フードロス削減に向け、オイシックスが期間限定のコンセプトショップをオープン。5月15日まで開催。
撮影:湯田陽子
フードロスの解決に力を入れるオイシックス・ラ・大地が、東京・有楽町の有楽町マルイで「アップサイクル食品」をテーマにした初の期間限定コンセプトショップをオープンしている。期間は5月15日まで。
アップサイクル食品とは、ごみとして廃棄されてきた野菜の皮やヘタなどを、食べられる商品としてアップグレードしたもの。
食のサブスクリプションサービスを展開するオイシックスは、2021年7月にアップサイクル商品を開発・販売するフードロス解決型ブランド「Upcycle by Oisix(アップサイクル・バイ・オイシックス)」を立ち上げた。
以来、2022年4月14日までに約29トンのフードロス削減を達成(オリジナル商品の流通総量から算出)。今回のコンセプトショップ開催期間中に、30トン達成を目指している。
開催期間中は、このボードで売り場での販売を通じたフードロス削減量を毎日更新していくという。
撮影:湯田陽子
Upcycle by Oisixブランドマネージャーの三輪千晴さんは、同ブランドの狙いについてこう話す。
「フードロスというと難しく捉えられてしまいがちですが、気軽に楽しんで召し上がっていただくことで、フードロスを考えるきっかけになるような世界観を目指しています」(三輪さん)
オリジナル商品「ここも食べられるジャム バナナの皮ごと」。加工時に廃棄されていた有機バナナの皮を20%使用。爽やかな味わいが好評で、「離乳食にも最適」という声も寄せられているという。食品ロス削減量は1瓶で約30g。
撮影:湯田陽子
オイシックスはこれまでにも、フードロス削減を目指したオンライン販売コーナー「Oisixもったいないマーケット」「Oisixサステナブルマーケット」を展開してきた。
今回のコンセプトショップでは、オリジナル商品のほか、オリジナル商品をパッケージした期間限定のギフトセットなども販売。母の日のプレゼントなど、シーンに合わせた「サステナブルギフトを提案」している。
かりん糖のような味わいのオリジナル商品「ここも食べられるチップス なすのヘタ(黒糖味)」。食品ロス削減量は1袋90g。
撮影:湯田陽子
オイシックスによると、一般的な小売企業では流通プロセスで食品が廃棄される割合が5〜10%だが、注文に応じて宅配するオイシックスでは0.2%に抑制している。また、同社の調査では、20分で主菜と副菜が作れるレシピ付きミールキット「Kit Oisix」を利用すると、家庭でのフードロスが1/3まで削減できることが分かったという。
撮影:山﨑拓実
アップサイクル・バイ・オイシックスの今後の目標について、三輪さんは次のように語った。
「3年後に(売上高で)20億円超え、フードロス削減量で年間500トン以上のビジネスへと展開していくことが大きな目標です。いまは『to C(小売り)』ですが、今後は、例えば『to B』のお客さまにも、ノベルティで活用いただいたり社食のおやつに使っていただいたりなど、どんどん輪を広げていけたらと考えています」(三輪さん)
「ここも食べられるチップス」シリーズには「だいこんの皮」(左)、「ブロッコリーの茎」(右上)も。ほかに「母の日」向けの期間限定ギフトセット(右下)なども販売している。
撮影:湯田陽子