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吉野家「生娘をシャブ漬け戦略」抗議した受講生が詳細語る。「教室で笑い起きた」

吉野家の役員が自社のマーケティングを「生娘をシャブ漬け戦略」などと話したことについて、吉野家及び早稲田大学が謝罪した。

一連の発端になったのは、受講生のSNSの投稿だ。運営に抗議した受講生に話を聞いた。

発言は38万円超の講座初日、グループワークの課題で

吉野家、早稲田大学

吉野家役員の「生娘をシャブ漬け戦略」発言が大きな批判を集めている。抗議した受講生に話を聞いた。

撮影:西山里緒、shutterstock / yu_photo

問題となった発言は早稲田大学の「デジタル時代のマーケティング総合講座」で起きた。当講座は4月から7月に80時間をかけて行われる社会人向けのプログラムで、受講費用は38万5000円。

開講初日の4月16日、対面授業でキャンパスに集った受講生たちに課されたのは、牛丼チェーン吉野家のマーケティング課題の解決策をグループで話し合い、発表するというものだった。

講師は吉野家・常務取締役企画本部長の伊東正明氏。吉野家は18歳から25歳までの若い女性の集客に苦戦しており、こうした女性たちを取り込む施策を考えて欲しいと説明する過程で、伊東氏は「生娘をシャブ漬け戦略」と笑いながら複数回発言。「田舎から出てきた右も左も分からない女の子を無垢・生娘のうちに牛丼中毒にする。男に高い飯を奢ってもらえるようになれば、(牛丼は)絶対食べない」と話していたという。

教室には教授や講師陣も同席していた

早稲田

問題の発言があった早稲田大学のマーケティング講座HP。講師陣のほとんどが男性だ。

出典:WASEDA NEOのホームページ

受講生は授業の様子を振り返る。

「酷い性差別であるのはもちろん、覚醒剤で苦しんでいる人もいるのに、冗談にして笑って話して良いことだとは思えません。男性客に対しても『家に居場所のない人が何度も来店する』という趣旨の発言がありました。
企業の社会的価値が求められる時代に顧客を中傷する発言をすることに強い怒りを覚えましたし、その発言が教育機関でなされたことにも驚きました。
また、本心は分かりませんが教室にいた受講生の中には笑っている人もいて、温度差を感じました」(受講生)

当時、教室には早稲田大学の教授をはじめ「デジタル時代のマーケティング総合講座」の講師陣、運営スタッフが数名同席していたが、その場で注意する人はいなかったという。

マーケティングより人権意識のほうが大切

出勤

GettyImages / paprikaworks

受講生がすぐに大学の運営サイドに上記のような発言があったことを報告して謝罪を求めたところ、講義の最後に早稲田大学教授から謝罪の言葉があったという。

一方で伊東氏本人は既に離席していたためか教室での謝罪はなかったそうだが、同日(16日)に直筆での謝罪が受講生個人宛てに送られてきたそうだ。

その後18日には吉野家、早稲田大学共に公式ホームページで謝罪文を掲載している。

受講生はSNSで今回の件を明らかにしたことについて、

「社会にも企業にも学校にも、当たり前に年齢も性別もバックグラウンドも多様な人がいます。けれどこうした偏った発言の1つ1つが、日本社会から多様性を排除していると思います。

こんな言葉は下の世代には絶対に聞かせたくない、その思いを誰かに理解して欲しくて抗議しました。高い意欲を持って学びの場を活用されようと考えていた、他の受講生の方には申し訳ない気持ちもあります。
私自身は、講座はスタートしたばかりですが続けることを迷っていますマーケティングや授業よりも、人権意識を持つことの方が大切だと感じるので」

個人の認識か社内の共通認識か、吉野家は調査を

吉野家

吉野家の採用ホームページ。女性客の比率が25%の現状に課題を持ち、女性活躍推進施策で打開する意志が綴られている。

出典:吉野家ホームページ

受講生は「二度と教育の場でこういう発言が起こらないよう再発防止策を徹底し、すべての人が平等に安心して教育を受けられる場所を提供して欲しいです。また、企業側、特に影響力のある立場にある方は人権意識を持って顧客を大切にして欲しいと思います」と語る。

吉野家及び早稲田大学の担当者と受講生は後日、話し合いの場を設ける予定だ。

弁護士の伊藤和子さんは、

「女性蔑視で消費者を馬鹿にした発言。伊東氏個人の認識なのか、本当に『シャブ漬け戦略』というマーケティング施策があったのか、役員やマーケティング部門でこうした用語が日常的に使用されていたのかなど、徹底した調査をして欲しい。そうでなければ信頼を回復できない。
早稲田大学も外部講師に対するコンプライアンスのポリシーや、問題が起きた場合にどう対処するのか詳細を明らかにして欲しい」

と指摘する。

吉野家は女性活躍推進に関するホームページを設けており、伊東氏は同社のマーケティング担当者として数々のメディアに登場している。今後、それぞれの組織がどのような対応を取るのか、消費者として注視したい。

(文・竹下郁子

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