ウォーレン・バフェット(左)とチャーリー・マンガー(右)。
SCOTT MORGAN/REUTERS
- ウォーレン・バフェットとチャーリー・マンガーは、バークシャー・ハサウェイの年次株主総会でさまざまなことを語った。
- 2人は、株式市場に広がる「ギャンブル」について警告し、ビットコインは価値がないと批判した。
- またインフレやロビンフッド、パンデミックや政治に関する発言のリスクについても語った。
ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)とチャーリー・マンガー(Charlie Munger)は4月30日に行われたバークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)の年次株主総会で、金融市場での熱狂的な投機を批判し、ビットコインは価値がないと一蹴し、インフレの危険性を強調した。
バークシャー・ハサウェイのCEOであるバフェットと、ビジネスパートナーであるマンガーは、パンデミックや政治的な問題の議論に入るリスク、ロビンフッド(Robinhood)の過去数年間における価格急落などについても言及した。
以下で彼らが述べた12の言葉を紹介しよう(一部に編集を加えている)。
ウォーレン・バフェットの言葉
1. 「株式市場は、あるときは投資志向になり、またあるときは投機、つまりカジノや賭博場のようになる。そして過去数年間はウォール街の金融企業によって、異常なまでにその傾向が強かった」(ウォール街は、資本主義のテーブルから落ちるパンくずを拾うことでお金を儲けていると彼は付け加えた)
2. 「インフレは債券投資家からも、ベッドの下に現金を保管している人からも、ほぼすべての人々から金を奪い取る」(インフレが株式投資家から金を奪うと考えているかと尋ねられて)
3. 「インフレに対する最良の防御策は、自分自身が稼ぐ力を高めることだ。最良の投資は、自分自身を成長させることだ」(人々は優れた医者に診てもらうためやすばらしい歌手の音楽を聞くためには喜んでお金を払うと彼は述べた)
4. 「もしあなたが世界中のすべてのビットコインを所有していて、それらを25ドルで譲ると言っても、私はそれを受け取らない。なぜなら、それで何ができるのか。私は結局、あなたに売り戻さなければならないだろう。何の役にも立たないのだから」(バフェットは仮想通貨を、農地やマンションなどの生産的な資産と比較した)
5. 「我々は2008年を繰り返すか、もっとひどい事態になる可能性からそれほど離れていたわけではなかった」(2020年春、パンデミックが市場の流動性に与えた大きな影響について振り返って)
6. 「基本的にやるべきことは黙っていることで、望んでいなかったような結果に多くの人々が直面しないようにすることだ」(彼の事業へのボイコットが起こり、結果として株主や従業員が苦しむことを防ぐため、政治的問題への見解を述べることはもうないと述べた)
7. 「我々は賢いとは思わないが、分別はあると思う。それが、このビジネスの大切な条件だ」
8. 「運用手数料を取るのならば、私はサルに賭ける」(ほとんどの経済アドバイザーはダーツボードにダーツを投げて株を選ぶサルよりも投資がうまくないと指摘した)
チャーリー・マンガーの言葉
9. 「株について何も知らない人々が、もっと知識のない株式ブローカーからのアドバイスを受けている」
10. 「人々は彼らのスキルに課金しているのに、彼らが提供するのはクローゼット・インデックスだ」(多くのファンドマネージャーは運用成績で市場や同業者を下回ることを恐れ、インデックス・ファンドに相当するものに投資していると彼は述べた)
11. 「私は人生において、バカげていること、不道徳なこと、他人と比べて悪く見えることは避けている。ビットコインはその3つすべてに当てはまる」(彼はビットコインの価格はゼロまで落ちる可能性があり、仮想通貨は経済システムの安定性を脅かし、それを禁止している中国政府と比べてアメリカ政府を愚かに見せていると語った)
12. 「それはとても不快だった。そして今、それが解明されつつある。そこには正義があったんだ」(彼は、ロビンフッドは「短期的なギャンブル」を勧めることで「大きなコミッション」を得ていると主張し、注文の流れによって利益を得る同社のビジネスモデルについて批判した)
ロビンフッドのコミュニケーションチーフ、ジャクリーン・オーティズ・ラムゼイ(Jacqueline Ortiz Ramsay)はInsiderへのコメントで次のように述べた。
「マンガー氏が、何も知らない我々のプラットフォームや顧客について誤ったことを語るのにはうんざりしている。ロビンフッドは手数料を請求しないし、デイトレードや空売りを認めていない。我々は決して行っていない。彼は、自分のような見た目や思考、行動を行わない限り、投資家になれないし、なるべきではないという本音を語るべきだ」
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)