営業休止中のリーバイスの前を歩く買い物客(2022年3月26日、モスクワ)。
Oleg Nikishin/Getty Images.
- ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシア国内では海外企業が営業を停止し、店舗を閉めている。
- ネット上では、マクドナルドのフードやスターバックスのコーヒーを本来の価格よりも高く売っている人もいる。
- 食料品店も品不足に陥っている。
ロシアによるウクライナ侵攻から数週間後、海外企業がロシア国内での営業を停止したため、ロシアのショッピングモールは閑散としている。
営業休止中のZARAの前を歩く買い物客(2022年3月26日、モスクワ)。
Oleg Nikishin/Getty Images.
2月24日にロシアが軍事侵攻を始めると、H&Mグループやディズニー、イケアといった小売大手は相次いでロシアでの販売を停止し、店を閉めると発表した。
2022年3月上旬、モスクワでは営業休止中のH&Mの前に立つ人の姿も。
Vlad Karkov/SOPA Images/LightRocket via Getty Images.
店の営業を続けるという当初の計画を変更しなければならなくなった企業もあった。ユニクロのCEOは営業を継続すると約束していたが、数日後には「紛争を取り巻く状況の変化や営業を継続する上でのさまざまな困難から」店を一時閉めると発表した。
ロシアにあるユニクロの店舗。
Oleg Nikishin/Getty Images.
フランチャイズ契約の複雑さから、事業を継続している大手企業もある。
バーガーキングで食事をする客(2022年3月27日、モスクワ)。
Vlad Karkov/SOPA Images/LightRocket via Getty Images.
バーガーキングの親会社レストラン・ブランズ・インターナショナルがスタッフに宛てた書簡によると、同社としては店を閉めたいが、現地パートナーが「拒否」しているため、一方的に営業を停止することはできないという。
モスクワのバーガーキングは賑わっていた(2022年3月19日)。
Sefa Karacan/Anadolu Agency via Getty Images.
その後、現地パートナー側はBBCの取材に、自分たちにロシアでの営業を停止する「権限や力」はなかったと話した。Insiderはレストラン・ブランズ・インターナショナルにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
店内には注文を待つ行列もできていた(2022年3月19日)。
Sefa Karacan/Anadolu Agency via Getty Images.
マクドナルドの一部店舗も"フランチャイズ問題"を抱えている。ロシアにある店舗の大半は同社が所有しているため、ほとんどの店が"撤退"という会社の決定に従っているが…
モスクワにあるマクドナルド。
picture alliance via Getty Images.
一部店舗は今も営業を続けている。ネット上では、フードやパッケージ、ソースといったマクドナルドの商品を転売している人もいる。4月4日には、ロシアの個人間売買サイト「Avito」にマクドナルドのフードデリバリーを約1000ルーブル(約1500円)で引き受けるとの投稿もあった。
2022年3月9日、モスクワ。
REUTERS/Maxim Shemetov
営業休止前には、多くの人がマクドナルドに並んだ。Redditでは、マクドナルドの店の前の道路にできた渋滞の様子や、マクドナルドのフードでいっぱいになった自宅の冷蔵庫の様子を撮影、投稿するユーザーもいた。
マクドナルドに並ぶ人(2022年3月11日、モスクワ)。
Vlad Karkov/SOPA Images/LightRocket via Getty Images.
スターバックスも3月8日にロシアでの営業を停止し、店を閉めた。Avitoではシロップが2500ルーブル(約3700円)、コーヒーは5000ルーブル(約7300円)で売られていた。
モスクワにあるスターバックスも店を閉めている。
Oleg Nikishin/Getty Images.
フランスの小売大手「オーシャン(Auchan)」といった他のチェーンは、ウクライナ側からロシアからの撤退を呼びかけられているものの、店の営業を継続する考えを示している。オーシャンのCEOは、同社のミッションはロシアとウクライナの「人々に食料を届けること」だと、フランスの新聞『ジュルナル・デュ・ディマンシュ』に語っていた。Insiderはオーシャンの広報担当にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
REUTERS/Evgenia Novozhenina
スポーツ用品大手デカトロン(Decathlon) —— オーシャンと親会社が同じ —— は最近、「供給状況」の影響で事業を停止せざるを得ないとして、営業継続の判断を翻した。店で買い物をする人の姿が見られた2、3日後には、店は閉められ、空っぽになっているように見えた。
デカトロンを利用する買い物客(2022年3月29日、モスクワ)。
Konstantin Zavrazhin/Getty Images.
家具やインテリア雑貨を販売するデンマークのJYSKは3月30日、約1カ月にわたって店の営業を一時停止した後、ロシアから完全に撤退すると発表した。
モスクワにあるJYSKの店の前には多くの人が並んでいた。
Konstantin Zavrazhin/Getty Images.
完全閉店を前に、3月31日には一時的に店を開けて商品を販売するとした。
JYSKで最後の買い物をしようと、モスクワにある店には多くの客が訪れた。
Konstantin Zavrazhin/Getty Images.
経済制裁の影響で、食料品店では商品が消え、空っぽになった陳列棚も。
商品が消えたモスクワのスーパー。
Vlad Karkov/SOPA Images/LightRocket via Getty Images.
ブルームバーグによると、複数の国際企業が撤退した影響で、ここ数週間は生理用品やコーヒーカプセル、おむつが入手困難になっているという。
2022年3月23日、モスクワ。
Vlad Karkov/SOPA Images/LightRocket via Getty Images.
ロシアの指導者たちは、慌てて買いだめをしないよう呼びかけているものの、ネット上には人々が砂糖の袋を奪い合う様子を捉えた動画が出回っていると、複数のメディアが報じている。
2022年3月23日、モスクワ。
Vlad Karkov/SOPA Images/LightRocket via Getty Images.
[原文:These photos show what shopping in Russia is like among closed stores and deserted malls]
(翻訳、編集:山口佳美)