Zoomが無料版「40分制限化」開始。制限の少ない無料Web会議ツール6選

Zoom

Zoomは無償ユーザーの「40分の利用制限」の対象を「1対1の会議」にも拡大した。

REUTERS

Zoomは5月2日から「無料アカウントでの40分以上のオンライン会議」の一律制限を始めた。

従来まで、無料アカウントでは1対1のWeb会議なら時間無制限で利用できた。これが、5月2日以降は、40分以上のWeb会議をする場合、人数に関わらず月額2000円のProライセンスなど有料プランの契約が必要になる。

4月29日付のZoomのリリースによると、5月2日以前に予約していた会議であっても、今回の変更は反映されるので注意だ。

業務に関するWeb会議であれば、会社全体で法人向けプランの導入を検討すべき事案ではあるが、コスト面など「すぐに導入」とはならないだろう。

そこで、比較的簡単な手段で1対1のWeb会議が40分以上利用できる別ツール6種類を紹介する。

1. Google Meet

Google Meet

無償・有償で使える「Google Meet」。

出典:グーグル

  • 必要なもの:Googleアカウント
  • 時間制限:1対1なら最長24時間、3名以上は最長60分

グーグルの会議ツール「Google Meet」は、有償の「Google Workspace」ではない、Googleアカウントのユーザーでも、1対1の会議を最長24時間開催できる(3名以上は最長60分)。

音声のノイズキャンセルや録画機能など、Google MeetはZoomと比べて無償プランで使えない機能が多いが、バーチャル背景やチャット(Meetでは「ビジュアルエフェクト」)は利用できる。

また、PCからは原則としてブラウザーを利用する設計のため、URLさえあればフル機能で参加できる点はGoogle Meetの強みだ。

2. Skype(Meet Now)

Meet Now

マイクロソフトによるSkypeの「Meet Now」機能。

出典:マイクロソフト

  • 必要なもの:特になし
  • 時間制限:最長24時間

マイクロソフトは近年、「Microsoft Teams」の開発に注力しているが、ある意味「老舗」と言える「Skype」の開発も継続している。

Microsoft Teamsは無償版だと通話は60分の時間制限があるが、Skypeの場合は短い期間での制限はない。

また、「Meet Now」機能を使えば、会議の主催者も参加者も、アプリやMicrosoft アカウントがなくても会議を開始・参加できる手軽さがある。

Meet Nowを利用した場合でも、挙手や絵文字によるリアクションは利用可能。チャットの内容は最大 30日間保管される。

3. FaceTime(FaceTime リンク)

FaceTime リンクの発行の仕方。

出典:アップル

  • 必要なもの:アップル製品(ゲストは不要)
  • 時間制限:とくになし

「Face Time」はアップル製品向けの通話機能だ。

ただ、2021年9月にリリースされたiOS 15/iPadOS 15、同年10月のmacOS Montereyでは、AndroidやWindowsユーザー向けに参加リンクを発行できるようになった

会議のURLは、FaceTimeアプリから「リンクの作成」で即時発行、アップル純正のカレンダーアプリから事前発行できる。

利用のための条件として、主催者がMacやiPad、iPhoneなどを使っている必要があるが、URLを受け取った参加者は最新バージョンの「Google Chrome」か「Microsoft Edge」があれば参加できる。

他のサービスと比べて、ビデオ通話以外の機能はあまりないが、料金や時間制限などは特に設けられていないため、一考の価値はある。

4. Messenger Rooms

Messenger Rooms

Metaが提供しているMessenger Rooms。

出典:Meta

  • 必要なもの:Facebookアカウント(設定によってゲストは不要)
  • 時間制限:とくになし

Meta(旧:Facebook)のMessenger Roomsは、MessengerやFacebook、InstagramといったMetaのファミリー製品から呼び出せる会議ツールだ。

MessengerやInstagramの友だちであれば、ビデオ通話が利用できるが、RoomsはURLで招待することで友だちでない相手も招待できる仕組み。

スマホやタブレットから参加するにはMessengerアプリが必要だが、主催者がURLの参加設定を「承認した人のみ」にしていれば、アプリにログインしていない状態でも参加できる。

FaceTime同様にあまり機能が多くないが、いずれのMetaサービスのアプリ版やブラウザー版でURLを出力できる点はうれしい。

5. LINEミーティング

LINEの友だち以外とも通話できる「LINEミーティング」。

出典:LINE

  • 必要なもの:LINE ID、LINEアプリ
  • 時間制限:とくになし

「LINEミーティング」は、いわばMessenger RoomsのLINE版だ。LINEの友だち以外のユーザーともグループ通話ができる機能になっている。

以前はLINEアプリで年齢認証をしていないユーザーは参加できなかったが、バージョン11.1.0以上のスマートフォン版LINE、6.6.0以上のPC版LINEに更新していれば参加可能になっている(主催者は年齢認証が必要)。

注意すべき点としては、LINEアプリやLINE IDが必須という点と、参加時の表示名はLINEに設定している名前になる点(ニックネームなどを設定している場合はとくに注意)。

購入済みのスタンプでリアクションをしたり、背景ぼかしを含め多彩なエフェクトが用意されている点はLINEならではだ。

6. Around

around

独特なUIを持つ「Around」。

出典:Teamport

  • 必要なもの:Aroundへのユーザー登録(ゲストは不要)
  • 時間制限:1対1は無制限、3名以上は最大45分(2022年後半までは無制限)

「Around」は、アメリカのスタートアップ・Teamportが開発する比較的新しいビデオ会議ツールだ。

PCアプリを入れた場合、カメラに映った人の顔を認識し正円状のビューで表示。それらの正円はウインドウではなく浮いたように見えるため、会議中でも作業を邪魔されにくい。

現在は無償のベータ機能だが、設定を有効にすることで、同じ部屋内で複数人が通話をオンにしてもエコーを防げるユニークなものもある(正式版で価格が決定する)。

SlackやGoogleカレンダーとのインテグレーションも可能なので、ZoomやGoogle Meetから移行しやすい点も特徴的。

なお原稿執筆時点(2022年5月9日)では、英語のみのサポートになり、日本語は非対応(日本語環境でも動作はする)。

(文、撮影・小林優多郎

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