Mary Meisenzahl/Insider
- アメリカでバーガーキングの広告が商品のサイズについて誤解を招くとして、新たな集団訴訟が起こっている。
- 原告側は損害賠償と広告の中止を求めている。
- ファーストフードチェーンは通常、悪評を避けるため、このような訴えを和解で解決することが多い。
アメリカで、バーガーキング(Burger King)の看板メニューのワッパー(Whopper)を含む商品が顧客を欺いていると主張する新たな訴訟が起こっている。
原告が集団訴訟の適用を求めているこの訴訟では、バーガーキングが広告でハンバーガーを実際よりも大きく偽って表示していると主張している。特にワッパーは、実際の商品より35%大きいサイズで表示されていると、ソーシャルメディア上の食品評論家の話を引用し、訴えている。
訴状では、「バーガーキングの広告でワッパーのサイズが著しく大きくなっているが、ワッパーに含まれる牛肉や材料のレシピや量はこれまでと変わっていない」としている。
原告は、2017年9月以降にバーガーキングで「誇張された」メニューを購入した客の代表として、損害賠償と誤解を招くような広告の中止をバーガーキングに求めている。
「インフレで食料品や肉の価格が非常に高く、多くの消費者、特に低所得が経済的に苦しんでいる今、バーガーキングの行為は特に問題である」とも原告は述べている。
バーガーキングの広報担当者は、「係争中あるいは訴訟の可能性がある」ものについてはコメントしないと述べた。
ファーストフードチェーンの広告を虚偽だと非難する訴訟は頻繁に起きている。「訴訟の規模に関係なく、企業は悪評を避けるため、迅速に和解することが多い」とレストラン・ビジネス・マガジン(Restaurant Business Magazine)のジョナサン・メイズ(Jonathan Maze)はNBCニュース(NBC News)に語っている。
バーガーキングは2020年、イギリスで植物由来の商品、レベル・ワッパー(Rebel Whopper)の広告停止を命じられている。同国の広告基準委員会は、「この商品はマヨネーズを含んでおり、肉製品と一緒に調理されているにも関わらず、ビーガンやベジタリアン向けであるとするのは誤解を招く広告だ」と判断した。
同じ年、チポトレ(Chipotle)は遺伝子組み換え飼料を与えられて育てられた動物の肉を提供し、非遺伝子組み換えの食品のみを提供すると約束した広告に欺かれたという客に対し、650万ドル(約8億円)の和解金を支払っている。
2017年には、アメリカの控訴裁判所は、サブウェイ(Subway)が12インチより小さい「フットロング(footlong)」サイズのサンドイッチを販売していたとする集団訴訟の和解案を棄却した。サブウェイは品質管理策を導入し、10人の原告にそれぞれ5000ドル(約62万円)を支払うという和解案に合意していたが、ダイアン・サイクス(Diane Sykes)判事は、この和解は「価値がない」として棄却した。
食品業界のニュース・分析サイト、フードダイブ(Food Dive)に掲載された弁護士のプージャ・S・ナイール(Pooja S. Nair)の分析によると、食品業界全体における虚偽広告訴訟が近年増加しているという。2020年に提訴された件数は記録的な数となった。こうした訴訟の多くは、健康、持続可能性、「自然由来」の食品や飲料に関する訴えが中心となっている。
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)