孫正義の「守り」と「攻め」。赤字決算のソフトバンクグループの行く末はArmが握っている

ソフトバンクグループ

孫氏は世界情勢や今の株式市場の低迷が続く間は「守り」を重視すると話す。

出典:ソフトバンクグループ

「一言で言うと『守り』、明確にこの姿勢でいく」

ソフトバンクグループ(以下、ソフトバンクG)が5月12日に開催した2022年3月期(通期)決算会見で、会長の孫正義氏は神妙な面持ちで今後の方針をそうまとめた。

「通常運転」の孫氏であれば、新しい挑戦が伴う未来へのビジョンなどを語り始めるところだが、今回は終始冷静な雰囲気で会見は進行した。

通期純損失は1.7兆円、SVFも失速気味

ソフトバンクグループ 純利益

ソフトバンクグループは2021年度に1.7兆円の損失を発表した。

出典:ソフトバンクグループ

いつもと違う雰囲気は、同社の2021年度の通期決算の不調を受けてのものだ。

2021年度のソフトバンクGの純損失は1.7兆円。孫氏が「会計上の利益ではなく、最も大事(な指標)」の1つとする時価純資産(NAV)も下落傾向で、2021年12月末から2022年3月末までに約0.8兆円減少している。

孫正義氏

神妙な面持ちで決算会見に登壇した孫氏。胸のポケットには青と黄のハンカチを覗かせている。

出典:ソフトバンクグループ

ソフトバンクGは「投資会社」であるため、マーケットの影響を受けやすい。孫氏は2年以上続く新型コロナウイルスの影響に加え、ロシアのウクライナへ侵攻による世界的なインフレなど、下落要因を挙げている。

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