにフリーアドレス化が始まった。

フリーアドレス化によって、デスクの上には紙の資料がほとんどなくなり、密集していたデスクの配置にも余裕が生まれた。

フリーアドレス化を進めたチームの若手官僚、環境省総務課の小泉大樹さん(27)は次のように話す。

「これまでは机が密集し通路も狭かった。用事がないと他の人の机に行くこともなかったのですが、フリーアドレス化されて会話の機会が増えました。何よりも、以前より気分がよく仕事ができています」

フリーアドレス化による最も大きな変更点は、これまで一人にひとつだったデスクを8割に減らしたこと。環境再生・資源循環局には約250人が在籍しているが、個人用のデスクが2割減った。

ねん出されたスペースを使って、フロアの中央には自由に机を動かして位置を変えられるスペースを設置。また会議や打ち合わせ、オンライン会議などで使えるスペースをフロアの各所に設けた。

中央のフリースペース。

中央のフリースペース。

撮影:横山耕太郎

個人用のデスクを減らしたのは、環境省でもリモートワークを継続していくという意思の表れでもある。

コロナ禍の緊急事態宣言中などには、「出勤人数の5割減」などの目標を掲げてリモートワークを推進してきた。現在のリモートワーク実施率などは公表はしていないが、テレワーク勤務は日常になりつつあるという。

前出の若手官僚・小泉さんも、リモートワークが増えたと話す。

「2月は担当していたフリーアドレス化がやっと落ち着いたこともあり、テレワークをメインで働き、出勤したのは週に1日~2日程度でした。

コロナから2年が経過して、出勤とテレワークの使い分けができる環境になってきています。もちろん、国会対応などで出社がマストな日もありますが」(小泉さん)

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