イエローストーン国立公園のハイイログマ。
Joe McDonald/ Getty Images
- 仮想通貨は大暴落し、株価は下落し、新興企業は成長への取り組みを縮小している。
- 多くの企業のCEOやCFOは事態がさらに悪化するかもしれないと警告しており、あらゆる業種の企業にとって大変な時期がやってきている。
- CEOやCFOが投資家や従業員に伝えていることを紹介しよう。
ビットコイン(BTC)は大暴落しているように見えるが、コインベース(Coinbase)の株価はさらに悪い状況にある。
過去1週間で仮想通貨の代表的な存在であるビットコインが約20%下落したのに対して、その他の主な仮想通貨はほぼ半減したのだ。
「あえて言うことに価値があると思う。より広範な市場が下落しているということだ」とコインベースのブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)CEOは2022年5月11日に投資家に語った。
「成長ハイテク株とリスク資産には下落相場が訪れている」
同社は今年の見通しとして、この相場が「長期化し、ストレスのたまるシナリオ」が予想されると述べている。
インフレ、金利上昇、ウクライナ戦争、中国の景気減速などが深刻な事態を招いているため、多くの企業トップはここ数週間、投資家への書簡や決算説明会で警戒感を表明している。
ウーバー(Uber)のCEO、ダラ・コスロシャヒ(Dara Khosrowshahi)は、同社が第1四半期に59億ドルの損失を計上した1週間後に、従業員向けのメモで「不確実性の高い時代には、投資家は安全を求めるものだ」と書いている。
しかし、今の市場はその安全をほとんど提供していないように見える。
投資家はこれまで自分の資産を守るために、資産を株式、債券、通貨の間を移動させていたが、今はこの3つのカテゴリーがすべて下落している。
このような状況下で、コスロシャヒは採用を「特別」に扱い、「最も効率の悪い」マーケティングやインセンティブへの支出を削減すると述べている。
「ウーバーの平均的な社員はやっと30歳を超えたところだが、それはつまり、前例のない長い強気相場の中でキャリアを積んできたということだ」とコスロシャヒは言う。
「これからは、これまでとは違う別のアプローチが必要になる」
ネットフリックス(Netflix)は、約10年ぶりに加入者が減少し、今後数カ月でさらに200万人の解約が予測されると報告し、株価を急落させた。
「COVIDによるストリーミングの大きな後押しが、最近までその実態を見えにくくしていた」と同社の株主向けの書簡には書かれている。
ディズニー(Disney)は、直前の四半期にはストリーミングのライバルの業績を上回ることができたが、会計年度前半の予想外の盛り上がりが、当初予想されて下半期の成長に影響することになりそうだと述べている。このニュースを受けて、ディズニーの株価は下落した。
コネクテッドフィットネス企業のペロトン(Peloton)や電気自動車の新興企業カヌー(Canoo)といった他の企業は、それぞれが「自己資本が少ない」、「存続する能力に疑いがある」と表現する不安定な手持ち現金が問題化している。
一方、Carvana、Better、ロビンフッド(Robinhood)といったパンデミック時代の成功企業も人件費の上昇と売上の鈍化に直面し、何千人もの人員削減を行っている。
Metaのデイビット・ヴェーナー(David Wehner)CFOは、このFacebookの親会社が「どのプロジェクトを実行に移すのか、厳しい決断を下す」必要があると、漏洩した社員へのメモの中で述べた。また、ヴェーナーは、雇用を減らし、2022年後半に向けた人員配置を見直すと付け加えている。
いずれにせよ、2022年はグリズリーベア(下落幅がより大きく、長期化したもの)相場になりそうだ。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)