15.6インチのタッチディスプレイを搭載したEcho Show 15が日本に上陸した。
撮影:小林優多郎
アマゾンは4月7日から、新型スマートディスプレイ「Echo Show 15」の出荷を開始した。直販価格は2万9980円(税込)。
Echo Show 15は、スマートアシスタント「Amazon Alexa(アレクサ)」を搭載したディスプレイだ。
同シリーズの中では最大サイズとなる15.6インチフルHD(1920×1080ドット)解像度のタッチ対応ディスプレイを搭載している。
同機種のファーストインプレッションをお送りする。
「ウィジェット」があるならもっと大きくてもいい
Echo Show 15の実機を触っている様子。
撮影:山﨑拓実
筆者は歴代Echoをレビューしており、自宅ではそこそこ大きい10.1インチディスプレイ搭載の「Echo Show 10」を愛用している。
2021年9月にアマゾンがEcho Show 15を発表した際、「こんな大きい画面なんて何に使うんだろう」と素直に感じた。Echo Show 10でも、画面を使うのはAmazon プライム・ビデオなどを料理の間にたまに見るぐらいで、大きい画面で見たいならリビングのテレビで見るからだ。
Echo Show 15のホーム画面には最大6つのウィジェットを同時に配置できる。
撮影:小林優多郎
そんな筆者だが、Echo Show 15の実機を見て感じたのは「もっと大きくてもいいかも」という感覚だった。
理由はEcho Show 15に新しく搭載されたウィジェット機能のためだ。ウィジェット機能はPCやスマホなどと同じく、カレンダーやメモなどをホーム画面に小さく固定しておく機能だ。
従来のEcho Showシリーズのホーム画面は、カスタマイズ性は少しあるが、基本は写真+現在時刻やフラッシュニュースをただ表示し続ける場所だった。
しかし、Echo Show 15はその大画面を存分に生かすため、従来表示していた内容に加えて最大6つのウィジェットを同時に配置できる。
ちなみに、個人的にツボに入っているのは「付せん」機能だ。
一緒に暮らす家族やパートナーとの情報共有、もしくは一人暮らしでも簡単なメモに使える。イメージ的には、付せん機能によってEcho Showが冷蔵庫のマグネットで貼り付けたメモや、ホワイトボードの代わりになる(もちろん手書きはできないが)。
どのウィジェットをホーム画面に配置するかは、ユーザーがカスタマイズできる。
撮影:小林優多郎
ウィジェットの種類は全部で12種類。紹介した付せんのほかに、カレンダーや、宅内のスマート家電を操作できるもの、やることリストや買い物リストなど。
これらを存分に使うには「15インチでも小さいんじゃないか」と感じたのが、「最も大きくてもいい」と感じた理由だ。
なお、ウィジェットの中には「クックパッド」のおすすめのレシピを紹介するものもある。現状で、アマゾン以外が開発するサードパーティ製ウィジェットは「クックパッド」のみだ。アマゾンによると、Echo Show 15発売時点ではこのウィジェットを開発できるのは限られた開発者のみになっている。
顔認識機能で「本当のスマート掲示板」に
顔を登録することでEcho Showが目の前の人を識別できる「ビジュアル ID」。
撮影:小林優多郎
ウィジェットが秀逸なのは、単に画面に占める情報量が増えるからだけではない。
アマゾンは「アンビエントコンピューティング」という言葉をデバイスやAI関連で度々使っているが、要は利用者が意識せずに便利に使える機能を提供することに注力している。
Echo Show 15の場合、ウィジェット機能とビジュアルID機能の組み合わせで、最もその考え方を実感できる。
ビジュアルIDとは、すでに最新のEcho Show 8や10で搭載されているが、ユーザーが自分の顔を任意に登録すると、Echo Showが「誰が目の前に立っているか」判別できるようになる機能だ。
例えば、カレンダーウィジェットの場合、ビジュアルIDに登録した人がEcho Show 15の前に立つと、家族共有に加えて自分だけのカレンダーの情報を表示してくれる。こういったパーソナライズはカレンダー以外にも、やることリストやおすすめの音楽を表示するウィジェットでも有効だ。
Echo Show 15には他のEcho Show同様、カメラのカバーが標準で搭載されている。
撮影:小林優多郎
顔を登録するので、当然、気になるのはプライバシーの側面だ。アマゾンはビジュアル IDについては以下のように説明している。
- 顔はユーザーが設定から任意に登録しない限り識別しない。
- (Echo Show 15は)独自チップ「Amazon AZ2」で処理するため、登録した顔の情報はクラウドにアップしない。
- 登録した顔情報はいつでも削除できる。
- カメラはいつでもソフトウェア的にもハードウェア的にも無効化できる。
なお、声で利用者を識別する「音声 ID」については、アマゾンのクラウドで処理している。
設置は「壁掛け」か「スタンド」か
縦で壁かけしたイメージ。やや「ガジェット味」が薄まる気がする。
撮影:小林優多郎
Echo Show 15はすっきりとしたデザインで、厚さ35ミリの薄型設計ではあるものの、場所はとる。そのため、基本は壁掛けでの利用が想定されている。
ただ、持ち家ならともかく、賃貸ではあまり壁に傷はつけたくないと感じるのは当然だろう。
そんな日本の独特の住宅事情に応える形で、アマゾンは2種類のオプションを用意している。1つは付属とは別の「Echo Show 15専用壁美人壁掛け金具」(3480円税込)だ。これは重量物の固定には不向きとされる石膏壁に、ホチキス針で固定できるアタッチメントだ。
専用スタンドをつけたEcho Show 15。奥に見えるのはすでに発売中の最新Echo Show(左から5、8、10、15)。
撮影:小林優多郎
もう1つは専用スタンド(3980円税込)だ。Echo Show 15は安定して自立しないが、これがあれば机の上などに置ける(スタンドにつけても縦・横に対応)。
ただ、スタンドで置くとなかなか存在感が増すため、同居人や家族から理解を得る必要はあるかもしれない。その辺りはまた後日、実際に筆者宅に配置してみて試してみたいと思う。
注:この記事では、Business Insider Japan編集部がお勧めの製品を紹介しています。リンクを経由してアマゾンで製品を購入すると、編集部とアマゾンとのアフィリエイト契約により、編集部が一定割合の利益を得ます。