破壊されたマリウポリの市街地。
Leon Klein/Anadolu Agency via Getty Images
- ロシア軍に包囲されたマリウポリ市の郊外で3つ目の集団墓地が発見されたと、同市の市長が述べた。
- ロシア軍は、食料や水と引き換えに、地元の人々に墓穴を掘らせていると、ヴァディム・ボイチェンコ市長は述べた。
- 破壊された市街地は、何週間も電気、水、通信が遮断されている。
マリウポリのロシア軍は、食料と水と引き換えに、地元のウクライナ人に大量の墓穴を掘らせていると、同市の市長が2022年4月26日に述べた。
マリウポリ市議会はテレグラムへの投稿で、数週間にわたってロシア軍に包囲され、空爆を受けていたこの港町の郊外で、3つ目の集団墓地が発見されたと発表した。
この投稿には、マリウポリから約5マイル(8km)離れたロシア占領下のスタリ・クリム村にある集団墓地を示すと思われる衛星写真が含まれている。この画像は、アメリカのPlanet Labsが撮影し、Radio Free Europeが最初に報道した。
マリウポリ市長のヴァディム・ボイチェンコ(Vadym Boychenko)は、市議会のテレグラムに掲載された声明の中で、「我々がこれらの集団墓地を知っているのは、ファシストが(私には他に言いようがない)食料を引き換えにして地元の人々を埋葬に従事させているからだ」と述べた。
そして「彼らは食料と水を得るためには『一生懸命働く』ことが必要だと言われた」と彼は付け加えた。
「今、マリウポリには十分な人道的援助がないので、人々はそれを余儀なくされている」
Insiderは、ボイチェンコ市長の主張を独自に確認することはできていない。
これまでに東部のビノグラドノエ(Vynohradne)と西部のマンフシュ(Manhush)で集団墓地が見つかっている。Maxar Technologiesが提供した衛星画像によると、この2つの集団墓地は、合わせて3000平方メートルにもなる。この2つの墓地には、9000人もの人々の遺体を埋葬できると、市議会はテレグラムの投稿で述べている。
マリウポリは、2月24日にロシア軍が侵攻を開始して以来、ウクライナで最も大きな被害を受けた地域の一つだ。この港町は数週間にわたり、電気、水、通信が遮断されている。
ロシア軍はマリウポリを占領すれば、すでに支配しているクリミアと東部ドンバス地域を結ぶ陸路が確保できることになる。
CNNによると、ボイチェンコ市長は、ロシアのウクライナ侵攻以来、マリウポリの住民2万人以上が殺害されたと述べている。
先週、ロシア軍は、数百人のウクライナ軍と子どもを含む民間人が避難していた同市の製鉄所を攻撃した。
ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領は以前、マリウポリに残る人々を殺害すれば、ロシアとの交渉が決裂する可能性があると警告していた。クレムリンは、民間人を標的にしていることを繰り返し否定している。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)