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メタバースで本気で仕事をする。「Oculus Quest 2」以外に必要なものとは?

※本記事は、2021年12月28日に公開した記事を一部編集し、再掲しています

2021年11月に公開した西田宗千佳さんの記事「仮想空間メタバースで「仕事」をしてみたら…想像以上に実用レベルで驚いた」は多くの反響が集まった。

メタバースという言葉の本格的なバズワード化は、旧フェイスブック社がメタ(Meta)へと社名変更して以降、鮮明になった。

僕も、この記事以降、本格的に仕事で使いはじめた。その仕事環境をつくるためのアレコレと、実際にどう使っているかを話してみよう。

Meta Quest 2で「集中部屋」をつくる

仮想空間(メタバース)で「仕事」をするのは、「打ち合わせをするようなコミュニケーションツールとして」「PC作業などのバーチャル仕事部屋として」の2つの側面がある。

僕が頻繁に使っているのは後者のほうだ。近々、コミュニケーションに使う例が記事になる予定だが、さすがにまだZoom並みの気軽さで、誰かと会話することはできない。

一方、後者「PC作業などのバーチャル仕事部屋として」の使い方は、かなり実用的なレベルにある。実際、僕はほぼ毎週末、Macと「Oculus Quest 2」(名称が変わってMeta Quest 2)をWi-Fi経由でつないで、「仮想の集中部屋」のなかで仕事をしている。ドラゴンボールでいうところの「精神と時の部屋」だ。

使うツールは、前出の記事でも紹介されているQuest 2対応の仮想空間アプリ「Immersed」。

主に、デュアルディスプレイ環境のない部屋で仕事をするときに、「集中部屋」でバーチャルな3画面環境で仕事する、というのがその使い方だ。だいたい、週に10時間程度、1回あたり3〜5時間程度、Immersed上で資料をつくったり、原稿を書いたりしている(なぜ3画面に落ち着いたのかは後ほど)。

VR空間の仕事部屋。

VR空間の仕事部屋。最近は季節柄、雪の降るロッジでの作業が気に入ってる。視野外なので写っていないが、右隣には暖炉もある。

撮影:伊藤有

Immersedは比較的頻繁にデスクトップアプリがバージョンアップされていて、つい最近のアップデートではM1版MacにおけるWi-Fi接続での遅延(レイテンシー)も低くなったようにおもう。

ImmersedでM1搭載のMacBook Airの画面を仮想3画面に拡張した場合、VR上の描画は、ざっと80FPS、遅延も10ms前後で済んでいる。

これくらい遅延が少ないと、ネットフリックスやYouTubeを見る際に、視聴はVRの中で、サウンドはPCから再生、とやっても、違和感をほぼ感じない。

長時間使うためには、いくつか工夫もしている。主のハードウェア側のカスタムだ。

長時間装着にはストラップ交換は必須

まず、Quest 2を長時間、快適に使うための工夫の1つは、装着感の改善だった。

「装着しているのを忘れる」くらいの感覚になりたいので、体の負担は少なくしたい。

1. ストラップを社外品に変えた

ストラップを「MOMO VR M2」に交換したQuest 2。

ストラップを「MOMO VR M2」に交換したQuest 2。多少コツはいるがストラップは簡単に取り外せる。純正品以外にも、いくつかのメーカーから、交換用のこういったストラップが発売されている。

撮影:伊藤有

まず最初に着手するのはストラップの交換。

いろいろな人が指摘するとおり、標準のストラップは長時間装着にはあまり向いていない。

特に標準のストラップでは目の周囲にすべての重量負荷がかかるので、メガネユーザーにはなかなか辛い。また重心バランスの関係で、首の負荷も感じる。

バンドは早々に、社外品の「MOMO VR M2」に交換して、これでかなり改善された。額と後頭部の2点で固定する方式になるため、目の周囲に傷みや圧迫を感じることもなくなった。


2. カウンターウェイト&外部バッテリーとして後頭部にモバイルバッテリーを装着

装着したところを側面から。

装着したところを側面から。本人的にはいたって快適ですが、さすがにこれで仕事しているところを誰かに見られるのはちょっと避けたいくらいには目立つ姿。

撮影:伊藤有

合わせて、前面に偏りすぎている重量配分の最適化のために、後頭部にモバイルバッテリーを追加した。これも定番の改良だ。モバイルバッテリーをカウンターウェイトとして装着することで、重量を前後でバランスさせる作戦だ。

固定方法が問題だが、ケーブル結束用の細長いマジックテープを使えば簡単に固定できる。ちょっと見た目は不格好だけど、屋外で使うわけでもないので、今のところこれでかなり快適に使えている(ちなみに、マジックテープはダイソーで調達)。

Quest 2はバッテリー駆動時間が問題になるが、このモバイルバッテリーからUSBケーブルで電源供給することで、人間が疲れるまではバッテリーがもつようになった。

メガネユーザー向け:Quest 2用レンズは買うべき

2日ほどで到着したレンズ。今回届いたものは、ニコンのSV160というレンズだった。

2日ほどで到着したレンズ。今回届いたものは、ニコンのSV160というレンズだった。

もう1つ、個人的に非常に重要なカスタムは、Quest 2にレンズを装着したこと。メガネのフレームの大きさにもよるが、メガネを装着しながらQuest 2を長時間使うのは、結構キツい。こめかみのあたりに強い締め付け感を感じたり、鼻当てのあたりに荷重がかかって痛みを感じたりする。

アマゾンを見ていると、Quest 2向けのレンズを作ってくれる眼鏡店がいくつか出店している。

僕はちょうど最近、メガネのレンズを新調したので、たまたま手元にレンズの調整を記録した処方箋を持っていた。これを使って、アマゾン上でQuest2対応のレンズを販売している店舗に注文した。

価格は9000円程度。僕が使った店舗は対応が非常に早く、注文して2日後には自分の目にあったレンズが届いた。

到着したレンズと、アダプターを取り出したところ。

到着したレンズと、アダプターを取り出したところ。

装着は、アダプターをQuest 2本体にはめ込み、そこに磁石付きのレンズユニットをさらにはめ込む。レンズは磁石でくっついてるだけなので簡単に取り外すこともできる。

アダプターはこんな風にQuest 2のレンズ部分にはめ込む。両サイドにある金属の部分が磁石で、レンズをここに載せると吸着する。

アダプターはこんな風にQuest 2のレンズ部分にはめ込む。両サイドにある金属の部分が磁石で、レンズをここに載せると吸着する。

装着感は「驚くほど快適」の一言だ。Quest2向けレンズの装着は、メガネユーザーにとっては正直、VR体験が180度変わるくらい良い。Quest 2をかぶるときの億劫さがなくなり、裸眼のような感覚でVRの世界が楽しめるようになる。メガネユーザーの人にはぜひ勧めたい。

「集中部屋」のセッティング…どういう風に使うか

こうした工夫をして、今はバッテリー駆動の限り、何時間でも仕事をしていられる仮想空間になった。あとはアプリを好みにセッティングしていくだけだ。

Immersedの画面設定には色々な使い方がある。

基本はメイン画面+サブ画面(複数可)がベースなので、メイン画面の解像度をどう設定するかがポイントの1つ。

メイン画面を横幅2294ドットなどのかなり高解像度に設定してみたりもしたが、あまり高解像度にすると描画のパフォーマンスが落ちることがわかった(画面の書き換え速度はあまり変わらないが、遅延が大きくなって体験が悪くなる)

結果、1440×900ドット程度の画面を複数設置するほうがトータルのパフォーマンスが良いとわかったので、結果的に下記の3画面構成に落ち着いた…というわけだ。

  • センターにメイン画面(原稿を書いたり調べ物をする)
  • サブ画面2 右隣に資料用画面(PDF資料や参照しているWebサイトを表示しておく)
  • サブ画面3 メイン画面の下に、メディア系を表示する画面

VR空間

VR空間では正方形に近い形でしかスクリーンショットをとれないので実際の使用距離よりかなり奥に画面を動かしている。実際の配置はこんな感じだ。

資料の表示枚数が足りなくなれば、左隣にもう1画面、サブ画面4を増やせばいい。ただ、いまのところこれで不足はない。

持ち運べるマルチ画面環境

自宅で使うのはもはや「趣味」のレベルかもしれないが、状況によってはPC+Quest 2はかなり実用的に使える。

一番わかりやすいのは、出張やこの時期の「帰省」などいつもと違う環境で仕事をするケースだ。

海外取材の多い人たちのなかには、液晶ディスプレーをスーツケースの持ち物として移動している人も複数知ってるが(本当)、それに近いことが、スーツケースにQuest2を放り込んでおくだけで実現できる。

この時期なら、帰省先で快適に仕事をしたい、というときにも使えるだろう。

Horizon Workroomsとの比較

horizon

メタ社のVR会議アプリ「Horizon Workrooms」。

撮影:伊藤有

最後に、メタ純正VR会議ツールの「Horizon Workrooms」との比較も簡単にしてみよう。

Immersedと、Horizon Worksroomsは、PC作業をする上で、いくつか大きな違いがある。「集中部屋」として使い物になるのは、圧倒的にImmersedだ。2つの理由がある。

1. Horizonは1画面しか表示できない

まず基本的なこととして、Horizonは12月時点でも1画面でしか使えない。

そのため、ノートPCの画面をリモート機能でHorizon上に持ち込むと、ノートPCとまったく同じ画面がミラーリングして再現されるだけ。

せっかくの仮想空間でも、マルチ画面が使えないのは大きく見劣りする。

2. Horizonはかなり遅延が大きい

また、操作の遅延の問題もある。ImmersedもHorizonもPCの画面をリモートで仮想空間上に表示させるのは同じだが、遅延が極めて少ないのはImmersed。Horizonは、(数値で表示できないので具体的な数値はわからないが)目視でわかるくらいの遅れがある。

正直、誰かと打ち合わせをする際の資料表示のためにPCを操作する程度なら問題ないが、表計算ソフトや文字や調べ物を多用する編集記者の仕事は、ちょっとHorizon上ではやる気にならない。

Quest 2は普通のPC周辺機器になる?

こんな風に、個人的にはQuest 2とImmersedは、もうかなり普通のPC周辺機器として使っている、というのが、初出掲載した2021年末の状況だ。

もちろん、みんながこの環境を使うほど普通のことではないと思うが、一方で、ハードウェア的な快適性(画面解像度や視野角)が向上していくのは、もう時間の問題だと確信する程度には、まともに動く。

Quest 2に興味があるという人はこの冬手を出してみても楽しいんじゃないだろうか。

(文、撮影・伊藤有

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