エアビーアンドビーの共同創業者兼CEOのブライアン・チェスキー。
Kimberly White/Getty Images
- エアビーアンドビーのブライアン・チェスキーCEOは、給与を減らすことなく社員が恒久的にリモートワークできるようにすると発表した。
- タイム誌のインタビューでチェスキーは、「我々が知っているようなオフィスの時代は終わった」と述べた。
- 彼は、週3日オフィスで働くハイブリッドモデルに欠陥があると考える理由も説明した。
エアビーアンドビー(Airbnb、以下エアビー)のブライアン・チェスキー(Brian Chesky)CEOにとって、オフィスで仕事をすることはもはや過去の遺物であるという。
2022年5月8日に公開されたタイム(Time)誌の「The Leadership Brief」で彼は、オフィスは「デジタル化以前の時代のもの」であり、「時代錯誤の形態」であると考えていると述べた。これは、エアビーが「給料をカットされることなく、恒久的にリモートワークが可能になる」と2022年4月29日に発表したことに対するチェスキーのコメントだ。彼は人材プールを拡大できていることを挙げ、この2年間はリモートワークによって過去最高の生産性を誇ったこと話している。
「我々が知っているようなオフィスは、もう終わったと思う」
「1950年はもとより、2019年にもしがみついてはいけない。前進しなければならないのだ」
そして彼はこう続けている。
「もし、オフィスが存在しないとしたら、我々はそれを発明するのだろうか。もし発明したとしたら、それは何のためだろうか。もちろん、病院に行って仕事をする人、カフェに行って仕事をする人にとっては職場としての完璧な意味があるし、理にかなっている。しかし、ノートパソコンで仕事をする人にとって、オフィスは何をする場所なのかという疑問があると思う」
チェスキーによると、エアビーが完全リモート化を発表した直後、同社の採用情報ページは80万回以上閲覧されたという。
2022年1月、チェスキーはアメリカのさまざまな都市で仕事をし、「エアビーで暮らしている」と話していた。タイムのインタビューでは、オフィスの必要性はまだあるだろうと認めながらも、「オフィスは、家ではできないことをしなければならない場所だ」と結論づけている。
「人々は今後もオフィスで仕事をするだろう。しかしそれは異なる目的、つまりオフィスはコラボレーションのためのスペースになるだろう」と彼は述べた。
チェスキーは、100%リモートでは社員はどこでも働けるため、雇用の多様化が図れる一方、中には同僚や会社から孤立していると感じる社員が出る可能性があると話す。
チェスキーは妥協点は必要だとしながらも、グーグル(Google)やアップル(Apple)などの企業が採用する週3日オフィスで働くという一般的なハイブリッド型ワークモデルには欠陥があるとしている。
エアビーは、このモデルに代わるものとして、四半期ごとに1週間程度、社員が直接顔を合わせるようにしようとしている。
「私の予想では、ハイブリットは週3日出社が週2日になり、やがて週2日出社が週1日になると思う。そして本当にハイブリッドな世界になるのか、またはほぼリモートの世界になるのかどうかだ」とチェスキーは言う。
「週に2日、3日というこのやり方が持続可能ではないということに人々は気付いていないが、やがて理解するだろう。そして『よし、集まる時期をもっと意図的に決めよう。一度に1、2週間集まろう』となるはずだ」
米Insiderを運営するInsider Incを所有するアクセル・シュプリンガー(Axel Springer)社はエアビーアンドビーに出資している
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)