Cosmic
- サンフランシスコを拠点とするスタートアップ、Cosmic(コズミック)が製造するADU(離れ)は、本体のみならず母屋にも供給できるだけの電力を自家発電できる。
- コズミックは2つのモデルを展開しており、ワンルームが19万ドルから、1ベッドルームが37万ドルからとなっている。
- 同社では標準化されたモジュール式住宅建設システムを採用し、時間、無駄、コストを節約している。
サンフランシスコを拠点とするスタートアップ、Cosmic(コズミック)が製造するタイニーハウスは、裏庭に置いて見栄えがいいだけではない
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同社の「Accessory Dwelling Units(ADU:離れ)」は、本体のみならず母屋にも供給できるだけの電力を自家発電できるので、電気代の節約につながる
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余剰電力まで生み出す自家発電型のADUというのは、斬新なアイデアかもしれないが、裏庭に置くタイニーハウスは以前から存在している
一般的なタイニーハウス。
Facing Homelessness and the Block Project
アメリカでは近年、レンタルルームや仕事部屋、ジムなどとして利用するためにADUを設置する住宅所有者が増えている
裏庭に設置されたタイニーハウス。
Thomas Barwick/Getty Images
Source: Insider
一般的なタイニーハウスとは異なり、Cosmicのカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量が均衡している)なADUは、自家発電が可能だ。同社の創業者兼CEOで、環境にやさしい取り組みを目指すサーシャ・ヨキッチ(Sasha Jokic)は、2021年からこのADUの製造を始めている
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2023年中には、カリフォルニア州で5棟のADUを建設する予定だ
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CosmicのADUは、一般的なタイニーハウスと同様に、住宅の裏庭に置く小さな独立した家として機能する
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しかしこれまでは、ADUを持つとさらに電力が必要となるため、興味を示す顧客が少なかった。その問題を解決するために自家発電するADUを開発したとヨキッチは述べている
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同社によると、アメリカの二酸化炭素排出量のほぼ50%が、家庭で使われる化石燃料から発生したものだという
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そして、従来の住宅建設プロセスは確かに無駄が多く、気候変動の危機に立ち向かうようなものではない…
アリゾナ州フェニックスで建設中の従来型の住宅。
Gregory Clifford/Getty Images
…Cosmicのようなプレハブ住宅メーカーが、標準化されたモジュール式住宅建設システムが、より持続可能なものと考える理由はそこにある
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Cosmicは、太陽光発電、バッテリー、配管、電気系統がすべて統合された世界初の住宅用「シャシー(フレーム)」を開発し…
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…それによって建設にかかる時間とコストを削減できるようにした
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他の類似企業で、住宅の「シャシー」以外のものもプレハブ化していることもあるが…
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…ヨキッチによると、モジュラーシステムを用いたシャシーのプレハブ化により「コストと時間の面で非常に高い効率を保ちつつ、フレキシブルなデザインが可能となり、施主の好みに合わせて施工できる」という
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CosmicのADUは、建設に6カ月から8カ月の期間を要する
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平らに包装されたシャシーは、トラックの荷台に積まれて配送され、コズミックのチームによって同社の基礎構築システムを用いて数週間で施主の裏庭などに設置される
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壁、仕上げ材など、住宅のその他の部分はすべて「従来型」の工法で組み込まれる
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CosmicのADUも、上下水道には接続する必要がある
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だが電力は、ソーラーパネル、バッテリー、電力貯蔵システムによって自立している
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ADUで使わなかった電力は、母屋や電気自動車に送ることができる
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Cosmicが展開する2つのモデルのうち、小さい方の「Cosmic Studio」は面積約33平方メートルで…
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…大きい方の「Cosmic One」は、幅約12メートル、室内面積が約65平方メートルとなっている。また、約21平方メートルの屋上テラスもあり、暖かなカリフォルニアの太陽の下でくつろぐのに最適だ
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「Cosmic Studio」にはリビング、ダイニング、バスルームがあり、それにキッチンを加えたのが「Cosmic One」になる
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どちらのモデルも、インテリアはカスタマイズ可能で、大きな窓、そしてテラスという、オーナーの夢をかなえるキーワードがそろっている
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また、モジュラー式の構造システムにより、施主の好みに合わせて広さを変えることもできる
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「Cosmic Studio」は19万ドル(約2500万円)から、「Cosmic One」は37万ドル(約4800万円)からとなっている
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将来的には、約110平方メートルほどのより広い住宅の建設も予定している
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コズミックの最終的な目標は、多世帯住宅の建設であり、「住宅難の問題を多世帯住宅で解決できれば、我々は成功したと言えるだろう」とヨキッチは述べている
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しかし今のところ「世帯全体の電力を生み出すものがほしいという人が多く、それはADU市場において本当に新しいアプローチになっている」とヨキッチは言う。「我々は、これからもこの取り組みを続けていきたいと考えている」
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(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)