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イケてる事業計画書には「直感」が必要。ロジカルに分析したビジネスほど的外れに終わる理由【音声付・入山章栄】

今週も、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄先生が経営理論を思考の軸にしてイシューを語ります。参考にするのは先生の著書『世界標準の経営理論』。ただし、本連載はこの本がなくても平易に読み通せます。

前例のない新規事業に取り組むとき、直感と論理で固めたビジネスプランのどちらに従い進めるべきでしょうか。入山先生は「これからは直感の時代だ」と言います。

【音声版の試聴はこちら】(再生時間:10分27秒)※クリックすると音声が流れます


直感と論理、どちらに従うべきか

こんにちは、入山章栄です。

この連載の第98回で、「最近モヤモヤする」と言っていた、Business Insider Japan副編集長の常盤亜由子さん。なにやら、また浮かない顔をしていますが……(笑)。


BIJ編集部・常盤

入山先生、私、最近モヤモヤしているんですけど。


はいはい、お話をお聞きしましょう。


BIJ編集部・常盤

私が会社で直面している悩みではなく、一般論として聞いてくださいね。例えば新しくプロジェクトを始めるとします。

そういうとき、かっちりしたビジネスプランを求められることが多いですよね。3年後のマーケット規模はこれくらいだ、とかユーザーはこうだ、とか。


へえ、Business Insider Japanでも求められるんですか?


BIJ編集部・常盤

一般論として、そういう傾向があるらしいんです(笑)。でも新しいことを始めるわけですから、本当はやってみないと分かりませんよね。このVUCAの時代であればなおさら。

でも文句を言っていても話が前に進まないので、スプレッドシートでそれらしい資料をつくるじゃないですか。


BIJ編集部・小倉

一般論ですよね?


BIJ編集部・常盤

もちろん一般論です(笑)。

それでまあ、ゴーサインが出ました。実際にローンチしました。でも計画通りには行きません。じゃあピボット(方向転換)しようかという話になります。

するとピボットするにあたって、また同じことが繰り返されるんです。「ユーザーの特性はこうで、3年後の市場規模はこれくらいで……」と予測した資料をつくって、関係者を説得しなければいけない。

私、思うんですけど、新しいことを始めるときの直感って大事ですよね。いちユーザーとしての感覚のほうが、適当な数字より信頼できる気がする。でも直感だけでは関係者を説得できないので、また数字を入れた資料をつくる。それで、その数字をあとから「違うじゃん」と言われると「ええ~~~」となるわけですよ(笑)。

それで何か解決方法はないかと思って、入山先生の『世界標準の経営理論』(ダイヤモンド社)を読んでいたら、なんと意思決定の理論の章に「直感」という項目があるではありませんか。もしかしたら「直感も大事だよ」ということを、経営理論で裏付けできたりしませんか?


なるほど。結論から言うと、僕はこれからは「直感の時代」だと思っています。これは僕の経営学者としてのスタンスでもあります。

なぜなら、まさに常盤さんがおっしゃったように、これからは圧倒的に変化が激しい時代だからです。これだけ変化が激しいと正解がない。どんなに精緻に分析しても、「これで100%大丈夫」とは誰にも言えません。そうなると、むしろ直感のほうが今まで以上に大事になるはずです。

例えば僕の『世界標準の経営理論』で紹介しているのは、マックス・プランク研究所の認知科学者であるゲルド・ギゲレンザーによる研究です。この研究によれば、「不確実性の高い時代には、直感のほうが優れた意思決定ができる」という結論になっています。

それを彼は、「バイアスとヴァライアンスのジレンマ」という考え方で説明しています。バイアスとは偏りとか先入観という意味で、ヴァライアンスとは予測のばらつきとか分散という意味です。

どういうことか、詳しく説明しましょう。

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