ロシアのプーチン大統領(左)と中国の習国家主席。
Alexei Druzhinin/TASS via Getty Images
- ロイターによると、中国は欧米の制裁措置の中で大きく値引きされたロシアの石油を追加購入していないという。
- 中国の国営石油精製会社は、既存のロシアとの石油購入契約を尊重するが、新しい契約は結ばないとしている。
- アメリカは先月、ロシア産石油の輸入を禁止し、EUはエネルギー大手のロスネフチとガスプロムに制裁を加えている。
2022年4月6日のロイターの報道によると、中国は大幅な値引きとプーチン大統領との友好関係にもかかわらず、ロシアとの新しい石油購入契約を回避しているという。
中国はウクライナに対する戦争でロシアに制裁を加えていないが、国営石油精製会社は、西側が制裁を課す中、北京政府の要請に従って新しい契約を結ぶことに慎重になっている。
既存のロシアとの契約は遵守するが、情報筋によると、アジア最大の精油業者である国営の中国石油化工(シノペック)と中国海洋石油集団(CNOOC)、中国石油天然気(ペトロチャイナ)、中国中化集団(シノケム)はいずれも、5月に引き渡される予定のロシアとの新たな取引をキャンセルしたという。
アメリカ政府が3月にロシアの石油輸入を禁止して以来、中国はロシアへの支持を示したくないのだとこの記事は指摘している。一方、EUはロシアのエネルギー大手であるロスネフチとガスプロムを制裁しており、EU内ではアメリカとともに輸入を全面的に禁止すべきだとする意見への支持も高まっている。
このような欧米の制裁がロシア経済を苦しめているため、プーチンは経済的な命綱として中国に頼ることが多くなるかもしれないと一部のアナリストは指摘している。
中国は新たな石油取引に慎重な姿勢を示しているが、これまではロシアを支持してきた。2月上旬には、両国は「無制限」の提携を発表している。
また、近年、両国の関係は緊密化しており、2月にロシアがウクライナに侵攻して以来、中国はロシアを明確に非難していない。
[原文:Putin ally China rejects Russian oil despite steep discounts amid Western sanctions, report says]
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)