着用義務の停止を受けて、マスクをしていない旅行客がアトランタ国際空港に到着した。2022年4月19日。
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- フロリダ州の連邦地方裁判所は2022年4月18日、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が課していた飛行機や公共交通機関でのマスク着用義務を無効とする判決を出した。
- アメリカ人は今後も飛行機でマスクを着用すべきかと問われたジョー・バイデン大統領は、「それは彼ら次第だ」と回答した。
- CDCが5月3日までに延長したばかりのこの義務について、バイデン政権が復活を求めるかどうかは不明だ。
フロリダ州の連邦地方裁判所は2022年4月18日、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が課していた飛行機や公共交通機関でのマスク着用義務を無効とする判決を出した。それを受け、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は、飛行機やその他の公共交通機関でマスクを着用するかどうかはアメリカ人の判断に委ねられると述べた。
バイデン大統領は4月19日、記者団からアメリカ人は飛行機でのマスク着用を続けるべきだと思うかと問われ、「それは彼ら次第だ」と答えた。また、この判決を不服とするかどうかについては「まだCDCと話していない」と付け加えた。
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その時、バイデン大統領はニューハンプシャーに到着したばかりで、エアフォースワンの中ではCDCの指導にしたがってマスクを着用していた。ジェン・サキ(Jen Psaki)報道官は機内で記者団に対し、CDCの公衆衛生ガイドラインは「政治に基づくものではない」と述べた。
「免疫不全の親族や5歳以下の子どもがいるなどの理由で、マスクを着用したい人がこの国にはまだたくさんいる」と彼女は述べ、バイデン政権はまだ裁判所の判決について見直しているところであり「あと2、3日はかかるだろう」と付け加えた。
また「公衆衛生上の決定は、裁判所が行うべきものではない。公衆衛生の専門家が決めるべきものだ」とも述べた。
4月18日、フロリダ州の連邦判事であるキャサリン・キンボール・ミゼル(Kathryn Kimball Mizelle)判事は59ページに及ぶ意見書を発表し、マスク着用義務化は「拘留と検疫」に似ていると指摘した。この判決を受けて、いくつかの大手航空会社や地方公共交通機関、さらにはライドシェアサービスのUberまでもが、速やかにマスク着用義務を取り下げた。
ミゼルは2020年に33歳で、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領の指名によって最年少の最高裁判事(終身職)として承認された。この指名を巡っては、アメリカ法曹協会が「実際に弁護士として活動した期間が短く、有意義な裁判経験がない」と指摘し、「その資格がない」と評価したことから、批判の声が噴出した。
4月18日の記者会見で、サキ報道官はこの判決について「残念だ」と述べた。
CDCのマスク着用義務の期限は5月3日までに延長されたばかりだった。この判決を受けて、アメリカ運輸保安庁は4月18日、この義務の施行を停止した。
「人々は飛行機でマスクを着け続けるべきですか?」
バイデン大統領:「それは彼ら次第です」
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)