プーチン大統領は、ウクライナとの停戦は「今じゃない」と答えた —— イタリアのドラギ首相が明かす

ドラギ首相

イタリアのドラギ首相(2022年4月7日、ローマ)。

Gregorio Borgia/Pool via REUTERS

  • ロシアのプーチン大統領と電話会談をしたイタリアのドラギ首相は、プーチン大統領がウクライナとの停戦を拒否したと語った。
  • ドラギ首相によると、ウクライナのゼレンスキー大統領との会談を勧めたところ、プーチン大統領は「今じゃない」と答えたという。
  • プーチン大統領のウクライナでの目標は「平和の追求ではない」と、ドラギ首相は4月17日のインタビューで警鐘を鳴らした。

イタリアのドラギ首相は4月17日(現地時間)、ロシアのプーチン大統領が電話会談でウクライナとの停戦を拒否したと語った。

ドラギ首相によると、ウクライナのゼレンスキー大統領との会談を勧めたところ、プーチン大統領は「今じゃない」と答えたと、イタリアの英字メディア『The Local』がイタリア紙『コリエレ・デラ・セラ』のインタビューを引用して報じた。

「『ゼレンスキー大統領とはいつ会談をするつもりなのか? 問題を解決できるのは君たち2人しかいない』とわたしは尋ねた」とドラギ首相は語ったという。

「彼は『今じゃない』と答えたので、わたしが『停戦を決めるべきだ』と言うと、再び『いや、今じゃない』と彼は語った」とドラギ首相は付け加えた。

ドラギ首相は「プーチン大統領の目標は今のところ平和の追求ではない。ウクライナの抵抗勢力を全滅させ、ウクライナを占領し、親ロシア政府にウクライナを委ねることだ」とコリエレ・デラ・セラに語った。

ロシアとウクライナの和平交渉は、ウクライナの首都キーウ(キエフ)郊外のブチャで虐殺が明らかになって以来、行き詰っている。

ウクライナへの侵攻を受けて西側諸国が科した制裁が自身の資産にも影響を及ぼす中、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)、ロマン・アブラモビッチ氏はロシアとウクライナの和平交渉を再開させようと力を尽くしているようだと、ブルームバーグは4月16日に報じた。

ドラギ首相はまた、ウクライナに軍の装備品や武器を供給するというイタリアの決断を擁護した。

「攻撃されている人々を助けるための最良の方法は何か? 制裁は侵略者を弱体化させるのに必要不可欠だが、短期的には侵攻を食い止めることはできない。侵攻を食い止めるには、ウクライナの人々を直接支援する必要がある。それがまさにわたしたちのやっていることだ」とドラギ首相はコリエレ・デラ・セラに語った。

同じインタビューで、ドラギ首相はロシアと関わり合うのは「時間の無駄」のように感じ始めたと、プーチン大統領に対する不満も漏らしている。

2021年2月に就任したドラギ首相は、アルジェリアとの取引を通じて、イタリアの天然ガス —— 40%をロシアから輸入しているとされる —— の供給先を多角化することでロシアへの依存度を下げようと努めている。

ドラギ首相はまた、ヨーロッパ諸国に対し、ガスや石油の代替供給源を見つけることで、ロシアのエネルギー商品の価格を抑えるよう呼びかけた。

「天然ガスや原油などを歴史的な価値や生産コストとは無関係な価格で購入することで、ヨーロッパはロシアに資金を提供し続けている」とドラギ首相はコリエレ・デラ・セラに語った。

「イタリアが提案したように、ロシアの天然ガスの価格に上限を設けることは制裁を強化し、同時にそれを科すわたしたちのコストを最小限に抑える方法の1つだ」

[原文:Putin said 'the time is not now' when asked about a ceasefire in Ukraine or meeting Zelenskyy, Italian Prime Minister says

(翻訳、編集:山口佳美)

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