「子供は好きだけど、子育ては嫌い」。日本の異常な人口減少を食い止めるための“ある処方箋”【音声付・入山章栄】

今週も、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄先生が経営理論を思考の軸にしてイシューを語ります。参考にするのは先生の著書『世界標準の経営理論』。ただし、本連載はこの本がなくても平易に読み通せます。

【音声版の試聴はこちら】(再生時間:13分50秒)※クリックすると音声が流れます

日本の人口は急激に増え、急激に減る

こんにちは、入山章栄です。連載101回目もよろしくお願いします。


ayuko-tokiwa

BIJ編集部・常盤

日本の出生数が、とうとう過去最少の84万人台になりました(2021年、速報値)。コロナの影響で、思った以上に少子化のペースが加速しているんですね。いままで通りの少子化対策では、もう効果がないのは明らかです。

人口減少が避けられないなかでも幸福に生きていくためには、この社会はどう変わっていけばいいでしょうか。


人口減少は本当に大問題ですよね。結局、日本が低成長なのも、イノベーションが足りないからだとか、経済政策がよくないからだなどと言われていますが、根本的な原因は急速な人口減少だと思います。

とはいえ人口減少は必ずしも悪いことではないという意見もあります。いま日本は人口が減っていますが、世界全体で見れば人口は増加傾向にある。

これ以上世界の人口が増えたら、どう見ても地球環境にはよくない。だから人口減少は悲観すべきではない……。これはその通りかもしれない。ただ、日本は減り方のスピードがあまりにも速すぎる。

僕の知り合いの経営コンサルタントの日置圭介さんに、僕の授業によく来ていただいています。

その授業で日置さんが、1600年から2100年まで500年間の日本の人口の増減をグラフ化したものを見せてくれたのですが、そのインパクトがすごいんですよ。

普通こういう変化って数年とか、せいぜい数十年の時間軸で見るじゃないですか。でも、数百年という単位で可視化されると、パンチ力が全然違うんですね。こちらのグラフになります。

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