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「尊厳ある生き方を維持できるように」…ウクライナの建築家がデザインした避難民用住宅

住民同士の交流の場となるような緑地や共用スペースを備えた、「モジュラー・ビレッジ」の完成予想図。

住民同士の交流の場となるような緑地や共用スペースを備えた、「モジュラー・ビレッジ」の完成予想図。

Courtesy of balbek bureau

  • キーウの建築設計事務所、Balbek Bureauはウクライナの避難民に一時的な避難所を提供するためのモジュラー・ビレッジを設計した。
  • このモジュラー・ビレッジは、約8000人を収容する街へと規模を拡大することができる。
  • Balbek Bureauの創業者兼CEOは、「人々が尊厳ある生き方を維持できるようにしたい」と語っている。

キーウを拠点とする建築スタジオが、ウクライナの戦争で家を失った人々に避難場所を提供するための「モジュラー・ビレッジ」のプロジェクトを進めている。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のデータによると、1カ月以上前にロシア軍がウクライナに侵攻して以来、400万人以上の避難民がウクライナから逃れているという。また、国連の国際移住機関のデータによると、650万人のウクライナ人が自国内で避難民となっている。

「このプロジェクトの最大の目的は、人々が尊厳ある生き方を維持できるようにすることだ」と建築スタジオBalbek Bureauの創業者兼CEOであるスラバ・バルベック(Slava Balbek)は、キーウからInsiderの電話インタビューに答えた。彼は現在もキーウを拠点にしている。

この「モジュラー・ビレッジ」のプロジェクトは、「RE:UKRAINE」と名付けられている。「この名称は『refugee houses(避難民の家)』という言葉を由来としている。また、ウクライナをrestyle(再形成)、rebuild(再構築)、renovate(修復)する必要があるとも考えた」とバルベックは言う。

「家を失ったばかりだったり、家が爆撃や火事に遭った場合でも、自宅にいた時のような快適さを人々が感じられるようにすることが目的だ」

モジュラー・ハウスの完成予想図。居住者の憩いの場とするための共用スペースは、欠かせない要素だ。

モジュラー・ハウスの完成予想図。居住者の憩いの場とするための共用スペースは、欠かせない要素だ。

Courtesy of balbek bureau

このまちづくりプロジェクトは、入手可能なあらゆる資源を用いて、迅速に実施できるように考えられている。さまざまな材料の選択肢を持つことで、予測不可能な戦争やサプライチェーンリスクからプロジェクトを守ることができる、とバルベックは述べている。

「仮にオプション1に問題が発生したとしても、オプション2に切り替えて作業を継続することができる」

プレスリリースによると、モジュラーの内部は、寝室、キッチン、バスルーム、共用のレクリエーションエリアなど、日常生活のさまざまな用途に合わせて変更できるという。

各モジュラーは6.6メートル×3.3メートルの大きさで、これらを組み合わせると、バスルーム、共同キッチン、居住者同士が交流するための共用スペースといった生活のための基本的機能が備わった居住区になる。

モジュラーの間取り図。各モジュラーの内部は、ベッドやバスルーム、キッチンなどの設備に合わせて変更できる。

モジュラーの間取り図。各モジュラーの内部は、ベッドやバスルーム、キッチンなどの設備に合わせて変更できる。

Courtesy of balbek bureau

いくつかの居住区を、緑地や遊び場と組み合わせて配置すると、住宅地のようになる。このようにモジュラーを組み合わせることで、およそ8000人を収容できる小さな街のサイズまで規模を大きくすることができる

遊び場と組み合わせた居住区の完成予想図。

遊び場と組み合わせた居住区の完成予想図。

Courtesy of balbek bureau

「このプロジェクトの現時点での全体的なデザインは、あくまで選択肢の一つに過ぎない」とバルベックは言う。

「見た目については気にしていない。プレゼンテーションで分析結果や機能、快適な生活のあり方について示しているからだ。つまり、本当に重要なのは、避難民用住居を提供するためのシステムだ」

緑地と組み合わせた居住区の完成予想図。必要であればこのような居住区の規模を拡大し、8000人を収容できる小さな街にすることもできる。

緑地と組み合わせた居住区の完成予想図。必要であればこのような居住区の規模を拡大し、8000人を収容できる小さな街にすることもできる。

Courtesy of balbek bureau

プロジェクトチームは現在、3種類のモジュールの開発に取り組んでおり、アルミパネルや断熱材といった素材の耐久性を確認しているところだという。

当局や民間投資家との協議は今も続いているが、バルベックらはこのシェルターの建設を、特にこれまで比較的戦闘が少ないウクライナ西部で、すぐにでも始めたいとしている。

「素材は20年、30年はもつだろう。だが、3年以内には家や街が再建され、人々が故郷に戻れることを願っている」とバルベックは語った。

[原文:A Ukrainian architecture firm is developing modular homes that can be scaled to the size of a town and house up to 8,000 refugees — take a look at the design

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

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