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ロシアがウクライナ侵攻を「コストゼロ」で逃げ切れば、国際秩序は破綻する —— 米統合参謀本部議長が指摘

ミリー米統合参謀本部議長

マーク・ミリー米統合参謀本部議長。

Kevin Dietsch/Getty Images

  • ウクライナ侵攻でロシアが何の罰も受けずに済んでしまえば、国際秩序は破綻するだろうと、アメリカのマーク・ミリー統合参謀本部議長はCNNに語った。
  • 「(ウクライナ侵攻を)コストゼロでロシアが逃げ切れば、いわゆる国際秩序もそうなるだろう」とミリー氏は話した。
  • その上で同氏は、「もしそうなれば、我々は深刻な、不安定さの増した時代に突入することになる」と付け加えた。

ロシアのプーチン大統領がウクライナへの軍事侵攻を「コストゼロ」で逃げ切れば、国際秩序全体が破綻するだろうと、アメリカのマーク・ミリー統合参謀本部議長は4月26日(現地時間)に語った。

「これが放置され、この侵略に対する応答がなく、コストゼロでロシアが逃げ切れば、いわゆる国際秩序もそうなるだろう」とミリー氏はCNNのインタビューで述べた

「もしそうなれば、我々は深刻な、不安定さの増した時代に突入することになる」

ロシアによる軍事侵攻で、ウクライナではすでに数千人が命を落とし、数百万人が国外へ避難せざるを得ない状況になっているものの、ミリー統合参謀本部議長はその侵攻には「ウクライナより遥かに大きな」問題があると指摘している。

同氏は「危うくなっているのはヨーロッパの安全だ」とし、ロシアの軍事侵攻は「第二次世界大戦が終結して以来、ヨーロッパの安全にとって最大の課題だ」と続けた。

「そして、それは1945年に確立した国際的な安全保障秩序が危機に瀕していることをも示している」とミリー氏はCNNに語った。

戦後秩序は「大国間の戦争を回避させ、大国は小国に軍事侵略を行わないという大きな概念を明確に示してきたものの、それが今、自国より小さな国に対するロシアの一方的な軍事侵略という形でまさにここで起きている」と同氏は話した。

ただ、第二次世界大戦以降、超大国が直接、戦争をすることはなかったものの、アメリカや旧ソ連といった国々は韓国、ベトナム、イラク、アフガニスタンといった数多くの比較的小さな国で戦ってきた。アメリカとロシアはここ数十年、開発途上国における代理戦争で争ってきた。

ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始する前、戦略国際問題研究所(CSIS)のロシアの専門家アンドリュー・ローセン(Andrew Lohsen)氏はInsiderの取材に、アメリカやその同盟国がウクライナに代わって戦う可能性は低いとしても、ウクライナ侵攻はロシアとNATO(北大西洋条約機構)加盟国が「よりあからさまに対立する時代」をもたらす可能性があると語っていた。

「容認可能な行為とは何なのか、もはや合意されたルールがないため、わたしたちは今よりも紛争が頻発する、または紛争によってより多くの犠牲者が出る時代に突入するだろう」とローセン氏は話していた。

「これにより、わたしたちは(領土などの)拡大を目指す戦争の時代に引き戻され、基本的に時計は巻き戻るだろう」

プーチン大統領が2月24日にウクライナへの侵攻を開始して以来、ロシア軍はウクライナの複数の都市を包囲、攻撃し、病院や学校、駅といった民間人が利用するさまざまな施設を標的にしてきた。

「今こそ侵略を止め、ヨーロッパ大陸に平和と安全を取り戻すチャンスだ」とミリー統合参謀本部議長はCNNに語った。

アメリカとNATO加盟国はウクライナ支持で一致し、軍事侵攻への対応として、ロシアに対し、今までに例のない制裁を科している。また、西側諸国の指導者らはロシアを非難し、ウクライナにおける戦争犯罪を追及している。

[原文:Gen. Mark Milley: If Russia gets away with war on Ukraine 'cost-free,' then 'so goes' international order

(翻訳、編集:山口佳美)

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