Patrick Pleul/AP
- イーロン・マスクがTwitter株を9%保有していることを明らかにした後、同社の株価は25%上昇した。
- しかし、バーンスタインのアナリストは、株価急騰はTwitterが買収される可能性があるという憶測に対する過剰反応だと述べている。
- 「Twitterのファンダメンタルズと課題は、概ね変わりがないと考えている」と彼らはレポートに書いている。
イーロン・マスクの大量保有が明らかになったTwitter株の高騰は、このソーシャルメディア企業が買収されるかもしれないという憶測に対する過剰反応だと、バーンスタイン社のアナリストがメモで述べている。
SECへの提出書類によると、テスラのCEOはTwitter株を7350万株を購入し、30億ドル以上の価値があるTwitterの9%を取得したことになる。その後、株価は27%も上昇した。
マーク・シュムエル(Mark Shmulik)率いるバーンスタインのアナリストによると「この株価の動きの大きさは、これまで株価がIPOレベルだったため、少しでもポジティブな衝撃を受けたいと願う投資家層の存在の大きさを物語っている」という。
「一部の投資家が買収を望んでいるのは確かだが、この株価の動きは、広く投機的な可能性に対する過剰反応である可能性が高いと我々は考えている」
マスクがTwitterの株式をどうするつもりなのかは、まだ不明だ。バーンスタインは、何もしない可能性も、経営陣に入り込む可能性も、Twitterを非公開にする可能性もあると指摘する。
アナリストは、Twitterに対するマスクの関心は「主に個人的なもの」だと見ており、ジェフ・ベゾスのワシントン・ポストなど、他の億万長者もメディア資産を所有していることを指摘している。
バーンスタインは「マスクは間違いなくすでにTwitterに過剰に関わっており、検閲や言論の自由の話題に対する彼の熱意が高いことから、我々はマスクとテスラ株主への影響を注視している」と警告している。
彼のTwitterにまつわる歴史は複雑だ。フォロワー数は8020万人で、過去には市場を動かすようなツイートをしたことでSEC(証券取引委員会)と揉めたことがある。最近では、言論の自由や検閲にまつわる落とし穴があるとTwitterを批判し、自らソーシャルメディア企業を立ち上げる可能性も示唆している。
言論の自由に関するTwitterのフォロワーへの投票要請では、「この投票の結果が重要になる」として、ユーザーに慎重に投票するよう求めている。
言論の自由は、民主主義が機能するために不可欠だ。
Twitterはこの原則を厳守しているか?
一方、Twitterにはあまり変化がないとバーンスタインは指摘する。
「今回のニュースに対する投資家の反応は、我々にとっては少し極端なように思える」とアナリストは書いている。
「Twitterのファンダメンタルズと課題は、概ね変わりがないと考えている」
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)