ネットフリックス、アマゾンなどのストリーミング業界で、今ニーズが過熱する5つの職種

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専門家によると、データアナリストとデータサイエンティストは現在ハリウッドで最も需要の高い職種だ。 

zakokor

ハリウッドの大手メディア企業がこぞって動画配信サービスを強化したことから、エンターテインメント業界の労働市場は明るさが増している。

しかしD2C(消費者への直販)を活用した娯楽やサービスも活況に沸いてはいるものの、長引くパンデミックと相まって、雇用環境は目まぐるしく変化している。

配信コンテンツの需要の高まりを受けて、制作だけでなく裏方のバックエンドでも多くの働き手が求められている一方、「大退職(Great Resignation)」の影響で、より良いワークライフバランスを求めて多くの労働者が会社を辞めているからだ。また、エンターテインメント業界ではM&Aが相次いでおり、解雇やリストラが行われているのも実情だ。

「これほどの市場の激変は、これまで誰も経験したことがありません。仕事そのものや仕事の進め方も完全に変わりつつあります」と話すのは、JLSメディア(JLS Media)を経営するジョアンナ・スチャーマン(Joanna Sucherman)だ。同社はメディア企業と緊密に連携し、エグゼクティブ人材の紹介を行っている。

Insiderの取材に応じた専門家たちは、エンターテインメント業界では現在、数多くの求人があるが、とりわけ引く手あまたの職種はデータ分析関連業務だと明かす。

「2018年から2019年頃と比べて、今のほうがはるかに求人情報が多く出ています。理由は2つあり、一般的な配置転換によるものと、配信サービスやデジタル分野の事業拡大によるものです。公募しているのは今まで募集をかけたことのない、新しい職種です。同じような募集をしている企業は他にもあるはずです」と話すのは、ある大手メディア企業のシニア人事幹部だ。

この人事幹部によると、ストリーミング配信の隆盛によって、デジタルコンテンツ制作、デジタルマーケティング、データサイエンス、ビジネスインテリジェンス(企業などの組織のデータを収集・蓄積・分析・報告する)といった職種が新たに誕生したという。

ただし、テクノロジーによる変革のさなかであっても、ハリウッドのコンテンツ制作は、視聴者と制作陣の双方をよく知る経験豊富なリーダーが主導するべきだと主張する専門家もいる。ハリウッドは黎明期からそうしてきた歴史があるからだ。

NBCユニバーサル(NBCUniversal)やワーナー・ブラザース・ディスカバリー(Warner Bros. Discovery)などハリウッドの伝統企業は、デジタル商品や配信サービスを早急に強化しているが、アマゾンやアップルといった資金力のあるテック業界の巨人との人材争奪戦は避けられない。

一方、ネットフリックスはもともと報酬に関しては「青天井の予算」を持つ会社だと人事幹部は指摘するが、2022年第1四半期決算発表で成長の鈍化が明らかになった。仰天するような同社の報酬額は、株価の下落とともに現実的なものに落ち着くかもしれない。

人事幹部は、「我々はネットフリックスほど多額の給与は払えません。でも、これはネットフリックスと人材の奪い合いになったときに分かったんですが、ここ数カ月であちらの提示額が以前より若干少なくなっているようです。彼らもそれほど非常識ではないということですね」と話す。

ハリウッドの労働市場が過熱するなか、ニーズが急増している職種は以下のとおりだ。

1. データ分析業務

「何でもかんでもデータを活用しようとして、数字に取り憑かれているようです。視聴者はどんな番組をどのように見ているのか、いつ見始めて、いつ見るのをやめるのか、という具合です」とスチャーマンは話す。

とはいえ、「配信サービスやテレビ局にとって、データの重要性はますます高まっています。この業界を生き抜くために視聴者のニーズを把握する手段ですから」と続ける。

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