コーチェラ・フェスティバル2022で記念撮影をする参加者。
Amy Sussman/Getty Images
- カリフォルニアで開催される野外音楽フェスティバルの「コーチェラ」で、インフルエンサーはインスタグラム投稿1件につき2000ドル以上を稼ぐこともあるとニューヨーク・ポストが報じている。
- 専門家によると、コーチェラは巨大な金儲けのチャンスになっているという。
- インフルエンサーたちは優良ブランドからの仕事を得るために競い合い、大金を稼ごうとしている。
インフルエンサーたちは、コーチェラのインスタグラム投稿1件につき2000ドル(約25万円)以上の収入を得ていると、ライフスタイル・インフルエンサーのマリアム・ガファリニア(Maryam Ghafarinia)がニューヨーク・ポスト(New York Post:NYP)に語っている。
中には、現地でコンテンツの作成に時間を費やし、どのバンドのパフォーマンスも見ることがないインフルエンサーもいるという。
最も華やかでスタイリッシュな音楽フェスティバルとして広く知られる「コーチェラ」は、COVID-19のパンデミックによる2年間の休止を経て、4月15日から24日まで、カリフォルニア州の砂漠地帯で開催された。
今年は、ハリー・スタイルズ(Harry Styles)、ビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)、メーガン・ジースタリオン(Megan Thee Stallion)といった大物がパフォーマンスを披露したほか、レオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)、ヴァネッサ・ハジェンズ(Vanessa Hudgens)などのスターや、人気ドラマ『リバーデイル』の出演者も出席した。
インフルエンサーにとっても、コーチェラは大きなビジネスであり、コンテンツクリエイターたちはブランドとのコラボレーションを獲得しようと競い合っている。
インフルエンサーマーケティング事務所Obviouslyのメイ・カーワウスキー(Mae Karwowski)CEOは、「そこに集まる誰もが最高のブランドと契約を結び、行動をともにしたがっている。またブランドは、できるだけ多くのインフルエンサーに『アクティベーション(起爆剤)』の役割を果たしてもらいたいと思っており、積極的にインフルエンサーを採用している」とNYPに語っている。
Refinery29のファッションエディター、エボニー-ルネ・ベイカー(Ebony-Renee Baker)は「このフェスティバルは、ブランドやインフルエンサーが自らを売り込むための大きなチャンスだ。そして今や、世界中から注目される巨大なイベントになった」とガーディアン(Guardian)に語っている。
コンテンツの撮影、編集、投稿に明け暮れるインフルエンサーも
インスタグラム(Instagram)で150万人のフォロワーを誇るオランダのインフルエンサー、ライアン・マイヤー(Rianne Meijer)は、リーバイス(Levi's)やBMWといったブランドから報酬を得てプロモーションのコンテンツを投稿しながら、フェスティバルへの旅について記録している。
インフルエンサーの中には、スポンサーに旅費を全額負担してもらう人もいれば、自腹を切って、その費用をまかなうためにブランドと取引する人もいる。
10万2000人のフォロワーを持つウェルネス系インフルエンサーで女優のノエル・エリー(Noel Elie)は、ファッションブランドのゲストとしてフェスティバルに参加して、3つのストーリーとリールに対して2500ドルを受け取り、さらに無料で服を提供してもらうとNYPに語っている。
LA在住のGhafariniaはインスタグラムで18万6000人のフォロワーを持ち、コーチェラには4回目の参加となるが、実際にパフォーマンスを見たことはないとNYPに語っている。
多くのフェスティバル参加者が深夜までパーティーをして朝寝坊をする中、Ghafariniaは朝7時に起きて準備を始め、ブランドの「アクティベーション」としてパーティーに参加し、メイクのチュートリアルなどのコンテンツを撮影し、それを編集してブランドに送り、承認を得た後に、ようやくソーシャルメディアに投稿する。
「仕事はたくさんある」と彼女は言う。
ガファリニアは写真に2000ドル(約26万円)、インスタグラムのリール動画に3500ドル(約45万円)を請求するが、ブランドからはストーリーズの投稿やイベントへの参加を求められることもあるという。
多数のフォロワーを持つインフルエンサーは、さらに多額の料金を請求できる。
アパレル会社Revolveのチーフブランドオフィサー、ライサ・ジェローナ(Raissa Gerona)は、コーチェラは「ファッション業界のスーパーボウル」であり、「必要不可欠で、巨大なもの」だとBusiness of Fashionに語っている。
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)