Brendan McDermid/File Photo/Reuters
- 過酷な労働条件にもかかわらず、ゴールドマン・サックスのインターンシップへの応募者が過去最多になった。
- 全世界で23万6000人が応募し、2021年の17%増だった。
- 関係者がCNBCに語ったところによると、このプログラムは競争率が高く、応募者の1.5%しか受け入れないという。
ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)で燃え尽き症候群が発生していても、インターン志望者がひるむことはないようだ。
Insiderに提供されたデータによると、同行のインターンシップ・プログラムへの応募者数は、全世界で過去最高の23万6000人となり、2021年から17%増加したという。
ウォール街の繁忙期には週98時間も勤務する従業員がいるという報道にもかかわらず、インターンの座を巡る戦いはかつてないほどに熱い。
2021年、ゴールドマン・サックスのアナリスト13人を対象にした非公式アンケートがネット上に出回った。このデータは同行がよく用いるプレゼンテーションのような形式でまとめられていた。そこでは週98時間の労働や5時間の睡眠、家族や友人との関係もうまくいかなくなるといった、ゴールドマン・ライフの厳しい現状が語られていた。
あるアナリストは「食事やシャワーの時間も取れず、朝から夜中過ぎまでやることは仕事だけ、という時期もあった」と述べている。
在宅勤務がこの問題の一因となった可能性もあると、2021年3月にInsiderが報じている。心配する両親とともに自宅に閉じこもって長時間勤務をこなすのは難しく、一流銀行でのきつい仕事の見返りとも言える豪華なディナーや休暇などを楽しむこともできないからだ。
「打撃を和らげるもの、つまり人生の最良の月日を失うという痛みを和らげるものもない中、ただ働き、毎月口座にお金を入れているだけだ」と、調査会社Dartmouth Partnersの創業者兼CEOのローガン・ナイドゥ(Logan Naidu)はInsiderに語っている。
それでも、インターンを希望する学生は関心を寄せている。CNBCが報じたように、ゴールドマンなどのウォール街でのインターンシップは、銀行をはじめ、プライベートエクイティやベンチャーキャピタルなど、さまざまな業界の重要な人材供給源となっている。
ゴールドマンのインターンシップ・プログラムは競争率が高く、応募者の1.5%しか受け入れないと、ある匿名の関係者がCNBCに語っている。Insiderに提供されたデータによると、ゴールドマン北米地域での2022年夏季インターンシップへの応募者数は、2021年比で16%増の7万9000人になったという。
今回のインターンシップは、再びオフィスに通勤することになる。2021年2月、同行のデビッド・ソロモン(David Solomon)CEOは在宅勤務を「例外的」だと発言し、オフィス勤務を再開することを強く主張していた。2022年3月にInsiderが報じたところによると、ゴールドマンではオフィスへの出勤状況を電子的に管理しているという。
「2021年のインターンシップ・プログラムが無事終了し、この夏にまた新たなインターンを迎え、実際に顔を合わせてさまざまな体験をしてもらうことを楽しみにしている」と、ゴールドマン・サックスの人材獲得担当グローバルヘッドであるビッキー・チャン(Vicki Tung)は声明で述べている。
「キャリアの初期段階にある若者に選ばれる雇用主として、新人教育や顧客中心のビジネスを行う際に社員が一丸となることを、我々は最も大切にしている」
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)