ジープ・ラングラー・マグニート2.0。
Jeep
- ジープはスーパーカー並みの加速を実現する電動SUVコンセプトカー「ラングラー・マグニート2.0」を披露した。
- ジープによると、マグニート2.0はマニュアル・トランスミッションを採用し、600馬力以上を発生するという。
- この車は量産車ではないが、将来登場するEVラングラーに期待されるものを示している。
完全電動のジープ(Jeep)がついに登場する。ジープはその内容を垣間見せてくれた。
ジープは2022年4月8日、同社のクラシックなSUV、ラングラー(Wrangler)の驚くほど速いEVバージョンを披露した。ラングラー・マグニート2.0(Wrangler Magneto 2.0)はその名の通り、ジープが2021年に公開したコンセプトカーをバージョンアップしたモデルだ。
ジープは、ユタ州モアブで毎年開催されるオフロードファンのためのイベント「イースター・ジープ・サファリ(Easter Jeep Safari)」で、この電動4輪駆動車を始めとするいくつかのコンセプトカーを発表した。マグニート2.0はあくまでもコンセプトカーで、実際に量産する車というよりも、ユーザーの関心を取り入れた一部の性能を見せるためのモデルだ。
ジープ・ラングラー・マグニート2.0。
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マグニート2.0は、2021年版と比べるとランボルギーニ(Lamborghini)やフェラーリ(Ferrari)、マクラーレン(McLaren)を凌駕する加速性能など、多くの改良が加えられている。ジープによると、マグニート2.0は静止状態から2秒ちょうどで時速60マイル(96.5km/h)まで加速することができるという。これは世界最速の市販車、テスラ(Tesla)の13万5990ドル(約1708万円)のモデルSプレイド(Model S Plaid)セダンに匹敵する。
ジープによると、より高出力の推進装置によってマグニート 2.0は最大トルク1152Nm、最大625馬力を発生し、ピーク出力を最大10秒間維持することが可能になったという。ちなみに6.4リッターV8エンジンを搭載する現在最もパワフルなラングラーは、最大トルク637Nm、最大470馬力だ。
ジープは、ユタ州モアブで開催される「イースター・ジープ・サファリ」に先立ち、複数のコンセプトカーを発表した。
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また、マグニート2.0が現在出回っている電気自動車と一線を画しているのは、6速マニュアルトランスミッション(MT)を搭載している点だ。電動車は一般的にはトランスミッションを搭載していない。
ジープはオフロード用の電動SUVに取り組んでいると述べているので、マグニート2.0はその将来発売されるモデルのいくつかの要素を見せてくれているのかもしれない。このラングラー・タイプのSUVは、ジープとその親会社であるステランティス(Stellantis)が今後数年のうちに発売する予定の、数多くのハイブリッド車および電気自動車モデルの1つに過ぎない。ステランティスは2025年までに、電動化、ソフトウェア、およびその関連技術に約350億ドル(約4兆4000億円)を投資することを目指している。
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)