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- シンガポール航空は、ニューヨークの空港から19時間のフライトの機内で提供される新しい「ウェルネスミール」を開始した。
- 食材の多くは、地元でサステナブルな栽培を行う屋内垂直農法企業エアロファームズのものだ。
- シンガポール航空の「ウェルネス」メニューは、シンガポールまでの長旅での血糖値スパイクや消化不良を軽減するため特別に考案されたものだという。
シンガポール航空は、世界で2番目に長いアメリカ・ニュージャージー州のニューアーク国際空港からシンガポールまでの約19時間のフライトを2022年4月3日から再開した
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長時間のフライトは乗客にとって過酷なものでもある。そのため、航空会社はより楽しく快適な旅を提供するため、カスタマー・エクスペリエンス(顧客経験価値)に投資している
シンガポール航空のプレミアム・エコノミ―。
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シンガポール航空はカリフォルニアにあるウェルネスカンパニー、ゴールデンドア(Golden Door)と提携し、旅行者向けに健康志向の新メニューを開発した
カリフォルニアにあるゴールデンドア・スパ・アンド・リゾート。
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その新メニューはロサンゼルス、シアトル、サンフランシスコ、ニューヨークJFK、ニューアークの各空港からシンガポールへのフライト専用に作られたもので、各都市にあるフライングフーズ・グループ(Flying Foods Group)のキッチンでプロのシェフが調理している
ニューアークのキッチンの外に着けられたフライングフーズ・グループのトラック。
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このケータリング会社は、シンガポール航空でグローバルフード&ビバレッジディレクターを務めるアントニー・マクニール(Antony McNeil)、ゴールデンドアのエグゼクティブ・シェフであるグレッグ・フレイ・ジュニア(Greg Frey Jr.)と協力してレシピを開発し、出発から72時間以内に調理された料理を提供している
シンガポール航空のグローバルフード&ビバレッジディレクターを務めるアントニー・マクニール。
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その食材はニュージャージー州でサステナビリティを重視した屋内垂直農法を行うエアロファームズ(AeroFarms)から供給されている。エアロファームズはマーク・オオシマ(Marc Oshima)が設立し、シンガポール航空が初めて「農場から飛行機へ」で提携を行った企業だ
エアロファームの栽培施設。
AeroFarms
シンガポール航空が、JFKやニューアークなどのニューヨーク出発便に導入した「ウェルネスミール」の舞台裏をメディアに公開したので見てみよう
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シンガポール航空は、長距離路線に就航するエアバスA350型機の機内食をビジネスクラスとプレミアムエコノミーの2種類用意し、それぞれのキャビンで提供している
シンガポール航空のA350 ビジネスクラス。
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ビジネスクラスの前菜は、オレンジとローストビーツのサラダ
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そしてシトラスとグリルド・シュリンプのサラダも
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メインディッシュは、ゴールデンドア特製の銀ダラに、枝豆のピューレと炒めた野菜が添えられた一皿
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そしてクスクスとハニーコリアンダーが添えられたゴールデン・チキンのフライパンロースト
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デザートはスパイス・アップルケーキ
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そしてアボカド・チョコレート・ガナッシュ。どちらにもフレッシュベリーが添えられている
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プレミアムエコノミーのメニューは、豚肉の煮込み、クスクスと野菜添え
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ポルトベロナスのミートボール
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そして豆腐と野菜。プレミアムエコノミーのデザートは試食することができなかった
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マクニールによると、これらのメニューは新鮮で健康的なだけではなく、血糖値スパイクや消化不良を抑え、乗客が長時間満腹感を得られるように工夫されているという
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「このような超長距離のフライトでは、機内で食事をして快適に過ごしてもらい、機内での体験を楽しんでもらうことが非常に重要だ」と彼は話す
ギャレーカートに食事を積み込む様子。
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マクニールによると、標高の高い場所では味覚の33%が失われることから、味と匂いを増幅させるために香辛料のターメリックを使うなど、風味を高めるレシピを特別に考案したという
ゴールデンドアによるレシピ。
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食事はすべてフライングフーズの従業員が責任を持って作っている。食材は新鮮な状態でキッチンに届けられる。多くのものは近隣のエアロファームズから調達し、食材の移動時間を短縮している
エアロファームズの野菜。
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オレゴン州のローグ・クリーマリー(Rogue Creamery)が製造する受賞歴のあるブルーチーズのブロックなどの食材は空輸している
オレゴン産のローグ・リバー・ブルーチーズ。
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この施設で生産される食事には、ニューアークからシンガポールへの1回のフライト分で最大4ポンド(約1.8キログラム)のサケと約21ポンド(約9.5キログラム)の鶏肉が使用されているという
エアロファームズの製品。
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マクニールは、客室乗務員が機内でどのように料理を盛り付けるかを、ビジネスクラスの料理を使って実演した。温かい食事の場合、料理を缶詰から皿に移し、ソースがトッピングされる
プレートに盛りつけるデモンストレーション。
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サラダなどの前菜は、フライングフーズのキッチンで皿に盛り付けられ、紙のリングで固定される。客室乗務員は機内でそのリングを外してソースをかけるだけでいい
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今回のイベントの一環として、メディア関係者に料理が振る舞われ、私もすべての料理を楽しんだ。肉を食べる人も食べない人も、さまざまな美味しさを選ぶことができるのには感動した
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(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)