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Visa LINE Payクレジットカードが5月1日より還元率が1%に引き下げられた。コード決済のシェア獲得に端を発したクレジットカードの高還元率競争も、ひと段落といった様相になってきた。
還元率を目当てにVisa LINE Payクレジットカードを利用していた人の中には、カード会社の乗り換え検討をしはじめているかもしれない。
いつの間にか「わかりやすい高還元率カード」は激減
実はいま、Visa LINE Payクレジットカードのサービススタート時のように、ほぼ無条件で利用金額の3%還元といった解りやすいポイント還元サービスは少ない。そのため、自分の生活環境や利用状況に合わせたクレジットカード選びがポイントだ。
この記事では、使い方次第で1%を越える高いポイント還元率のクレジットカードを5枚紹介している。
なお、この記事で扱う付与率は、利用金額に対してそのカードが対応しているポイントサービスが何ポイントを与えられるかとして計算した。
また還元率は、付与されたポイントを使用する際に1ポイントが何円として使えるかをもとに換算している。
1. スタバヘビーユーザーにオススメの「JCB CARD W」
Z世代〜ミレニアル世代向けだがアマゾンやスタバで高還元率になる注目のクレジットカードの1つ。
出典:JCB
- 39歳までの年齢制限
- スターバックスで4.4%の高還元率
- 年会費は無料(発行後、40歳をこえても無料)
高いポイント(Oki Dokiポイント)還元率で注目したいのがこの「JCBカード W」だ。
初めてクレジットカードを持つようなZ世代〜ミレニアル世代向けのため、発行対象年齢が18歳から39歳以下と限定されているが、この年齢の人ならメリットは多い。
国内外でのカード決済時は1000円(税込)で2ポイント(通常ポイント1+カード特典ポイント1)で、この付与率はJCB一般カードの倍。貯まったポイントは、カードでの支払時に1ポイント3円ぶんとして利用可能なので、通常の使い方だと還元率は0.6%となる。
これだけではそこまで高い還元率ではないが、専用サイトのJCBオリジナルシリーズを経由して提携店で利用したり、ポイントアップ登録をすると、ポイント付与率がアップする。
例えば、セブンイレブンでの利用は1000円(税込)につき4ポイント、アマゾンでは5ポイントといった具合。特に付与率が高いのがスターバックスカードへのチャージ時には11ポイント付与される。
さらにアマゾンとスターバックスはポイントを使った支払い(チャージ)もでき、アマゾンでは1ポイントを3.5円として利用可能。スターバックスでは、200ポイント以上で交換すれば、1ポイント4円でスターバックスカードへとチャージできる(200ポイント未満の場合は1ポイント3.5円)。
つまり実質的にはセブンイレブンでの使用と利用なら還元率は1.2%。アマゾンでは1.75%。スターバックスカードでは、4.4%の高還元率となる。
2. コンビニで5%高還元率になる「三井住友カード(NL)」
キャッシュレス時代にピッタリのクレジットカード。
出典:三井住友カード
- コンビニ、マクドナルドではタッチ決済で5%還元
- 上記店舗のApple PayやGoogle Pay利用時も5%
- 年会費は永年無料
最近主流となってきている、カード面に番号などが印字されていないナンバーレス(NL)タイプのカード。カード番号や有効期限などは、スマートフォンの公式アプリで確認できる。
通常のポイント(Vポイント)付与率は200円(税込)につき1ポイントなので0.5%。1ポイント1円で利用できるので、還元率も0.5%となり、そのままでの利用ではそこまで高い還元率ではない。
三井住友カード(NL)が効果を発揮するのは、提携店となるコンビニエンスストア(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン)とマクドナルドでの利用時。三井住友カード(NL)で決済すると、付与率は2.5%にアップ。さらにVisaのタッチ決済か、Mastercard コンタクトレスでの決済時には付与率は5%までアップする。
この付与率は上記店舗でのApple Pay、Google Payでの利用時も同じ5%(iDは2.5%なので注意)となっているので、スマホで支払いたい人にピッタリのカードだ。
3. QUICPayで3%の高還元率が狙える「セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード Digital」
QUICPayで支払うと約3%の高還元率になる。
出典:クレディセゾン
- QUICPayでの実質的な還元率が2.7%〜3%。
- 年会費は初年度無料。翌年度以降は年間1100円(税込)だが、前年に1円以上の利用があれば無料
こちらもカード面に番号や有効期限が無記載のナンバーレスカードタイプ。通常のポイント(永久不滅ポイント)付与率は1000円(税込)で1ポイントなので、0.1%換算だ。
永久不滅ポイントはアイテム交換での利用がメインなため、カード利用時の支払いに使用するといった使い方ができず、単純な還元率の算出が難しい。
だが、毎月のショッピング利用ぶんに充当させる場合は、200ポイントで900円ぶん。Amazonギフト券への交換は1口100ポイントで500円ぶん(交換は2口以上)になっているため、実質的な還元率は0.45〜0.5%となる。
ただしQUICPay加盟店で、QUICPayとしてApple Pay、Google Pay、セゾンQUICPayで支払うと、ポイント付与が1000円(税込)で6ポイントと付与率は0.6%までアップ。QUICPayでの実質的な還元率は、2.7%〜3%となりかなりの高還元率といえる。
QUICPay加盟店は主要なコンビニエンスストアはもちろん、スーパーマーケットやドラッグストア、家電量販店、カフェなど幅広いため利用できるチャンスも多く、日々の生活で高還元率が実現できる。
クレディセゾンは5月17日に、QUICPay加盟店でのApple Pay/Google Payとしての利用した際の還元について、8月1日から10月31日まで、1000円につき4ポイント(約2%還元)に変更すると発表した。
また、11月以降については「本サービスの継続/変更/終了については、内容が確定しましたらご案内します」としている。
4. 特約店での利用とd払いとの組み合わせでおトクになる「dカード」
左が「dカードGOLD」、右がノーマルの「dカード」。
出典:dカード
- 普通に使っても1%還元。
- 特約店での還元率アップが大きい(例:スターバックスで4%還元)。
- ドコモへの支払いが1万円以上の場合はGOLDにメリット。
- 年会費はdカードが永年無料。dカード GOLDが年間1万1000円(税込)。
通信キャリアのNTTドコモが運営しているクレジットカードで、付与されるポイントも同じくNTTドコモのdポイント。付与率は100円(税込)で1ポイントなので1%。1ポイントは1円として使えるので、還元率も1%と普通の使い方をしてもまずまずの還元率。
さらにdカード特約店での利用は付与率がアップする。例えば、マツモトキヨシでは100円(税込)ごとに3ポイント。スターバックスカードへのチャージは100円(税込)ごとに4ポイントの高付与率となっている。
年会費1万1000円の「dカード GOLD」は所有しているだけで、これが1000円(税抜)につき100ポイントと付与率が約10%にアップする。ahamoの契約は非対応だが、ドコモ光の回線契約をまとめてなど、ドコモへ毎月1万1000円(税込)以上の利用料を払っている場合は、年会費を超えるポイントが付与される。
5. モバイルSuicaなら断然「ビックカメラSuicaカード」
数少ない「モバイルSuicaチャージ時にポイントが付与」されるクレジットカードだ。
出典:ビューカード
- Suicaチャージ時にJRE POINTが付与される数少ないクレカ。
- ビックカメラでの買い物時にJRE POINTと合わせて11.5%還元。
- 定期券購入などで5%分のポイント付与も。
- 年会費は初年度無料。翌年度以降は年間524円(税込)だが、前年に1回でも利用があれば無料。
交通系のキャッシュレス決済として利用者の多いSuica。Suicaはチャージ型で現金のほかクレジットカードからチャージしているユーザーも多いが、多くのクレジットカードでは、チャージ時にポイントが付与されないケースが多い。
ビックカメラSuicaは数少ないSuicaへのチャージ時にポイント(JRE POINT)が付与されるクレジットカードで、モバイルSuicaを含むSuicaへのオートチャージでの付与率は1.5%と高い。付与されたポイントは1ポイント1円でSuicaへとチャージできるので、還元率も1.5%だ。
またビックカメラで買い物をする際、Suicaでの支払いは現金での支払いと同じポイント(ビックポイント)付与率なので、10%のビックポイントと1.5%のJRE POINTの両取りが可能。あわせて11.5%の高付与・還元率となる。
そのほかモバイルSuicaで定期券やグリーン券を購入すると、5%のポイントが付与される。Suicaでの移動が多いユーザーとビックカメラでの買い物頻度が高いユーザーは、専用に1枚つくっておいて損はないカードだ。
(文・中山智)