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「コテンラジオ」と「テラスハウス」の比較でよく分かる、新時代に求められる2種類のコンテンツ【音声付・入山章栄】

今週も、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄先生が経営理論を思考の軸にしてイシューを語ります。参考にするのは先生の著書『世界標準の経営理論』。ただし、本連載はこの本がなくても平易に読み通せます。

【音声版の試聴はこちら】(再生時間:16分25秒)※クリックすると音声が流れます


スポンサーがいないからこそ、つくれるコンテンツ

こんにちは、入山章栄です。

今回は、ひょっとしたらBusiness Insider Japanの読者のみなさんにもファンがいるかもしれない大人気Podcast番組の魅力について語りながら、これからの時代のコンテンツのあり方を読み解きます。


BIJ編集部・常盤

最近、Podcast番組「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」が話題です。私も最近聞き始めたのですが、今日はその魅力を入山先生に分析していただければと思います。

入山先生は前から「コテンラジオが面白い!」っておっしゃっていましたよね。入山先生とコテンラジオの出会いはいつだったんですか?


そうですね、たしか2〜3年前から、僕の周りの感度のいい起業家たちから「コテンラジオって面白いんだよ」という声を聞くようになりました。

「コテンラジオ」の主な出演者は3人。深井龍之介さんが主な話し手を務め、樋口聖典さん、ヤンヤンこと楊睿之さんが聞き手となって、歴史に関する特定のトピックについて詳しく解説していきます。

深井さんは株式会社COTENの代表で、歴史の授業をビジネスとしてやろうとしているので、Podcastはそのためのコミュニティ拡大の手段のひとつという位置づけです。

最近ではコテンラジオの内容が『世界史を俯瞰して、思い込みから自分を解放する 歴史思考』として書籍化されています。

この深井さん、樋口さん、ヤンヤンの男子3人の関係性がめちゃくちゃいいんですよ。大学の部室にお邪魔して、みんなのワチャワチャしたおしゃべりを聞いているような楽しさがある。

「われわれは歴史のプロではない」という謙虚さを持ちつつ、本を読んで学んだことと、自分たちの意見をしっかり分けて話すところにも共感します。僕はこの連載で何度か、「これからは音声メディアが来る」という話をしていますが、コテンラジオはまさにその象徴でしょう。

コテンラジオでは、エリザベス女王を取り上げると決めたら、例えばイギリス王室の起源などから掘り起こしていくんです。

おそらく収録時間は1テーマにつき、3時間とか4時間以上になるのではないでしょうか。もっと長いかもしれませんね。それを1話あたり40分くらいにして、5~8話くらいに分けて配信する。

すべてこの調子で詳しく語るので、仮に織田信長について語るのであれば、信長本人が登場するのは6話めくらいからだったりする(笑)。

織田信長が現れるまでの背景や歴史的な流れを理解してほしいというのが深井さんのポリシーなので、「武士とは何か」みたいな話から入るわけです。

こんな悠長なことは、スポンサーがついている既存メディアではまず不可能。限られた放送時間の中で聴取率を上げるためには、いきなり最初からハイテンションで面白いことを言ってください、というのが番組づくりのセオリーですから。


BIJ編集部・常盤

いきなりサビ、みたいな感じですね。


そう、でもコテンラジオはPodcastだから時間制限もほとんどないし、独自の「サポーター制度」をとっているので、スポンサーに忖度する必要もない。

だから歴史の壮大なコンテキスト(文脈)をじっくり語れる。当然話は長くなります。

これが画面だったら見ているうちに飽きてしまいますが、音声だから、何かしながら耳だけ聴いていれば、いくらでも付き合えるわけです。

情報はNewsPicks、コンテキストは「テラスハウス」

コテンラジオの話をしていて思い出しましたが、これからの時代のコンテンツは、「必要な情報を摂取するもの」と「コンテキストをゆったり味わうもの」に分かれる、というのが僕の持論なんです。

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