Antony Jones/Getty Images for SHEIN
- 中国のファストファッション「SHEIN」は、直近の資金調達ラウンドでその価値を1000億ドル(約12兆3000億円)と評価されたとウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。
- これでSHEINの価値は、H&MとZARAを足した額を上回った。
- ただ、SHEINはデザインの盗用を告発されるなど、その成長過程で物議を醸したこともある。
中国のファストファッションSHEINは、直近の資金調達ラウンドでその価値を1000億ドルと評価され、H&MとZARAを足した額を上回ったとウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。
先週終わった資金調達ラウンドで、SHEINは10~20億ドルを調達したと、同紙は関係者の話をもとに伝えている。
InsiderはSHEINにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
2008年に創業したSHEINは安価な服や雑貨の販売で知られ、日々2000を超える新しいスタイルを追加している。新しい商品を少量生産し、その人気次第で生産量を増やすオンデマンドのビジネスモデルを採用している。
アディソン・レイやマデライン・ペッチといった有名人やインフルエンサーとのタイアップ(有料パートナーシップ)を含め、その積極的なソーシャルメディア戦術が新たなZ世代の顧客を引き付ける力になっている。そして、若い顧客はしばしば、自分たちが最近購入した大量の「戦利品」をTikTokに投稿している。
2021年にはアマゾンを抜いて、「アメリカで最もダウンロードされたショッピングアプリ」になった。データ分析会社アーネスト・リサーチ(Earnest Research)の報告書によると、SHEINは6月、H&MやZARA、Forever 21を抜き、その売り上げでアメリカのファストファッション最大手になったという。
ただ、その急速な成長過程でSHEINは物議を醸したこともある。ファストファッションと関連する環境への影響だけでなく、SHEINはデザインの盗用を告発されている。
デザイナーのマリアマ・ディアロ(Mariama Diallo)氏は2021年、自身が手掛けるブランド「Sincerely Ria」のデザインがSHEINに盗まれたとツイッターで訴えていた。
SHEINにデザインを盗まれたと訴えているアーティストは他にもいる。油絵画家のバネッサ・バウマン(Vanessa Bowman)氏は2022年3月、自身の作品の1つが許可なくSHEINのスエットシャツに使われていたとガーディアンに語った。
商品を購入した客からは、SHEINの服の質が低いと不満の声も上がっている。商業改善協会(Better Business Bureau)には、消費者からのSHEINに関する苦情がこれまでに1100件以上寄せられているという。
(翻訳、編集:山口佳美)