モルドバのトランスニストリア地域のチラスポリにある広場には、ロシアとトランスニストリアの旗が掲げられていた(2022年4月23日)。
Charles Davis/Insider
- ロシアメディアは4月25日、モルドバのトランスニストリア地域(沿ドニエストル共和国)にある治安当局の建物で相次いで爆発が起きたと報じた。
- トランスニストリアは、ウクライナと国境を接するモルドバの親ロシア派支配地域だ。
- モルドバ当局は、爆発は「口実を作る」ための企てだと警鐘を鳴らしている。
モルドバ当局は4月25日(現地時間)、親ロシア派が支配するトランスニストリア地域(沿ドニエストル共和国)にある治安当局の建物で爆発が相次いだとする報道は、この地域での緊張を高めようとする試みだと指摘した。
ロシア国営メディアによると、トランスニストリアが自らの首都と主張するチラスポリにある治安当局の建物で「連続爆発」が起きたという。トランスニストリアは1992年に、表向きはロシア語を話す住民を守るためにロシア軍が介入した後、モルドバ政府の実効支配が及んでいない地域だ。ウクライナと国境を接し、約30万人が暮らしている。
モルドバ当局は声明の中で、「この地域のいわゆる安保体制の本部の建物に何者かがグレネードランチャーで攻撃した」とする報道に触れ、「懸念」を示した。
その上で「この事件の目的」は「トランスニストリア地域の治安状況の緊張を高める口実を作る」ことだと主張し、冷静な対応を求めた。
ロシア軍中央軍管区のミンネカエフ司令官代行(少将)は先週、大統領府が港湾都市オデーサを含むウクライナ南部を支配するつもりだとし、そうすることで「トランスニストリアへのアクセスが増える」と主張した。トランスニストリア地域には現在、約1500人のロシア軍部隊が駐留している。
(翻訳、編集:山口佳美)