2世代目となるSquare Standが日本を含め8か国で同時に発表された。
撮影:小林優多郎
キャッシュレス決済端末とPOSレジアプリを展開するSquare(スクエア)※は4月11日、日本を含む世界8カ国で、新型ハードウェア「Square スタンド」を発表した。
直販価格は2万9980円(税込)、発売時期は5月予定。利用にはスタンドに入れる後述する対応のiPadを別に用意する必要がある。
日本独自の決済(後述)にも対応するため、安価な価格をいかして、個人商店などへのPOSレジ導入の促進につながると期待される。
※アメリカでは2021年12月に社名を「Square」から「Block」に変更していますが、日本法人は「Square株式会社」のままとなるため、本記事では社名をSquare(スクエア)とします
独自の決済画面とキャッシュレス決済機能を新たに内蔵
Square Standの正面。
撮影:小林優多郎
第2世代のSquare スタンドは第1世代と同様、モバイルPOS(iPhoneやiPadなどをPOSレジ化するアプリ)を動作させる台座的な役割を果たす。
第1世代は2013年に登場し、今回が初めてのデザイン刷新となる。第2世代は、第1世代と比べて見た目がスリムになっている。
Square スタンド(第2世代)実機の様子。
撮影:小林優多郎
搭載する機能も大きく変わった。第1世代はクレジットカードの磁気テープのリーダーをスタンドに内蔵していたが、クレジットカードなどのICチップやコンタクトレス(いわゆるタッチ決済)や電子マネーの非接触決済をするには外付けの「Square リーダー」が必要だった。
今回の第2世代スタンドでは、ICチップとNFCのアンテナをスタンドに内蔵することで、「スタンドにiPadを取りつけるだけ」で決済可能な状態になる。
第2世代Square スタンド装着時に表示される決済画面。支払い総額とその明細がわかりやすく表示され、カードをかざす/挿入する部分が光るようになっている。
撮影:小林優多郎
画面を180度回転できる機構も搭載。決済画面は第2世代スタンド用のものが表示されるので、店舗側は注文をレジに入力してスタンドを回転、客側はその画面で明細を確認して、好きなキャッシュレス決済を自分自身で実行できる。
購入者に決済してもらうことを想定している。
撮影:小林優多郎
クレジットカードがICチップの場合はPIN入力を求められる。また、各社のタッチ決済の場合は金額とカード会社によっては画面でのサインが求められる。
撮影:小林優多郎
なお、磁気テープによる入力やスタンド単体でのレシートの印刷は非対応。また、金額や方法によっては決済時に4桁のPIN入力やサインが求められる。
対応するiPadは、10.2インチの第9世代(2021)、第8世代(2020)、第7世代(2019)、10.5インチのiPad Pro、第3世代iPad Air(2019)。
Squareスタンド単体の様子。1世代目と比べてサイズの制限が強くなっており、対応するiPadの種類が減っている。本体中央右に見える端子はLightning端子。
撮影:小林優多郎
SuicaやQUICPayに対応しつつ世界同時に導入
今回の発表で特に注目したい点は「世界同時発表」というところだ。
従来であればSquareは、アメリカで発表した数カ月後に日本などの地域に、新製品や新機能をリリースしていた。
今回は世界同時であり、さらに日本特有の電子マネー(Suica/PASMOを含む交通系ICとiD、QUICPay+)にもきちんと対応。日本以外でも、カナダではInterac社によるデビットカード決済に対応している。
Squareスタンドは、今までのSquare リーダーやターミナルが対応していたものと同じ電子マネー決済にも対応する。
撮影:小林優多郎
パンデミックにおける、世界的な非接触やキャッシュレス決済のニーズ増を鑑みても、今回の第2世代スタンドの登場は、正常進化と言える。
世界同時に製品を発表し、各国のローカライズを済ませているところに、Squareの「グローバル戦略強化」の姿勢が感じられる。
(文、撮影・小林優多郎)