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私の副業は「結婚相談所」…開業3年、副業収入は“会社員の年収超え”

永野さんの写真

会社員の永野嘉之さんは、本業の勤務を終えた夜の時間は、ある「副業」に使っている。永野さんの自宅で撮影。

撮影:横山耕太郎

「デートでの会話が盛り上がらなくて…」

今はいい距離を保てていると思いますよ。もし彼女と結婚を考えているなら、デートでの会話でもっと踏み込むようにして、関係性のモードチェンジをしていきましょう」

平日の夜10時頃、新宿区に住む永野嘉之さん(45)は、オンラインで40歳代の男性の「結婚相談」に乗っていた。

永野さんはIT機器メーカーで管理職を務めているが、本業の終業後の時間は、結婚相談所の副業に充てている。

永野さんが2019年に開業した結婚相談所には現在、30代前半から40代半ばを中心に約25人が登録。男女比は半々で、中には20代の若い会員から50代の会員もいる。永野さんが結婚相談所の副業を初めて約3年。今では本業の年収の1.5倍の収入を得ている。

「結婚相談所の副業」というイメージがわきにくいが、実はフランチャイズ方式で開業できる仕組みがあるのだと永野さんは言う。

国内では、結婚相談所の利用者データを共有するサービスが複数運営されており、数十万円から百数十万円の利用料を支払えば、数万人規模のデータベースを利用して開業できる。

一方で、開業したものの集客に苦労する結婚相談所も少なくない。「副業・結婚相談所」の実情に迫った。

「結婚相談所」は加盟金を支払えば始められる

日本の婚姻組数・出生数・IBJ売上高のグラフ

婚姻数は減っているものの、婚活サービスIBJは売上高を伸ばしている。

出典:IBJ「2022年12月期第1四半期決算説明資料」

「コロナ禍の収入不安から、自宅でできる副業として結婚相談所を選ぶ人が増えています。マッチングアプリが普及したことで、婚活サービスが身近になったことも、結婚相談の業界には追い風になっています」

婚活サービスの大手・IBJの営業本部長の杉山達哉氏はそう話す。

IBJは2006年に設立され、婚活イベントの開催、直営の結婚相談所「IBJメンバーズ」の運営に加え、結婚相談所の開業支援事業を開始した。2019年には、全国に結婚相談所を展開するサンマリエを、2020年にはイオングループだったZWEI(ツヴァイ)を買収し、グループ傘下の結婚相談所数は国内最多の3221社、会員数は7万7596人(2022年4月現在)にのぼる。

IBJの杉山氏によると、「副業」として結婚相談所を始めるには、160万円(税別)の加盟金を支払ってIBJが運営する日本結婚相談所連盟に加盟し、毎月「ネットワーク月会費」を1万8800円(税別)を支払う。また会員1人につき500円(税別)の活動費も必要だ。

これで、IBJが持つ約8万人のデータベースを使って、利用者とのマッチングを進めることができるようになる。

結婚相談所の「収入」とは?

結婚相談所の収入源となるのが、入会金や、月会費、婚約が成立した場合の成婚料だ。各相談所が値段を設定できるが、IBJがガイドラインとしている料金は、入会金が10万円、月会費が5000円~1万円、成婚料が20万円などとなっている。活動期間によって変わるものの、1人の成婚で約40万円(10カ月活動した場合)の収入が見込める計算だ。

IBJで新規に開業した事業者は増加傾向にあるという。

開業件数に対する副業割合の表

出典:IBJ「2021年12月期通期決算説明資料」

例えば、2018年には新規開業は年間461件だったのが、2020年には723件に増加。2021年はコロナの影響を受けて前年比9件減の714件だったものの、副業として結婚相談所を開業する人の割合は増えており、2021年7月~9月は59.3%が副業としての開業だった。

マッチングアプリですそ野が拡大

Tinderのイメージ写真

マッチングアプリの普及によって、婚活のハードルが下がった。(写真はイメージです)

Shutterstock/BigTunaOnline

結婚相談所ビジネスが副業として伸びているのは、婚活ビジネス市場そのものが拡大しているためだ、とIBJは説明する。

結婚相談所を利用する人も増えており、その背景には一見、競合とも思える「Pairs(ペアーズ)」や「Tinder(ティンダー)」などのマッチングアプリの普及があるという。

「これらのサービスが普及したことで、婚活のハードルが下がったことが影響しています。結婚を目的に多くの人がマッチングアプリを使うようになったものの、必ずしも成婚にいたる訳ではありません。マッチングアプリによる市場の拡大で、結果的に結婚相談所を利用するケースが増えていると感じます」(杉山氏)

IBJは2027年までに、現在約3000の加盟店を1万社に拡大し、日本の婚姻組数の5%にあたる2万5000組の成婚を目標に掲げるツヴァイなども含め、すでに全国に直営の結婚相談所を持つIBJにとっては、新規の加盟店を増やすことが今後の成長戦略の1つの柱となっている。

「新規の加盟店を増やし、グループとして登録者・成婚数をさらに増やすことでブランド力を強化し、日本の人口減少の解決に寄与していきたい」(杉山氏)

「30代、40代には特に可能性ある副業」

永野さんの写真

結婚相談所への入会時には数時間話したり、プロフィール写真の撮影にも同席し服装のアドバイスをしたりするという。

撮影:横山耕太郎

副業として結婚相談所を開業している人たちは、どんな働き方をしているのだろうか?

前出の永野さんは、「結婚に至るかどうかは、どの段階でどうアプローチするのかが、とにかく重要になります」と話す。

デートしたい相手を探すのは、基本的には登録者本人だ。IBJの場合は計約7万8000人のデータベースから、条件などを入力して検索。会いたい人が見つかった際には、永野さんが先方の結婚相談所に連絡し、先方が望めば面会が実現する。

わざわざ結婚相談所を通すのは手間にも感じるが、交際の段階に応じてきめ細かいアドバイスができるという。

「例えばですが、将来的には親と同居したいとか、実家の近くに住みたいなどの希望、結婚後は共働きか、趣味を続けてもいいかなど、必ずしもプロフィールには記載しない情報もあります。そうした希望や情報は、関係性を探りながらタイミングをはかってすり合わせないといけない。隠したまま結婚してしまうと離婚に繋がることもあるので、必ず時期を見て伝える必要はあると思っています」

結婚相談所同士で情報交換することも少なくない。永野さんの顧客がプロポーズを考えている段階で、相手の結婚相談所に連絡し、相手の気持ちを知ったうえでアドバイスもできる。

「その意味では、他の結婚相談所はライバルというよりも仲間だと思っています。婚活アプリとは異なるサポートが、小規模な結婚相談所の魅力でもありますし、やりがいでもあります

永野さんの結婚相談所「縁ブリッジ」では、新規の会員については原則紹介制で、サポートの質を保つため上限を30人としている。土日に会員の相談に乗ることも多いが、オンラインも活用しながら家族と過ごす時間も確保できているという。

30代、40代の男性が運営する結婚相談所はまだ多くはなく、差別化できると思います。数年続けられれば、収入が期待できる副業ではないでしょうか。

私の場合は、企業でのマネジメントやコンサル経験だけでなく、プライベートでは離婚経験もあり、リアルな人生経験を生かしたアドバイスをしています。それぞれの強みを生かして集客できるかどうかが大事になると思います」

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