マクドナルド・カナダ、配送にボルボの電動トラックを試験導入

Volvo's electric trucks.?Volvo Trucks

ボルボの電動トラック。

Volvo Trucks

  • ボルボ・トラックは、2020年に大型トラックの一部を電動化したモデルを発表した。
  • カナダのマクドナルドの流通パートナー企業は、ボルボの北米仕様の電動大型トラックの試験運用を始めた。
  • また、ボルボは10年以内に水素燃料電池を搭載したトラックの販売を開始する予定だ。

ボルボ・トラック(Volvo Trucks)は、2020年に電動化した大型トラックを発表した。現在、カナダのマクドナルド(McDonald's)の流通パートナーが、このトラックを試験的に導入している。

ボルボ・トラックは、従来の自動車と同様、建設、地域輸送、ゴミ処理に至るまでさまざまな用途に対応する環境配慮型のトラックを用意している。

2020年の販売に先駆け、スウェーデンの自動車メーカーのボルボは、電動化したトラックのFH、FM、FMXをテストしていた。

ボルボ・トラックにとって自社ラインナップの電動化は今回が初めてではない。主に「都市配送」やゴミ収集に使われる電動トラック、ボルボFLとFEの製造を2019年に開始している。この2車種に新型トラック3車種を合わせて、環境対応型大型トラックのフルラインナップが実現した。


このトラックの総重量は約48.5トンで、航続距離は追加バッテリーを搭載すると最大186.4マイル(約300km)になる

Volvo's electric trucks.

ボルボの電動トラック。

Volvo Trucks

ボルボの新しい電動トラックのラインナップは2021年に発売され、2022年に生産が開始された。


マクドナルド・カナダ(McDonald's Canada)は、モントリオール地域のサプライチェーンに、ボルボVNRエレクトリック・クラス8(Volvo VNR electric class eight)を使用する予定だ

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McDonald's

マクドナルドによると、このトラックはマクドナルドブランドのトレーラーを約90マイル(約144km)の範囲で牽引し、さまざまな気象条件下での性能をテストするという。


この試験運用がうまくいけば、マクドナルドはこの電動トラックをさらに増やすことを検討している

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Volvo

マクドナルドはすでに、2022年後半、オンタリオ州でのテスト用にトラックをもう1台増やすことを決めている。


「この運用試験は、サプライチェーン流通のアプローチを大きく変える可能性を秘めている。そうなれば、マクドナルドのネットゼロ目標達成にさらに近づくだろう」とマクドナルド・カナダの社長兼CEOのジャック・ミニョー(Jacques Mignault)は声明で述べている

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Volvo

ミニョーは声明の中で「この試験が当社の事業や、世界的な温室効果ガス排出削減の取り組みに与える影響を考慮すると、これは当社にとって極めて重要なものになるだろう」とも述べている


ボルボ・トラック社長のロジャー・アルム(Roger Alm)は「大型の電気トラックを急速に増やすことで、当社の顧客や輸送業者がサステナビリティという野心的な目標を達成するのを支援したい」と声明で述べた

The Volvo FL Electric

ボルボの電動トラック、FLエレクトリック。

Volvo Trucks

ボルボ・トラックのアルム社長は発表の際、「我々は持続可能な未来に向け、この業界を引っ張っていくことを決意している」と述べた。


北米で電動トラックが普及し始めたのは、2020年12月にボルボのVNRエレクトリック(VNR Electric)が発売されてからだ

 Ebba Bergbom Wallin, Volvo Trucks' electromobility business manager, driving the electric Volvo FMX.

電動トラックのボルボFMXを運転するボルボ・トラックのエレクトロモビリティ・ビジネス・マネージャーのエバ・ベルグボム・ワリン(Ebba Bergbom Wallin)。

Volvo Trucks

ボルボによると、電動トラックのボルボVNRは、よくある「ストップアンドゴー」の状況で優れた性能を発揮するという。


ボルボ・トラックは他の代替動力源も検討している

The electrified Volvo FM and FMX.

電動トラック、ボルボFMとFMX。

Volvo Trucks

ボルボは今後10年以内に、水素燃料電池トラックをラインナップに加えたいと考えている。電動ピックアップトラックメーカーのニコラ(Nikola)航空スタートアップのゼロアビア(ZeroAvia)鉱業会社のアングロ・アメリカン(Anglo American)などの企業も同様の方向性で検討を始めている。


この環境に配慮したボルボ・トラックの動きは、2040年までに化石燃料を使用しないようになるという目標に向かっての取り組みだ

A live test of one of Volvo's electric truck

ボルボの電気トラックの実走行テストの様子。

Volvo Trucks

アルム社長の声明によると、気候変動対策として自動車の電動化は重要だが、インセンティブや充電方法などの理由からすぐに切り替えられるわけではないという。


ボルボは「計画立案、用途に合わせた車両、充電設備、融資、アフターサービス」を提供し、運送事業者が電動トラックに容易に移行できるようにすることを重視しているという

Volvo's electric trucks.

ボルボの電動トラック。

Volvo Trucks

ボルボ・トラックの顧客は、この移行期間中も引き続き、同じモデルの電動車とガソリン車のどちらでも購入することができる。

[原文:A McDonald's distribution partner in Canada is testing an electric Volvo truck — take a closer look at the big rig EV

(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)

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